NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月十七日】放映分
稲日野も 行き過ぎかてに 思へれば 心恋しき 可古の島見ゆ
《印南野の 素通り惜しと 思う間に 恋し可古島 おお見えとるが》
―柿本人麻呂―(巻三・二五三)
【万葉歌みじかものがたり】《大和島見ゆ》
長門を経た 人麻呂の公務旅
大宰府への 副次報告を終え
那の津からの船は 難波の津を目指していた
時化の怖さはあるが 沿岸伝いの船旅は
陸路の難渋を思えば 安全 この上ない
久方ぶりの 大和の地
逸る心の 人麻呂
(まだ 見えぬのか 大和は)
稲日野も 行き過ぎかてに 思へれば 心恋しき 可古の島見ゆ
《印南野の 素通り惜しと 思う間に 恋し可古島 おお見えとるが》
―柿本人麻呂―(巻三・二五三)
(淡路島 大きゅうなってきた おお 賑やか 賑やか)
笥飯の海の 庭好くあらし 刈薦の 乱れ出づ見ゆ 海人の釣船
《笥飯海は 凪いだみたいや 釣り船が バラバラバラと 出てきとるがな》
―柿本人麻呂―(巻三・二五六)
(うわぁ 大和や 大和や)
天離る 鄙の長道ゆ 恋ひ来れば 明石の門より 大和島見ゆ
《長い道 恋し恋しと 明石来た 海峡向こに 大和の山や》
―柿本人麻呂―(巻三・二五五)
小躍りしたい気持ち
それとは 裏腹に
人麻呂の胸に 苦い汁が わだかまる
(このまま 地方の官吏で終わるのか
あの 誉は 夢だったのか
天武帝に召され「大王は 神にしあれば」と詠ったのは わしだ
持統帝の覚えは 目出たかった
吉野行幸「山川も依りて仕ふる」は絶讃を得た
皇子達への 挽き歌の数々
宮褒めの 寿ぎ歌・・・
あれは 真のわしであったのであろうか
時移り 世は変わり 宮廷一の歌人 柿本人麻呂は どこへ行ったのじゃ
友もいない 分不相応な扱いを受けた わしに 誰も寄りはしなかった
もう 大和はわしの住むところではないのだ)
(石見は 好い あそこは 人が住んでいる
依羅娘子が待っている・・・)
人麻呂の目に 大和島山が 滲む
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月十七日】放映分
稲日野も 行き過ぎかてに 思へれば 心恋しき 可古の島見ゆ
《印南野の 素通り惜しと 思う間に 恋し可古島 おお見えとるが》
―柿本人麻呂―(巻三・二五三)
【万葉歌みじかものがたり】《大和島見ゆ》
長門を経た 人麻呂の公務旅
大宰府への 副次報告を終え
那の津からの船は 難波の津を目指していた
時化の怖さはあるが 沿岸伝いの船旅は
陸路の難渋を思えば 安全 この上ない
久方ぶりの 大和の地
逸る心の 人麻呂
(まだ 見えぬのか 大和は)
稲日野も 行き過ぎかてに 思へれば 心恋しき 可古の島見ゆ
《印南野の 素通り惜しと 思う間に 恋し可古島 おお見えとるが》
―柿本人麻呂―(巻三・二五三)
(淡路島 大きゅうなってきた おお 賑やか 賑やか)
笥飯の海の 庭好くあらし 刈薦の 乱れ出づ見ゆ 海人の釣船
《笥飯海は 凪いだみたいや 釣り船が バラバラバラと 出てきとるがな》
―柿本人麻呂―(巻三・二五六)
(うわぁ 大和や 大和や)
天離る 鄙の長道ゆ 恋ひ来れば 明石の門より 大和島見ゆ
《長い道 恋し恋しと 明石来た 海峡向こに 大和の山や》
―柿本人麻呂―(巻三・二五五)
小躍りしたい気持ち
それとは 裏腹に
人麻呂の胸に 苦い汁が わだかまる
(このまま 地方の官吏で終わるのか
あの 誉は 夢だったのか
天武帝に召され「大王は 神にしあれば」と詠ったのは わしだ
持統帝の覚えは 目出たかった
吉野行幸「山川も依りて仕ふる」は絶讃を得た
皇子達への 挽き歌の数々
宮褒めの 寿ぎ歌・・・
あれは 真のわしであったのであろうか
時移り 世は変わり 宮廷一の歌人 柿本人麻呂は どこへ行ったのじゃ
友もいない 分不相応な扱いを受けた わしに 誰も寄りはしなかった
もう 大和はわしの住むところではないのだ)
(石見は 好い あそこは 人が住んでいる
依羅娘子が待っている・・・)
人麻呂の目に 大和島山が 滲む
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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