【掲載日:平成25年2月22日】
かにかくに 物は思はじ 飛騨人の 打つ墨縄の ただ一道に
二人間の 関係良えと
詠う歌さえ 穏やか響く
お前に心 べったり寄るよ
あんた信じて 一筋うちは
紫の 名高の浦の 靡き藻の 心は妹に 寄りにしものを
《名高浦 藻ぉ揺れ靡く 靡き揺れ わしの心は お前べったり》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七八〇)
葦鴨の すだく池水 溢るとも 設溝の辺に 我れ越えめやも
《池水が 増えて溜まって 溢れても 越えて捌け溝 行かんでわしは》
(恋心 焦がれ募って 溢れ相や けどわし一途 お前思てる)【比喩】
―作者未詳―(巻十一・二八三三)
うち鼻ひ 鼻をぞひつる 剣大刀 身に添ふ妹し 思ひけらしも
《くしゃみ出た またくしゃみ出た 添い寝して いつも寝る児が わし思とんや》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六三七)
恨めしと 思ふさなはに ありしかば 外のみぞ見し 心は思へど
《逢うた時 恨めし気持ち やったから 知らん顔した 心と違ごて》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五二二)
梓弓 末のはら野に 鳥猟する 君が弓弦の 絶えむと思へや
《末原野 鷹狩り弓の 弦切れん 二人の仲も 切れへんでなぁ》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六三八)
かにかくに 物は思はじ 飛騨人の 打つ墨縄の ただ一道に
《あれやこれ 思うん止めよ 墨縄の ただ一筋に あんた信じて》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六四八)
(墨縄=材木に直線を引く大工道具)
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