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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(上)編(29)眉根掻きつれ

2013年03月01日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成25年3月1日】

めづらしき 君を見むとこそ 左手ひだりての 弓取るかたの まゆきつれ



おとずれ待って 女はれる
来る か来ないか 来ないか来るか
んはずないに んのは怪訝おか
もしや夜道で 変事なんかたか

夕占ゆふけにも うらにもれる 今夜こよひだに 来まさぬ君を いつとか待たむ
《今夜来る うらないが とんのに えへんあんた 何時いつ来るんや》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六一三)
  
大海おほうみの 荒磯ありそ洲鳥すどり あさな 見まくしきを 見えぬ君かも
《毎朝に 洲鳥すどりる 毎朝に 見たいあんたは 一向いっこんわ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二八〇一)
  
ならべて 君をませと ちはやぶる 神のやしろを まぬ日はなし
《毎晩に させてしと 神さんに ねごうてるんや 日ごと夜ごとに》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六六〇)
  
めづらしき 君を見むとこそ 左手ひだりての 弓取るかたの まゆきつれ
滅多めったん あんた来てし 願いして ひだりまゆき 待ってるのんに》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五七五)
                         (左手ひだりて大事だいじほう=「めづらしき」に対応たいおう

あしひきの やまさくらを け置きて が待つ君を れかとどむる
さくらを はなしして 待ってるに 何方どなたがあんた 引き留めてんや》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六一七)
  
待ちかねて 内にはらじ 白栲しろたへの 我が衣手ころもでに 露は置きぬとも
っとって あんたまだやが 家入はいらんで うちの袖口そでぐち 露で濡れても》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六八八)
  
高山に たかべさ渡り 高々たかたかに が待つ君を 待ちでむかも
背伸せのびして 首ごにして 待つうちは あんた出迎え 出来るんやろか》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二八〇四)
                         (たかべ〈小鴨こがも〉→高々たかだか

真袖まそで持ち とこうちはらひ 君待つと りしあひだに 月かたぶきぬ
《両袖で とこきよめて あんた待ち そうことる 月西のや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六六七)





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