NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月二十四日】放映分
衣手に 水渋付くまで 植ゑし田を 引板我が延へ 守れる苦し
《衣の袖 水垢付けて 植えた田の 見張り続けん 辛いやろうに》
―作者未詳―(巻八・一六三四)
【万葉歌みじかものがたり】《いと若みかも》
(まだ 年端も行かぬに いかにも策略めく)
亡き妻妾の忘れ形見の女児 当年九才
家持は ある尼を思い出していた
養育娘に 懸想の男 尼へ斟酌装いでの申出
手もすまに 植ゑし萩にや 却りては 見れども飽かず 心尽さむ
《手ぇ掛けて 育てた萩花は 愛でるより 散りはせんかと 気ィ揉むだけか》
―作者未詳―(巻八・一六三三)
衣手に 水渋付くまで 植ゑし田を 引板我が延へ 守れる苦し
《衣の袖 水垢付けて 植えた田の 見張り続けん 辛いやろうに》
―作者未詳―(巻八・一六三四)
困惑尼を察し 助け船の家持
(尼)佐保川の 水を塞き上げて 植ゑし田を
(家持)刈る早飯は 独りなるべし
《佐保川の 水堰き止めて 植えた田の
一番飯を 食うのん独り(わしや)》
―尼・家持―(巻八・一六三五)
(今は 手塩娘どころでない 大伴家の存亡
時勢の移りを思えば 「藤」と結ぶも一策
いやいや 安積皇子のこともある
さりとて 「橘」諸兄様も 押され気味・・・)
躊躇困惑家持 右へ左へ揺れ動く
春の雨は いや頻降るに 梅の花 いまだ咲かなく いと若みかも
《春雨が 頻り降るけど 梅花は まだ咲きまへん 木ぃ若いんで》
―大伴家持―(巻四・七八六)
夢のごと 思ほゆるかも 愛しきやし 君が使の 数多く通へば
《夢みたい 思うてまっせ 勿体ない あんたの使い 始終来るん》
―大伴家持―(巻四・七八七)
末若み 花咲きがたき 梅を植ゑて 人の言繁み 思ひぞ我がする
《木ぃ若て まだ花咲かん 梅やのに まだかまだかは 気が気やないで》
―大伴家持―(巻四・七八八)
情ぐく 思ほゆるかも 春霞 たなびく時に 言の通へば
《春霞 棚引く季節の 申し出に 返事もせんと すまんことです》
―大伴家持―(巻四・七八九)
春風の 声にし出なば ありさりて 今ならずとも 君がまにまに
《春風が 吹く様なったら 時期を見て 気持ち副う様に その内します》
―大伴家持―(巻四・七九〇)
久須麻呂から
確固の思いの丈と 拙速詫びの歌が届く
奥山の 磐陰に生ふる 菅の根の ねもころ我れも 相思はずあれや
《奥山の 岩陰菅の 根ぇみたい わしの思いに 揺るぎは無いで》
―藤原久須麻呂―(巻四・七九一)
春雨を 待つとにしあらし 我がやどの 若木の梅も いまだ含めり
《若木梅 春雨待って 咲くようや 家の梅かて まだ蕾やわ》
―藤原久須麻呂―(巻四・七九二)
返し歌を手に 家持 その場にへたり込む
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
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平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【十一月二十四日】放映分
衣手に 水渋付くまで 植ゑし田を 引板我が延へ 守れる苦し
《衣の袖 水垢付けて 植えた田の 見張り続けん 辛いやろうに》
―作者未詳―(巻八・一六三四)
【万葉歌みじかものがたり】《いと若みかも》
(まだ 年端も行かぬに いかにも策略めく)
亡き妻妾の忘れ形見の女児 当年九才
家持は ある尼を思い出していた
養育娘に 懸想の男 尼へ斟酌装いでの申出
手もすまに 植ゑし萩にや 却りては 見れども飽かず 心尽さむ
《手ぇ掛けて 育てた萩花は 愛でるより 散りはせんかと 気ィ揉むだけか》
―作者未詳―(巻八・一六三三)
衣手に 水渋付くまで 植ゑし田を 引板我が延へ 守れる苦し
《衣の袖 水垢付けて 植えた田の 見張り続けん 辛いやろうに》
―作者未詳―(巻八・一六三四)
困惑尼を察し 助け船の家持
(尼)佐保川の 水を塞き上げて 植ゑし田を
(家持)刈る早飯は 独りなるべし
《佐保川の 水堰き止めて 植えた田の
一番飯を 食うのん独り(わしや)》
―尼・家持―(巻八・一六三五)
(今は 手塩娘どころでない 大伴家の存亡
時勢の移りを思えば 「藤」と結ぶも一策
いやいや 安積皇子のこともある
さりとて 「橘」諸兄様も 押され気味・・・)
躊躇困惑家持 右へ左へ揺れ動く
春の雨は いや頻降るに 梅の花 いまだ咲かなく いと若みかも
《春雨が 頻り降るけど 梅花は まだ咲きまへん 木ぃ若いんで》
―大伴家持―(巻四・七八六)
夢のごと 思ほゆるかも 愛しきやし 君が使の 数多く通へば
《夢みたい 思うてまっせ 勿体ない あんたの使い 始終来るん》
―大伴家持―(巻四・七八七)
末若み 花咲きがたき 梅を植ゑて 人の言繁み 思ひぞ我がする
《木ぃ若て まだ花咲かん 梅やのに まだかまだかは 気が気やないで》
―大伴家持―(巻四・七八八)
情ぐく 思ほゆるかも 春霞 たなびく時に 言の通へば
《春霞 棚引く季節の 申し出に 返事もせんと すまんことです》
―大伴家持―(巻四・七八九)
春風の 声にし出なば ありさりて 今ならずとも 君がまにまに
《春風が 吹く様なったら 時期を見て 気持ち副う様に その内します》
―大伴家持―(巻四・七九〇)
久須麻呂から
確固の思いの丈と 拙速詫びの歌が届く
奥山の 磐陰に生ふる 菅の根の ねもころ我れも 相思はずあれや
《奥山の 岩陰菅の 根ぇみたい わしの思いに 揺るぎは無いで》
―藤原久須麻呂―(巻四・七九一)
春雨を 待つとにしあらし 我がやどの 若木の梅も いまだ含めり
《若木梅 春雨待って 咲くようや 家の梅かて まだ蕾やわ》
―藤原久須麻呂―(巻四・七九二)
返し歌を手に 家持 その場にへたり込む
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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