ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

旅人編(09)昔馴染みは 懐かしもんや

2010年08月23日 | 旅人編
■平成22年8月23日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★その昔 情け交わした 女友とも有りて 往年思い 鬱の気晴れる

高円たかまとの 秋の野のうへの 瞿麦なでしこの花
   うらわかみ  人のかざしし 瞿麦の花

《秋の野で 綺麗きれに咲いてた 撫子なでしこ花を 可愛らし言うて んだん誰や》
                         ―丹生女王にふのおほきみ―〔巻八・一六一〇〕
あまくもの 遠隔そくへきはみ 遠けども 心し行けば 恋ふるものかも
《身ぃ遠に 離れてるけど 恋してる 心は飛んで かようておるで》
                         ―丹生女王にふのおほきみ―〔巻四・五五三〕
いにしへの 人のこせる 吉備きびの酒 めばすべなし 貫簀ぬきすたばらむ
《吉備の酒 昔あんたと 飲んだ酒 もう飲めんから 貫簀ぬきすちょうだい》
                         ―丹生女王にふのおほきみ―〔巻四・五五四〕
たつも 今も得てしか あをによし 奈良の都に 行きて来む為
《都まで 行って帰って 来たいんで あまけ馬を 今すぐ欲しい》
                         ―大伴旅人―〔巻五・八〇六〕 
たつを あれは求めむ あをによし 奈良の都に む人のため
あまける 馬絶対に 手に入れる 都来たいと 言う人のため》
                         ―作者未詳―〔巻五・八〇八〕 
うつつには 逢ふよしも無し ぬばたまの よるいめにを ぎて見えこそ
《逢うことが  出けへんよって 夢の中 せめて毎晩 逢いに来てんか》
                         ―大伴旅人―〔巻五・八〇七〕 
ただに逢はず らくも多く 敷拷しきたへの 枕らずて いめにし見えむ
《逢わへんの ご続くけど 思慕おもてるで そやから毎晩 夢見るきっと》
                         ―作者未詳―〔巻五・八〇九〕 




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