令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(37)倉無(くらなし)の浜

2012年06月12日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年6月12日】

我妹子わぎもこが あかひづちて 植ゑし田を 刈りておさめむ 倉無くらなしの浜



雑歌ぞうかに含む りょうたは 旅先める 景色歌
め山め 独り寝に 家妻偲ぶ 旅愁歌りょしゅううた

波音 聞いて 照る月見ても
偲ぶ 思いは 家待つ妻か
思いまぎれに 見る山小島
 の造りし 神秘の姿

 高島での歌二首】
高島たかしまの 安曇あどかは波は さわけども 我れは家思いへおもふ 宿やどり悲しみ
安曇川あどがわの 波さわがしが 耳そぞろ わし家恋し 旅さみしいて》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一六九〇)
旅なれば 夜中よなかをさして 照る月の 高島山に かくらくしも
《旅さみし 空にかった 照る月が 高島山に かくれて仕舞うで》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一六九一)
紀伊国きのくにでの歌】
が恋ふる 妹ははさず 玉の浦に ころも片敷き ひとりかも寝む
《恋したう お前えんで 玉の浦 ひとさびしゅう んならんのか》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一六九二)
たま櫛笥くしげ 明けまくしき あたら夜を 衣手ころもでれて ひとりかも
《一緒なら 明けるんしい よるやのに ひとさみしに んならんのか》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻九・一六九三)

我妹子わぎもこが あかひづちて 植ゑし田を 刈りておさめむ 倉無くらなしの浜
倉無浜くらなしは あの児濡らし 植えた田を 刈り採るうに 苦労無くろなしうか》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻九・一七一〇)

大汝おほなむち 少御神すくなみかみの 作らしし 妹背いもせの山を 見らくしよしも
大汝おおなむち 少御神すくなみかみが 造られた 妹背いもせの山は 見事なもんや》
                       ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻七・一二四七)
ももづたふ 八十やその島を れど あはの小島は 見れどかぬかも
八十はちじゅもの 多数ようけの島を 漕ぎたが あわの小島は やっぱりえで》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻九・一七一一)



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