米大統領選は20日の民主党ネバダ州党員集会、共和党サウスカロライナ州予備選で、民主党側は正常の序列に戻り始めたのですが、共和党側は依然として正常の序列があるのかどうかさえ分からないままです。
はっきりしたことは、両党の最有力候補が誰かである。ヒラリー・クリントン前国務長官は、民主党の本命候補としての立場を再び固めました。一方、共和党指導部が好むと好まずに関わらず、不動産王のドナルド・トランプ氏が、同党の指名獲得に向けた紛れもない1番手となっています。
共和党側ではトランプ氏が、共和党と同党の支持基盤を変容させ続けています。トランプ氏は、アイオワ州党員集会、ニューハンプシャー州予備選と同様に、サウスカロライナ州予備選でもブルーカラーや大卒以外の有権者の間で大きな強みを発揮しました。こうした層はかつては共和党にとって付け足しだったのですが、次第に支持層の中核になりつつあるようです。
一方、共和党の反トランプ陣営はばらばらで、トランプ阻止を切望する党の既成勢力の眼鏡にかなう候補は今もって絞られていません。少なくともトランプ氏、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)の三つどもえの戦いが続きそうです。サウスカロライナ州予備選の結果を受けて、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が撤退を表明しました。ジョン・ケーシック・オハイオ州知事も、撤退して反トランプ票を一本化できるよう大きな圧力を受けようとしています。
ただ、サウスカロライナ州予備選を受けても、トランプ氏の対抗馬となる候補は浮上していません。同州にはクルーズ氏の支持基盤とされるキリスト教福音派が多いのですが、同氏は勝利を手に出来ませんでした。ルビオ氏は、ニューハンプシャー州予備選での惨敗から息を吹き返しましたが、どの州でも勝てることを示した訳ではありません。
今後数日間、ルビオ陣営に大金が流れ込み、党内既成勢力の支持が集まるでしょう。そして共和党主流派はルビオ氏をトランプ氏の事実上の対抗馬として担ぐことになるでしょう。ルビオ氏は、サウスカロライナ州予備選後の演説で、自らをロナルド・レーガン元大統領になぞらえ、「レーガン・チルドレン」を率いて、保守勢力の新時代を切り開くとぶち上げました。しかし、それだけで十分かどうかは皆目分からない状況です。
民主党にとっては、状況はもっと分かりやすい。クリントン氏はネバダ州党員集会では圧勝しませんでしたが、その必要はなかったようです。同氏が達成しなければならなかったのは、次のサウスカロライナ州予備選前に向け、本命候補としての疑問が新たに提起されるのを避けることだけだったのです。サウスカロライナ州は、クリントン陣営の支持基盤である黒人有権者が多いため、同州では大勝を収めるはずだからです。
サンダース氏が抱える問題は、サウスカロライナ州予備選よりもその後にあります。3月1日のスーパーチューズデーでは、同氏の人気が高くない南部諸州で予備選・党員集会が開かれます。アラバマ、アーカンソー、ジョージア、テネシー、バージニアのいずれの州も、黒人の人口比率は15%を超えています。テキサス州では、ヒスパニックが3分の1を占めています。
それほど明確ではなかったのですが、ネバダ州ではクリントン氏のもう1つの支持基盤が機能したことがうかがえます。これまでは既成勢力の支持はむしろ不利に働いたのですが、ネバダ州では有効であることを示しました。比較的高齢で穏健な主流の民主党有権者が大挙して党員集会に出席しクリントン氏支持を訴えたのです。
それでも同氏は、予備選スタート時点から同じ問題に直面したままです。すなわち、正直さや誠実さに対する有権者の不信感です。民主党系世論調査専門家のピーター・ハート氏は、それを「彼女は自分と戦っている」と評しています。
サンダース氏は、大量の熱狂的な支持者と驚くほど潤沢な資金を維持しており、スーパーチューズデーでバーモント、マサチューセッツ、ミネソタ、さらにもしかするとオクラホマの各州で勝利できるかもしれません。したがって、事態はまだまだ流動的です。しかし民主党側は共和党とは違い、少なくとも正常な状態に戻る可能性が出てきたように見えます。(ソースWSJ)
