令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(一)(24)愛(め)づ児(こ)の刀自(とじ)

2011年01月21日 | 家待・越中編(一)友ありて
【掲載日:平成23年3月1日】

母にまつりつや  
        父にまつりつや 



出挙すいこ任務は 望外ぼうがいの収穫であった
越中 能登の国めぐ
土の匂いする 民謡たみうたの数々
素朴の中に 古来いにしえが 宿る

【能登国の歌】 
梯立はしたての くまのやらに 新羅しらきをの 落し入れ
                         わし 
懸けて懸けて な泣かしそね 浮きづるやと見む
                         わし 

舶来はくらいの 斧としたで 熊木沼 ホイ♫
 泣きないな  浮いてくるかも 知れんがな ホイ♫》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八七八〕 
梯立はしたての 熊来くまき酒屋さかやに 真罵まぬらるやっこ
                     わし   
さすひ立て なましを 真罵まぬらるやっこ
                     わし 
 
怒鳴どなられて 熊木酒蔵さかぐら ドジなやつ ホイ♫
 連れ出して 助けたろかな ドジなやつ ホイ♫》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八七九〕 

しまの つくゑの島の
   小螺しただみを いひりひ持ちて 
ち つつき破り
   早川に 洗ひすすぎ 
辛塩からしほに こごと
   高坏たかつきに盛り 机に立てて 
母にまつりつや  
 父にまつりつや 

《机の島の  シタダミ拾ろて
 石でくだいて きれえにあろ
 塩もみしてから うつわに盛って
 おにあげたか いとしいよめ
 おにやったか 可愛かいらしよめよ》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八〇〕 

【越中国の歌】 
大野路おほのじは しげもりみち 繁くとも 君し通はば 道は広けむ
《大野みち 森の木しげり 細いけど あんたかよたら 広なるちゃうか》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八一〕 

渋谿しぶたにの ふたがみ山に わしといふ
さしはにも 君のみために 鷲ぞといふ

渋谿しぶたにの 二上山で わし子ぉ産むで
 殿のため おうぎ作りと わし子ぉ産むで》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八二〕 

弥彦いやびこ おのれかむさび 
青雲あをくもの たなびく日すら 小雨こさめそほ降る

弥彦山やひこやま 鬱蒼うっそう繁り しずくり 天気うても 雨降るようや》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八三〕 
弥彦いやびこ 神のふもと
  今日けふらもか 鹿のすらむ
    かはごろも着て つのきながら

弥彦山やひこやま 神さん庭で
  今日あたり 人鹿しか伏せとるで
    皮のふく着て つの頭付け》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八四〕 


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