【掲載日:平成24年6月8日】
行く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の檜原は
自然詠む歌 山川出番
檜原三輪山 穴師の川に
巻向お山 山の辺辿り
水の流れに 空しさ思う
【山を詠める三首】
鳴神の 音のみ聞きし 巻向の 檜原の山を 今日見つるかも
《噂では 常時聞いてた 檜原山 やっと今日の日 見ること出来た》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇九二)
三諸の その山並に 子らが手を 巻向山は 継ぎのよろしも
《三輪山に 続き連なる 巻向の 山の並びは 良え眺めやで》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇九三)
我が衣 にほひぬべくも 味酒 三室の山は 黄葉しにけり
《うちの衣 色に染まって 仕舞い相や 三輪のお山の 見事黄葉に》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一〇九四)
【川を詠める】
巻向の 穴師の川ゆ 行く水の 絶ゆることなく またかへり見む
《穴師川 流れる水は 絶えやせん わしも絶えんと 此処来よ思う》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一一〇〇)
【葉を詠める二首】
いにしへに ありけむ人も 我が如か 三輪の檜原に 插頭し折りけむ
《その昔 此処来た人も わしみたい 檜原で髪に 枝挿したんや》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一一一八)
行く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の檜原は
《昔居た 人亡うなって 枝折らん 寂し思うか 三輪の檜原は》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一一一九)
子らが手を 巻向山は 常にあれど 過ぎにし人に 行き巻かめやも
《巻向の 山そのままで 変わらんが 死んだ人の手 枕にできん》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一二六八)
巻向の 山辺響みて 行く水の 水泡のごとし 世の人我れは
《巻向の 山裾川の 流れ水 その泡の様や この世のわしは》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一二六九)
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