【掲載日:平成24年6月12日】
我妹子が 赤裳ひづちて 植ゑし田を 刈りて収めむ 倉無の浜
雑歌に含む 羈旅歌は 旅先詠める 景色歌
地誉め山誉め 独り寝に 家妻偲ぶ 旅愁歌
波音聞いて 照る月見ても
偲ぶ思いは 家待つ妻か
思い紛れに 見る山小島
神の造りし 神秘の姿
【高島での歌二首】
高島の 安曇川波は 騒けども 我れは家思ふ 宿り悲しみ
《安曇川の 波騒がしが 耳漫ろ わし家恋し 旅寂しいて》
―柿本人麻呂歌集―(巻九・一六九〇)
旅なれば 夜中をさして 照る月の 高島山に 隠らく惜しも
《旅寂し 空に懸かった 照る月が 高島山に 隠れて仕舞うで》
―柿本人麻呂歌集―(巻九・一六九一)
【紀伊国での歌】
我が恋ふる 妹は逢はさず 玉の浦に 衣片敷き 独りかも寝む
《恋慕う お前逢えんで 玉の浦 独り寂しゅう 寝んならんのか》
―柿本人麻呂歌集―(巻九・一六九二)
玉櫛笥 明けまく惜しき あたら夜を 衣手離れて 独りかも寝む
《一緒なら 明けるん惜しい 夜やのに 独り寂しに 寝んならんのか》
―柿本人麻呂歌集―(巻九・一六九三)
我妹子が 赤裳ひづちて 植ゑし田を 刈りて収めむ 倉無の浜
《倉無浜は あの児裳濡らし 植えた田を 刈り採る云うに 苦労無云うか》
―柿本人麻呂―(巻九・一七一〇)
大汝 少御神の 作らしし 妹背の山を 見らくしよしも
《大汝 少御神が 造られた 妹背の山は 見事なもんや》
―柿本人麻呂歌集―(巻七・一二四七)
百伝ふ 八十の島廻を 漕ぎ来れど 粟の小島は 見れど飽かぬかも
《八十もの 多数の島を 漕ぎ来たが 粟の小島は やっぱり良えで》
―柿本人麻呂―(巻九・一七一一)
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