ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・上つ巻(11)天若日子 天向け矢をば

2013年01月07日 | 古事記ものがたり

天若日子あめのわかひこ 天向け矢をば

天上世界 そこいま
天照大御神あまてらすかみ 申すには

豊葦原とよあしはらの 水穂国みずほくに
 あれぞお前の 統治おさめ国」

聞いた天之忍穂おしほの みみみこと
天地かれる 浮き橋に
立ち て下界を 覗き見る



   水穂国みずほのくには 国つ神
   治めるやに 見て取れる





















先にくだりて 国譲ゆずらせる
約束やく取り付ける 神をとて
天菩比神あめのほひかみ 選ばれる

くだ天菩比神ほひかみ 大国主神おおくに
仕え三年みとせも 戻り

天若日子あめのわかひこ しからばと
天之麻迦古弓あままかこゆみ 天之波波矢あまははや
さずけ受け取り またくだ

したが天若日子わかひこ 意をそむ
大国主神おおくに娘 妻にする
下照比売命したてるひめが その名なり

天若日子わかひこさとす 使者として
きじ鳴女なきめが 選ばれる

くだ鳴女なきめに 小癪こしゃくなと
天若日子 rt>あめのわかひこ 放つ矢は
鳴女なきめ胸をば 突き抜けて
天上 までと 跳ね上がる

飛び来たその矢 まさしくに
与えさずけた 矢なるぞよ

   「悪神わるがみにし 流矢にあれば
    天若日子あめわかひこに 当たらずや
    邪心じゃしんいだきて 天上に
    た矢にあれば 当たるべし」

   元へとくだし 投げる矢は
   誓約うけい通りに 天若日子わかひこ

嘆く天若日子わかひこ 父と妻
下界降り来て もがりする

   そこのもがりに 来たりしは
   下照比売命したてる兄の 高日子根神たかひこね

   似たも似たるや 天若日子わかひこ
   天若日子ひこの父妻 喜びて
   やれ 嬉しやな 生きてしか


すがる父妻 振りほど
死人しびと同じに を成すと
いかり荒れたる 高日子根神たかひこね
殯屋もがり蹴飛ばし雲と去る

下照比売命したてるひめは り成しに
我が 兄なりと 謡う歌

若い機織はたおりり 胸飾る
うなじ垂らした 玉二つ
 を飾れる 玉二つ
二つの谷を べられる
我が兄の名は 阿遅志貴あじしき
高日子根神たかひこねかみ なるぞかし

  天なるや 若棚機おとたなばた
  うながせる 玉の装飾みすまる
  装飾みすまるに 足玉あなたまはや
  み谷 二渡ふたわたらす
  阿遅志貴あじしき高日子根神たかひこねのかみ
                     古事記歌謡(七)―









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