【掲載日:平成25年3月26日】
高山の 岩もと激ち 行く水の 音には立てじ 恋ひて死ぬとも
噂立ったら 五月蝿いけども
二人絆は 余計強うなる
酷い噂で 逢われはせんが
心固いで 心配しなや
川千鳥 棲む沢の上に 立つ霧の 著けむな 相言ひ初めてば
《沢上に 立つ霧目立つ 二人して 契りしたなら 人目に立つやろな》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六八〇)
高山の 岩もと激ち 行く水の 音には立てじ 恋ひて死ぬとも
《山下り 岩噛む水音の 噂なぞ 立てん様するで 恋死にしても》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七一八)
里人の 言寄せ妻を 荒垣の 外にや我が見む 憎くあらなくに
《出来てると 皆噂する 二人仲 気ぃあるのんに 余所見せならん》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五六二)
浅茅原 刈り標指して 空言も 寄そりし君が 言をし待たむ
《良加減な 噂に立った あんたやが 言い寄り待つわ 嘘でも良えで》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七五五)
(標は大事なところに結う=原っぱに標を結うのは意味がない)
葦鶴の 騒く入江の 白菅の 知らせむためと 言痛かるかも
《この思い 知らせたろ思て 騒ぐんか 入江の鶴が 騒いどる様に》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七六八)
(白菅→知らせむ)
人言を 繁みと君に 玉梓の 使も遣らず 忘ると思ふな
《世の中の 噂あんまり 酷いんで 使い遣れんが 忘れた違うで》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五八六)
大船の 艫にも舳にも 寄する波 寄すとも我れは 君がまにまに
《艫に舳に あちこち寄せる 噂波 酷てもうちは あんたのもんや》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七四〇)
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