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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(上)編(31)妹が踏むらむ

2013年03月08日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成25年3月8日】

かくばかり 恋ひつつあらずは あさに いもが踏むらむ つちにあらましを




がれ続けば 深刻しんこく募る
浦の海人あまなり 玉藻を刈ろか
 や磯・砂 成る方が増しや
いっそこの身が 果ててもえか

なかなかに 君に恋ひずは 比良ひらの浦の 海人あまならましを 玉藻たまも刈りつつ
《なまじっか あんたにがれ するよりか 比良ひら海人あまなり りしてるわ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七四三)
  
なかなかに 君に恋ひずは なはの浦の 海人あまにあらましを 玉藻たまも刈る刈る
《なまじっか あんたにがれ してるより なわうら海人あまに 成ってろ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七四三 或る本)
  
かくばかり 恋ひつつあらずは あさに いもが踏むらむ つちにあらましを
恋焦こいこがれ し続けてんと 朝晩に お前む土 成ったしや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六九三)
  
白波の 来寄する島の 荒磯ありそにも あらましものを 恋ひつつあらずは
《この気持ち がれ続けて 嘆くより ごつい荒磯あらいそ 成ったしや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七三三)
  
潮満てば 水泡みなわに浮かぶ 真砂まなごにも はなりてしか 恋ひは死なずて
《恋しいて 死ぬな思い するよりは 水泡あわ浮く砂に 成るえで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七三四)
  
住吉すみのえの 津守つもり網引あびきの 泛子うけの 浮かれか行かむ 恋ひつつあらずは
がれ しつづけせんと 浮子うきみたい かれながれて んで仕舞しまおか》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六四六)
  
我妹子わぎもこに 恋つつあらずは こもの 思ひ乱れて 死ぬべきものを
《あの児恋い がれ続けて 生きるより この胸つぶれ 死んだしや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七六五)

 つるぎ大刀たち 諸刃もろはうへに 行き触れて 死にかもしなむ 恋ひつつあらずは
《恋いがれ し続けてんで いっそこと 大刀たちに身投げて 死んで仕舞しまおか》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六三六)




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