マックンのメモ日記

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テスラの自動運転技術、利用者にも困惑の声 !

2016-07-11 14:28:15 | ネット、ビジネス、IT
昨年11月、バージニア州のインターステート66(州間高速道路66号線)をテスラ・モーターズ製電気自動車「モデルS」で走行していたカール・ベネットさんは、運転席に座ったまま印刷物に目を向け始めました。17分間連続で自動走行させたあとのことでした。

 その数秒後、見上げると、道路の前方に一台のトラックが駐車しているのを見つけました。ベネットさんによると、車の「オートパイロット(自動操縦)」システムは期待通りに反応しなかったといいます。彼はブレーキを踏み、急ハンドルを切ったのですが、トラックにぶつかってしまいました。彼は負傷しませんでしたが、価格10万6000ドル(約1070万円)もするこの車は台無しになってしまったのです。

 ベネットさんはバージニア州ウォレントンに住むコンサルタントです。彼は製造元のテスラ・モーターズに苦情を言いました。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が閲覧したテスラからの書簡によれば、同社は、衝突はベネットさんの自己責任だと回答しました。

 テスラは書簡で、この自動運転システムは想定された通りの仕方で機能したと述べ、その根拠として車の「ヒストリカル・ログファイル」(コンピューターの利用状況やプログラムの実行状況などを記録したファイルで、ベネットさんが署名している)からのデータを引用しました。またオーナー・マニュアルも引用していました。そこには、この技術は「あらゆる対象物は検知できず、静止した車両に対してブレーキを掛けたり減速したりしない可能性がある」と明記されていました。

 ドライバーやエンジニアたちとのインタビューから判断すると、人々の自動運転への熱狂はこの自動運転技術の能力を超えていることがうかがえます。それは道路上の安全性への懸念を深めるものでした。

 昨年10月にデビューして以来、テスラのオートパイロット・ソフトウエアは一握りの衝突事故と関連づけられてきました。今年5月の死亡事故もそうで、現在、米自動車安全規制当局が調査中です。テスラによれば、この死亡事故はオートパイロット搭載のテスラ車での初めての事故です。それは、自動運転技術への厳しい見方が一段と広まる引き金となっています。

 また規制当局は6日、今月1日にペンシルベニア州で発生したテスラ・モデルXの衝突事故について「情報収集」していると発表しました。テスラは「オートパイロットがこの事故に関係していると信じる理由は一切ない」が、この車からの一部のデータにアクセスできていないと述べました。

 事故を起こしたドライバー2人はWSJに対し、テスラの技術は停止車両を認識するのを怠ったと思うと述べています。その結果、彼らの車両は走行し続け、事故を回避できなかったといいます。

 他のオートパイロットのユーザーによると、オートパイロットは極めてうまく機能する。このため、かえってユーザーの油断を誘い、潜在的に危険な状況に陥れるのだといいます。例えば運転中に居眠りしたり、車を道路の工事区域に進入させてしまったりしたというものです。

 ノースカロライナ州ヒッコリーに住むコンピュータープログラマーのジェイソン・ヒューズ氏は「わたしは、通常よりも携帯電話を見る回数が少し増える」と述べました。同氏はテスラ車を運転中、オートパイロット・システムを90%方利用しているといいます。同氏は「人々はこのシステムを過剰に信頼していると思う。彼らはそれがマジックのように機能すると考えていますが、感知器が教える以上にうまくは行かないのだ」と述べています。

 WSJの問い合わせに対し、テスラの広報担当者は、オートパイロットの導入以降、非死亡事故が幾つかあったが、オートパイロットを利用しているテスラのドライバーの事故発生率は、利用しないドライバーよりはるかに低いと述べました。オートパイロットは世界全体で約7万台の車両に搭載されています。

 それでもテスラは、ドライバーが自動運転システムを誤用する時に介入する方法を模索し始めました。

 事情に詳しい関係者によれば、テスラは、オートパイロット機能を一時的に無効にする仕組みの導入を決定する可能性があります。例えばドライバーが警告ライトないし警告ベルに恒常的に対応しない場合、そして自分の手をハンドルに戻さない場合だといいます。

 テスラの広報担当者によれば、テスラはまた、数カ月以内にオートパイロットのソフトウエアをアップデートする計画です。ただし5月の死亡事故を受けて特別に変更するつもりはないといいます。

 5月7日に衝突事故で死亡したのはジョシュア・ブラウンさんで、18車輪付きの大型トラック(18輪トレーラー)に衝突しました。事故処理したフロリダ州高速道路パトロール隊のキム・モンテス巡査部長は、ブラウンさんの乗っていた「モデルS」車内でポータブルDVDプレーヤーが見つかったと述べました。法執行当局は、このプレーヤーが衝突当時オンになっていたかどうか分からないといいます。トレーラーの運転手はインタビューで、衝突直前、ブラウン氏が映画を見ていたと述べています。

 テスラと、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、オートパイロットの性能を積極果敢に売り込む一方で、オートパイロットの利用で注意を呼びかけてきました。オーナー・マニュアルでは、このオートパイロット技術は「運転時の快適さと便利さのために設計されたものであって、衝突警告ないし衝突回避システムではない」と注意書きされています。

 テスラは、オートパイロットについて「道路走行上、最も進歩したシステムだが、テスラ車をオートノマス(自主的運転)車両に変えるものではないし、ドライバーが責任を放棄できるようにするものでもない」としています。(ソースWSJ)