ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

旅人編(04)飲まれたいんや この味酒(うまざけ)に

2010年08月05日 | 旅人編
■平成22年8月5日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★美味い酒 飲んでもみんと 飲むな言う 人知らんやろ この味酒さけの味

あなみにく さかしらをすと 酒飲まぬ 人をよく見れば 猿にかも
《ああ嫌や  酒も飲まんと 偉そうに 言う奴の顔 猿そっくりや》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四四〕 

あたひ無き たからといふとも 一つきの にごれる酒に あにさめやも
《極上の  高値の宝 なんかより 酒一杯が わしにはええで》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四五〕 
よるひかる 玉といふとも さけ飲みて こころをやるに あにかめやも
夜光やこうだま そんなもんより 酒飲んで 憂さ晴らすが ええなわしには》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四六〕 
世のなかの みやびの道に すすしくは ゑひなきするに あるべくあるらし
《風流の 道を極めて 澄ますより 酔うて泣くが ええのんちゃうか》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四七〕 
この世にし 楽しくあらば には 虫に烏にも われはなりなむ
《この世さえ  楽しいでけたら 次の世は 虫とか鳥に 成ってもええで》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四八〕 
ける者 つひにも死ぬる ものにあれば この世なるは 楽しくをあらな
《人いつか  死ぬと決まった もんやから 生きてるうちは 楽しゅうしょうや》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三四九〕 
黙然もだをりて さかしらするは 酒飲みて 酔泣ゑひなきするに なほ若かずけり
《澄まし込み かしこるより 酒飲んで 泣いてる方が まだ益しちゃうか》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三五〇〕 





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