ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

金村・千年編(10)役目大事と 都に残る

2011年01月27日 | 金村・千年編
■平成23年1月27日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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乙麿おとまろの 越前赴任 留守居する 笠村役目 果たして何ぞ

人と成る ことはかたきを わくらばに 成れるわが身は
しにいきも 君がまにまと 思ひつつ ありしあひだ
 
《人間に 生まれて来るの むつかしに たまさか生まれた このわしや
 生きるも死ぬも お前様 思うままにと 思てたが》 
うつせみの 世の人なれば 大君おほきみの みことかしこみ 
天離あまざかる 夷治ひなをさめにと 朝鳥あさどりの 朝立ちしつつ 群鳥むらどりの 群立むらだち行けば 
まりて われは恋ひむな 見ずひさならば

つとめ果すは 世の習い 天皇おおきみさんの めい受けて
 地方赴任の 遠い旅 朝になったら 出発や みんな揃うて 出かけらる 
 残るこのわし 寂しいわ しばらく会えん 日が続く》
                       ―笠金村歌中―〔巻九・一七八五〕 
越路こしぢの 雪降る山を 越えむ日は まれるわれを けてしのはせ
《越へ行く  雪の降る山 越える日は 残ったわしを 思い出してや》
                         ―笠金村歌中―〔巻九・一七八六〕 




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