令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(34)露にぞ枯るる

2012年06月01日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年6月1日】

ゆふされば 野辺のへの秋萩 うら若み つゆにぞ枯るる 秋待ちかてに


秋の訪れ 雁呼びたり
聞くかりは せつう響く
萩連れ 鹿は 声響かせて
時雨しぐれ降るたび 萩花散らす

春草はるくさを 馬咋うまくひ山ゆ 越えなる かり使つかひは 宿やどぐなり
咋山くいやまを 越える雁の 家使つかいやに 此処飛び過ぎた 家どやろかな》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一七〇八)
巨椋おほくらの 入江とよむなり 射目人いめひとの 伏見ふしみに かり渡るらし
巨椋池おぐらいけ 入江鳴き声 響いてる 伏見の田ぁへ 雁渡るんや》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一六九九)
                        (射目人=狩りで獲物を射る人→伏せて待つ→伏見)
秋風に 山吹やまぶきの瀬の 鳴るなへに あまくもかける かりへるかも
 秋風で 山吹の瀬ぇ 騒ぐ時 空飛ぶ雁の 声聞こえたで》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一七〇〇)
 山吹=地名)
三諸みもろの 神奈備かむなび山に たち向ふ 御垣みかきの山に 秋萩の 妻をかむと あさ月夜づくよ 明けまくしみ あしひきの 山彦やまびことよめ 呼びたて鳴くも
神奈備かんなびの 山の向かいの かき山 あきはぎづまを さそおして 月夜けるん しいでと 声ひびかして 雄鹿しか鳴いとるよ》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻九・一七六一)
明日あすよひ 逢はざらめやも あしひきの 山彦やまびことよめ 呼びたて鳴くも
今夜こんやにも 逢えるんやろに 山陰やまかげで 声ひびかして 必死ひっし鳴いとる》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻九・一七六二)
                           (明日=一日は日没から始まると考えた)
鹿しかの 心あひおもふ 秋萩の 時雨しぐれの降るに 散らくししも
おす鹿しかの 心の妻の 秋萩が 時雨しぐれたび 散るんはしで》
                    ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇九四)
ゆふされば 野辺のへの秋萩 うら若み つゆにぞ枯るる 秋待ちかてに
 夕方が 来たら秋萩 若い葉ぁ 露で枯れるで 秋来るまでに》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十・二〇九五)




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