2018年に残念ながら亡くなられた内田康夫さんの代表作といえば、なんといっても浅見光彦シリーズだろう。永遠の33歳のはずなのに、(「遺譜」という作品でとうとう34歳になったが)その1年間に、100以上の事件に遭遇している。なんとも忙しいことである(笑)。といいながらも、絶筆となった孤道までは全部読んでいる。(ただ公募した「孤道 完結編」は一応買ってはいるのだが、私のいない間に家人が本を片付けたので、現在行方不明中だ)しかし、主人公がうら若き美女ならともかく、男が主人公なのに、これだけ読んでいる小説は他にない。
漫画やテレビドラマにもなっているので、楽しみにしているのだが、やはり亡くなられて以後はペースがかなり落ちていると思う。
さて本書であるが、何冊かに分けて、各作品創作の背景や取材の裏話について紹介したものである。取り上げられているのは、「薔薇の殺人」など10作品。そして、巻末には、山前譲さんの「浅見光彦研究」がついている。本書を読んで、それぞれの作品を読めば(もう読んでいるという人は読み直せば)、より、各作品を楽しめるのではないかと思う。
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