ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・上つ巻(12)遂に成ったぞ 国譲り

2013年01月10日 | 古事記ものがたり
■遂に成ったぞ 国ゆず

天照大御神あまてらすす 天上に
更なる談義だんぎ 神つど

選び出された  切り札は
建御雷たけみかずちの 神なりき

付きて従い くだりしは
天鳥船あまとりふねの 神なるぞ

くだり来たった 出雲いずもくに
伊耶佐いざさの浜に 逆剣さかつるぎ
立てた刃先し 二つ神
大国主神おおくにぬしに 問いただ

「ここ葦原あしはらの 中つ国
 天照大御神あまてるかみが 我が子して
 統治おさむと決めし 国なるぞ

 譲るや否や 大国主神おおくに
 存念ぞんねん述べよ さて如何いかに」

 答えるべきは 我が息子
 事代主神ことしろぬしを 呼び寄せよ」

事代主神ことしろ参り 答えるに
おそれ多きの 申し出や
 あまつ神なる 御子孫おこ様に
 献上さしあげするが 道理まことかと」

言いて事代主神ことしろ 乗り来たる
船踏みかしげ 逆手さかて
       (手の甲で打つ拍手)
見る 間に船は 青垣に

事代主神ことしろ中に こもられて
多く 言わずと お隠れに


   そこに大岩 かかげ持ち
   建御名方神みなかたかみが 現れる

    我れは不承知 いざ勝負」


むずとつかみた 建御雷神みかずち
氷柱こおりばしらに 剣刃やいばにと
たちまち変わる 恐ろしさ

退ずさりたる 建御名方神みなかた
手取り刹那せつなに 建御雷神みかずち
千切ちぎつぶして ほお

恐れなしたる 建御名方神みなかた
逃げも逃げたり 信濃諏訪すわ

 我れここ諏訪に 留まりて
 何処どこも参らぬ 約束やくもしょう
 大国主神おおくにぬしの 意の如く
 事代主神ことしろぬしの 意のままに」

戻り建御雷神みかずち 責め立てる
事代主神ことしろぬしに 建御名方神みなかた
 我れの意に沿う 約束やくせしが
 大国主神おおくにそなた 如何いかがする」

 子等の誓いを 守るにて
  この葦原の 中つ国
 譲り渡すに 約束やくせや

 我れの住まいに 大社おおやしろ
 天つ御神みかみの 宮殿やしろ
 岩盤いわね深々 柱立て
 天空そら千木ちぎかかげ 高々と

 末の長きに まつ
 許可ゆるすならば」と 言い置きて

大国主神おおくにぬしは お隠れに