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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(上)編(21)恋(こひ)に死なする

2013年02月01日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成25年2月1日】

人もなき りにし里に ある人を めぐくや君が こひに死なする



焦がれ 女は 必死の思い
こいにするで 胸ける
せて影やで がれは夏草くさ
果ては来るなと うらはらごころ

大原おほはらの りにし里に いもを置きて 我れねかねつ いめに見えこそ
《大原の 田舎いなかにあの児 独り置き わし寝付ねつけへん 夢出ててや》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五八七)
  
里中さとなかに 鳴くなるかけの 呼び立てて いたくは泣かぬ こもづまはも
《あぁお前 内緒の妻は 大声で 泣きも出けんで がれてるか》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二八〇三)
  
人もなき りにし里に ある人を めぐくや君が こひに死なする
《人らん 田舎いなかまいの このうちを あんたひどいで こいにさすか》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五六〇)
  
ことへば 耳にたやすし 少なくも 心のうちに 我が思はなくに
《口したら なんでもうに 聞こえるが うちのこの胸 やで》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五八一)
  
夕月夜ゆふづくよ あかときやみの 朝影あさかげに が身はなりぬ を思ひかねに
《朝出来できる 影法師かげぼしみたい せて仕舞た あんた思うて えられへんで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六六四)
  
我が背子せこに が恋ふらくは 夏草の 刈りくれども ひしくごとし
《あんたへの うちのがれは 夏草なつくさや ったしりから えてきよるで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七六九)
  
さす竹の 節隠よごもりてあれ 我が背子せこが 我がりしずは れ恋めやも
《もうあんた 何処っかもって んといて あんたたび うち恋苦くるしんや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七七三)




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