【掲載日:平成24年3月13日】
橘の 下に我を立て 下枝取り 成らむや君と 問ひし子らはも
山に登れば 松の木生える
磯を辿れば 小松が靡く
木末 枝 根に 思いを託し
飛ぶ鳥 獣に 思いを乗せて
君来ずは 形見にせむと 我がふたり 植ゑし松の木 君を待ち出でむ
《来ん時の 呼び寄せに仕様と 二人して 植えたこの松木や 待ったら来るで》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八四)
袖振らば 見ゆべき限り 我れはあれど その松が枝に 隠らひにけり
《袖振るん 見えてる限り 見てたけど 松枝にとうとう 隠れて仕舞た》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八五)
茅渟の海の 浜辺の小松 根深めて 我れ恋ひわたる 人の子ゆゑに
《浜辺松 深い根の様に 深こ深こに わし焦がれてる 他人の児やのに》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八六)
奈良山の 小松が末の うれむぞは 我が思ふ妹に 逢はず止みなむ
《小松の先 先にこのわし 惚れた児に なんで逢わんで 終われるもんか》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八七)
磯の上に 立てるむろの木 ねもころに 何しか深め 思ひ初めけむ
《むろの木の 根ぇは深いが なんでまた こんな深こうに 惚れたんやろか》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八八)
橘の 下に我を立て 下枝取り 成らむや君と 問ひし子らはも
《あの児わし 橘木の下立たせ 「実るかな うちらの恋は」 言うてたのんに》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四八九)
磯の上に 生ふる小松の 名を惜しみ 人に知らえず 恋ひ渡るかも
《小松根の 浮き名立つのん 避けとうて 人知られんと 恋続けとる》
―柿本人麻呂歌集―(巻十二・二八六一)
(小松→小松の根(ネ)→(ナ)名を)
天雲に 翼打ちつけて 飛ぶ鶴の たづたづしかも 君しまさねば
《飛ぶ鶴は 羽根雲打って ゆたゆたや 心細いで あんた居らんと》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四九〇)
(鶴→たづたづ)
妹に恋ひ 寝ねぬ朝明に 鴛鴦の こゆかく渡る 妹が使か
《恋慕い 寝られん朝に 鴛鴦飛んだ あれはお前の 使いやろうか》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四九一)
思ひにし 余りにしかば 鳰鳥の なづさひ来しを 人見けむかも
《恋しいて 辛抱出来んで 無我夢中 もがく様来たん 見られた違うか》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四九二)
高山の 嶺行く鹿の 友を多み 袖振らず来ぬ 忘ると思ふな
《連れ多て 袖も振らんで 通過たけども お前忘れた 訳違うからな》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四九三)
(鹿は群れで移動する→友を多み)
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