令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(36)うらぶれ立てり

2012年06月08日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年6月8日】

行く川の 過ぎにし人の 手折たをらねば うらぶれ立てり 三輪みわばら


自然 詠む歌 山川出番
ばら三輪山 あなの川に
まきむくお山 山の辿たど
水の流れに むなしさ思う

 山を詠める三首】
鳴神なるかみの 音のみ聞きし まきむくの ばらの山を 今日見つるかも
うわさでは 常時いつも聞いてた 原山ばらやま やっと今日の日 見ることた》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一〇九二)
三諸みもろの その山並やまなみに 子らが手を まき向山むくやまは ぎのよろしも
三輪山みわやまに 続きつらなる まきむくの 山の並びは ながめやで》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一〇九三)
ころも にほひぬべくも うまさけ 三室みむろの山は 黄葉もみちしにけり
《うちのふく 色にまって や 三輪みわのお山の 見事みごと黄葉もみじに》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一〇九四)
 川を詠める】
まきむくの 穴師あなしの川ゆ 行く水の 絶ゆることなく またかへり見む
穴師あなし川 流れる水は 絶えやせん わしも絶えんと 此処ここよ思う》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一一〇〇)
 葉を詠める二首】
いにしへに ありけむ人も 我がごとか 三輪みわばらに 插頭かざしし折りけむ
《その昔 此処ここ来た人も わしみたい ばらで髪に 枝したんや》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一一一八)
行く川の 過ぎにし人の 手折たをらねば うらぶれ立てり 三輪みわばら
《昔た 人うなって 枝らん さみし思うか 三輪みわばらは》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一一一九)
子らが手を まき向山むくやまは つねにあれど 過ぎにし人に 行き巻かめやも
 巻向の 山そのままで 変わらんが 死んだ人の手 枕にできん》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一二六八)
まきむくの 山辺やまへとよみて 行く水の 水泡みなわのごとし 世の人我れは
《巻向の 山裾やますそかわの 流れ水 そのあわや この世のわしは》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一二六九)



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