はっきりしたことは、両党の最有力候補が誰かである。ヒラリー・クリントン前国務長官は、民主党の本命候補としての立場を再び固めました。一方、共和党指導部が好むと好まずに関わらず、不動産王のドナルド・トランプ氏が、同党の指名獲得に向けた紛れもない1番手となっています。
共和党側ではトランプ氏が、共和党と同党の支持基盤を変容させ続けています。トランプ氏は、アイオワ州党員集会、ニューハンプシャー州予備選と同様に、サウスカロライナ州予備選でもブルーカラーや大卒以外の有権者の間で大きな強みを発揮しました。こうした層はかつては共和党にとって付け足しだったのですが、次第に支持層の中核になりつつあるようです。
一方、共和党の反トランプ陣営はばらばらで、トランプ阻止を切望する党の既成勢力の眼鏡にかなう候補は今もって絞られていません。少なくともトランプ氏、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)の三つどもえの戦いが続きそうです。サウスカロライナ州予備選の結果を受けて、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が撤退を表明しました。ジョン・ケーシック・オハイオ州知事も、撤退して反トランプ票を一本化できるよう大きな圧力を受けようとしています。
ただ、サウスカロライナ州予備選を受けても、トランプ氏の対抗馬となる候補は浮上していません。同州にはクルーズ氏の支持基盤とされるキリスト教福音派が多いのですが、同氏は勝利を手に出来ませんでした。ルビオ氏は、ニューハンプシャー州予備選での惨敗から息を吹き返しましたが、どの州でも勝てることを示した訳ではありません。
今後数日間、ルビオ陣営に大金が流れ込み、党内既成勢力の支持が集まるでしょう。そして共和党主流派はルビオ氏をトランプ氏の事実上の対抗馬として担ぐことになるでしょう。ルビオ氏は、サウスカロライナ州予備選後の演説で、自らをロナルド・レーガン元大統領になぞらえ、「レーガン・チルドレン」を率いて、保守勢力の新時代を切り開くとぶち上げました。しかし、それだけで十分かどうかは皆目分からない状況です。
民主党にとっては、状況はもっと分かりやすい。クリントン氏はネバダ州党員集会では圧勝しませんでしたが、その必要はなかったようです。同氏が達成しなければならなかったのは、次のサウスカロライナ州予備選前に向け、本命候補としての疑問が新たに提起されるのを避けることだけだったのです。サウスカロライナ州は、クリントン陣営の支持基盤である黒人有権者が多いため、同州では大勝を収めるはずだからです。
サンダース氏が抱える問題は、サウスカロライナ州予備選よりもその後にあります。3月1日のスーパーチューズデーでは、同氏の人気が高くない南部諸州で予備選・党員集会が開かれます。アラバマ、アーカンソー、ジョージア、テネシー、バージニアのいずれの州も、黒人の人口比率は15%を超えています。テキサス州では、ヒスパニックが3分の1を占めています。
それほど明確ではなかったのですが、ネバダ州ではクリントン氏のもう1つの支持基盤が機能したことがうかがえます。これまでは既成勢力の支持はむしろ不利に働いたのですが、ネバダ州では有効であることを示しました。比較的高齢で穏健な主流の民主党有権者が大挙して党員集会に出席しクリントン氏支持を訴えたのです。
それでも同氏は、予備選スタート時点から同じ問題に直面したままです。すなわち、正直さや誠実さに対する有権者の不信感です。民主党系世論調査専門家のピーター・ハート氏は、それを「彼女は自分と戦っている」と評しています。
サンダース氏は、大量の熱狂的な支持者と驚くほど潤沢な資金を維持しており、スーパーチューズデーでバーモント、マサチューセッツ、ミネソタ、さらにもしかするとオクラホマの各州で勝利できるかもしれません。したがって、事態はまだまだ流動的です。しかし民主党側は共和党とは違い、少なくとも正常な状態に戻る可能性が出てきたように見えます。(ソースWSJ)
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