【掲載日:平成23年3月1日】
母に奉りつや 愛づ児の刀自
父に献りつや 愛づ児の刀自
出挙任務は 望外の収穫であった
越中 能登の国廻り
土の匂いする 民謡の数々
素朴の中に 古来が 宿る
【能登国の歌】
梯立の 熊来のやらに 新羅斧 落し入れ
わし
懸けて懸けて な泣かしそね 浮き出づるやと見む
わし
《舶来の 斧落としたで 熊木沼 ホイ♫
泣きないな 浮いてくるかも 知れんがな ホイ♫》
―作者未詳―〔巻十六・三八七八〕
梯立の 熊来酒屋に 真罵らる奴
わし
誘ひ立て 率て来なましを 真罵らる奴
わし
《怒鳴られて 熊木酒蔵 ドジな奴 ホイ♫
連れ出して 助けたろかな ドジな奴 ホイ♫》
―作者未詳―〔巻十六・三八七九〕
香島嶺の 机の島の
小螺を い拾ひ持ち来て
石以ち 突き破り
早川に 洗ひ濯ぎ
《机の島の
石で砕
塩もみしてから 器
お母
お父
―作者未詳―〔巻十六・三八八〇〕
【越中国の歌】
大野路
《大野道
―作者未詳―〔巻十六・三八八一〕
渋谿
翳
《渋谿
殿のため 扇
―作者未詳―〔巻十六・三八八二〕
弥彦
青雲
《弥彦山
―作者未詳―〔巻十六・三八八三〕
弥彦
今日
皮
《弥彦山
今日あたり 人鹿
皮の衣
―作者未詳―〔巻十六・三八八四〕
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