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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(上)編(35)梁(やな)打ち渡す

2013年03月22日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成25年3月22日】

阿太あだひとの やな打ち渡す 瀬を早み 心は思へど ただに逢はぬかも




噂広がる 一夜ひとよのうちに
あっという間の の変わり
一人 歩くも ひそひそチラリ
まして 逢うなぞ 思いも寄らず

人言ひとごとの しげると 逢はずあらば つひにや子らが おも忘れなむ
他人ひとの目を うかがいしてて わへんと あの児このわし 顔忘わすれんちゃうか》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五九一)
  
人目ひとめおほみ つねかくのみし さもらはば いづれの時か が恋ひずあらむ
他人ひとの目を はばかィを ごしてて 何時いつこのわしの がれむんや》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六〇六)
  
佐保さほの内ゆ あらしの風の 吹きぬれば 帰りは知らに 嘆くぞ多き
佐保さほ里で 噂ひどうに 立って仕舞て かよい出来んと 嘆くいで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六七七)
                    (かえりはらに=行くことないと帰りはない=かよえない)

阿太あだひとの やな打ち渡す 瀬を早み 心は思へど ただに逢はぬかも
やな掛ける 川瀬かわせはようて 渡れんで 思いつのるが ようい行かん》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六九九)
                            (やな=川の瀬で魚をる仕掛け)
                         (瀬をはやみ=噂が立ってさまたげられて)

しなが鳥 猪名山ゐなやまとよに 行く水の 名のみそりし こもづまはも
とどろいて 流れる水か おとこに 噂だけ立ち われん妻や》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七〇八)
                                  (猪名山いなやまのみ)

牛窓うしまどの 波のしほさゐ 島とよみ そりし君は 逢はずかもあらむ
牛窓うしまどの 潮騒しおさい音が 響くに 噂立てられ うこと出来ん》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七三一)




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