ぺなぺなペナン

新しいことを次々に始めていってたら趣味が増えすぎました。
自由が少なくなったと思いきや、今だからできることが多かった。

伝えるべきこと。

2013年05月28日 | 料理長
 先輩がBlogで紹介された記事でございます。どうやって、記事の内容を伝えていくべきなのか考えていきましょう。


 バングラデシュのダッカ郊外で4月に衣料工場が入居したビルが倒壊し多数 の犠牲者を出した事故を受けて、途上国にある国際衣料メーカーの提携先 工場での労働慣行に批判的な目が注がれている。
そうした中で、「ユニクロ」ブランドを展開するカジュアル衣料大手ファーストリテイリングは、バングラデシュで策定が進められている法的拘束力の ある労働環境安全協定に当面参加せず、独自に自社提携先工場の災害訓練や 建物検査を強化する方針を示した。

これに対し、人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」アジア部門のフィル・ロバートソン副部長は「ユニクロが協定に参加しないのは極めて近視眼的だ。
途上国の労働問題は組織的に解決する必要があり、1企業やそのサプライチェーンの問題ではない」と述べ、ファーストリテイリングの対応を批判した。   
ウォールストリートジャーナル 5月27日

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、 店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにした。海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じなら賃金も同水準にする。
朝日新聞 4月23日
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ファーストリテイリングがバングラディッシュに進出したのは2008年。
現在では数多くの商社やアパレルがバングラディッシュ製造に参入している。
理由は単純。バングラディッシュの最低賃金は月37ドルで、生産性がほぼ同じの中国より5分の1も安いからだ。
そして、衣料工場の数は5千もあり、ベトナムの2千、カンボジアの250を上回る。
しかし、多くの工場の環境は劣悪だ。児童労働者が700万人もいる。工場火災や倒壊は当たり前で、労働環境は日常的に悪い。環境を改善しようと、労働運動を広めてもその責任者は不当な扱いを受ける。労働組合を作って環境改善しようとした活動家の中には誘拐され拷問を受けて死亡した者もいる。
 
昨年11月にウォルマート向けの商品を製造していた工場で112人が火災で死亡する事故が起きたが、その後の政府やメーカーや衣料工場やの対応は鈍く、今年4月には、衣料ビル工場の崩壊でその10倍の千人以上の死亡者を出した。

ウォルマートは昨年の火災前に「高い安全性を確保した上で操業する工場でなければ、当社はその工場から製品を調達しない。」と語ってはいたが、正式契約業者が火事にあった工場を下請けで使っていたのだ。
つまり、先進国大企業が自主的に倫理安全基準を作っていても、コスト圧力が高くて儲からないから、裏で基準を守らない下請け業者を使うのだ。そして、先進国のアパレルバイヤーはこの状況を見て見ぬふりをしてきたのだ。

今回、欧州中心に法的拘束力のある労働環境安全協定を作ったのは、これまでの二枚舌を使った欺瞞を止めようとしているから。
海外企業が輸出区域で直接監視している工場は、状況が良くとも、繊維業界の大部分である下請け、孫受け業者に対しては、監査人を使って納入業者を検査しているが、搾取や不当行為を断つための情報や権限がないからだ。

協定が多くの企業から構成されれば、汚職や軍の隠れた影響力、政治家を兼務する工場所有者の妨害を乗り越えるよう、初めて政府に圧力をかけられる。
この現状を知れば、今回の労働環境安全協定に参加しないことで、その企業がどんな本音を持っているかを知ることが出来る。

多くの日本人に知ってほしいのは、ファストファンションやディスカウント店で安く服を買っている事で、途上国民の命を軽んじている事だ。
昔、学校で注意して帰れという意味で「家に帰るまでが遠足」と言われたろう。
店で買う商品は、製造の全ての過程をひっくるめて「商品」なのだ。