【掲載日:平成25年2月12日】
逢はずとも 我れは恨みじ この枕 我れと思ひて まきてさ寝ませ
恋が進めば 二人の仲は
絆強まり 嬉しさ増して
女一途の 尽しはするが
男ほっとし 気ぃ緩ませる
相見ては 面隠さゆる ものからに 継ぎて見まくの 欲しき君かも
《恥ずかして 顔伏せるのに 直すぐに 見とうなるんや あんたの顔が》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五五四)
馬の音の とどともすれば 松蔭に 出でてぞ見つる けだし君かと
《馬足音が どどっとしたで 松木陰 出てみたんやで あんたか思て》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六五三)
紅の 裾引く道を 中に置きて 我れは通はむ 君か来まさむ
《離れてん 道一つやに 逢うてへん うちから行こか あんたが来るか》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六五五)
逢はずとも 我れは恨みじ この枕 我れと思ひて まきてさ寝ませ
《逢われんの 恨まんとくわ この枕 うちや思うて 抱いて寝てんか》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六二九)
偽りも 似つきてぞする いつよりか 見ぬ人恋ふに 人の死せし
《嘘つきも 大概しいや 見もせんに 恋いして死ぬて 聞たことないで》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五七二)
心さへ 奉れる君に 何をかも 言はず言ひしと 我がぬすまはむ
《心まで 捧げた云うに このうちが 言うた言わんと 誤魔化しせんわ》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五七三)
我が背子が 使を待つと 笠も着ず 出でつつぞ見し 雨の降らくに
《雨降るに 笠も着けんと 門出入りして あんたの使い うち待ってんや》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六八一)
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