ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

金村・千年編(11)冬の任務は 寒うてならぬ

2011年01月31日 | 金村・千年編
■平成23年1月31日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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めい受けて 石上いそかみ布留ふるに 寝起きして 都の家が 恋しかお主

うつせみの 世の人なれば 大君おほきみの みことかしこみ 
磯城島しきしまやまとの国の 石上いそのかみ 布留ふるの里に 紐解ひもとかず 丸寝まるねをすれば
 
《人の世に 生まれたつとめ 果たすため 天皇おおきみさんの めい受けて
 大和の国の 布留の里 任務つとめ大事と ごろ寝する》
わがせる ころもれぬ 見るごとに 恋はまされど 
色にでば 人知りぬべみ 冬の夜の 明かしも得ぬを 
ずに われはそ恋ふる いも直香ただか

《着てる着物は よれよれや それ見るたんび 家恋し
 そぶり見せたら 他人ひとが知る なかなかけん 冬のよる
 まんじりせんと おまえをば 恋し思たら まぶたに浮かぶ》
                         ―笠金村歌中―〔巻九・一七八七〕 
布留ふる山ゆ ただに見渡す みやこにそ ず恋ふる 遠くあらなくに
《布留からは 遠くもないに 寝られんで 恋しい思う みやこのおまえ》
                         ―笠金村歌中―〔巻九・七一八八〕 
吾妹子わぎもこが ひてし紐を 解かめやも えば絶ゆとも ただふまでに
かへんぞ おまえ結んだ ひもやから 例え切れも 逢うまで解かん》
                         ―笠金村歌中―〔巻九・七一八九〕 



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