【掲載日:平成25年2月5日】
梓弓 引きみ緩へみ 来ずは来ず 来ば来そをなぞ 来ずは来ばそを
拗ねる女は 煩らわしいで
軽くあしらう 男も悪い
女気持ちを 弄ぶんか
もしやあの人 離れん違うか
相思はず 君はあるらし ぬばたまの 夢にも見えず うけひて寝れど
《うちのこと 思とらんのや 夢さえも 出ても来んがな 願ごうて寝るに》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五八九)
梓弓 引きみ緩へみ 来ずは来ず 来ば来そをなぞ 来ずは来ばそを
《来る来れん どっちやねんな はっきり為 来るなら来ると 来んなら来んと ― 弓を引いたり 緩めたりして》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六四〇)
月草の 借れる命に ある人を いかに知りてか 後も逢はむと言ふ
《人命 仮のもんやと 知っとって 言うたんかいな その内またて》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七五六)
三島江の 入江の薦を 刈りにこそ 我れをば君は 思ひたりけれ
《三島江の 薦刈る云んや ないけども うちを思たん 仮初めなんか》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七六六)
(刈り→仮初め)
手作りを 空ゆ引き越し 遠みこそ 目言離るらめ 絶ゆと隔てや
《遠く居り 逢うも話すも 出来へんが 離れ別れよ 思てや無いな》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六四七)
(手作り布を高く晒す空が遠い)
波の間ゆ 見ゆる小島の 浜久木 久しくなりぬ 君に逢はずして
《偉ろ久し なって仕舞たで 逢わんまま あんた小島の 浜の久木か》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七五三)
(久木→久しく)
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