米アップルが現在抱えるトラブルの中心にあるのは、「iPhone(アイフォーン)」の成長鈍化です。ただ状況は一部の投資家が考えていると思われるほど悪くありません。アイフォーンに代わって成長をけん引する大型新製品のないアップルについて、投資家は全盛期が過ぎたと懸念しています。このことは、同社株が過去半年に約20%下落した一因になっています。
それは、高成長株から退屈なバリュー株への、数年越しの変化の仕上げとなりそうです。そうした変化は通常、良くない兆しとなります。世紀の変わり目にマイクロソフトやシスコシステムズに起きたことを見るといいでしょう。しかし、今はバリュー株としてのアップルの魅力を見極めることが重要です。26日発表の10-12月期(第1四半期)決算に対する反射的な反応がどうであれ、長期的にみると同社は同業者の轍(てつ)を踏むには程遠いことが示唆されます。
2000年、シスコとマイクロソフトの時価総額はバリュエーション拡大を受けて一時5000億ドル(現在のレートで約59兆1800億円)を超えました。2000〜02年の予想PER(株価収益率)はそれぞれ平均32〜34倍でした。その3年間、両社の1株利益は1桁とはいえ成長が続いたのです。ITバブルの後退とともに、両社の時価総額も大きく減少し始めました。シスコの予想PERは、利益が依然として成長しているなか3年で75%縮小。マイクロソフトは60%縮小しました。
アップルは全く違います。予想PERは約10倍と、歴史的平均やナスダック銘柄全般からかなり割安な水準で取引されています。膨大な保有現金を加味すると、PERはさらに控えめにみえます。これは、他の巨大IT企業を見舞ったのと同じバリュエーション面の障害にアップルが直面していないことを意味しています。
さらに、アナリストらは向こう3年について、依然として年平均成長率1桁での伸びを見込んでいます。過去数年の足元にも及ばないとはいえ、アップルの現在の株価には見合っていません。アナリストたちは10-12月期の1株当たり利益について、前年同期の3.06ドルから3.23ドルに増加するとみています。たとえアップルが躍動感を失ったのだとしても、その核は十分に力強いようです。(ソースWSJ)
それは、高成長株から退屈なバリュー株への、数年越しの変化の仕上げとなりそうです。そうした変化は通常、良くない兆しとなります。世紀の変わり目にマイクロソフトやシスコシステムズに起きたことを見るといいでしょう。しかし、今はバリュー株としてのアップルの魅力を見極めることが重要です。26日発表の10-12月期(第1四半期)決算に対する反射的な反応がどうであれ、長期的にみると同社は同業者の轍(てつ)を踏むには程遠いことが示唆されます。
2000年、シスコとマイクロソフトの時価総額はバリュエーション拡大を受けて一時5000億ドル(現在のレートで約59兆1800億円)を超えました。2000〜02年の予想PER(株価収益率)はそれぞれ平均32〜34倍でした。その3年間、両社の1株利益は1桁とはいえ成長が続いたのです。ITバブルの後退とともに、両社の時価総額も大きく減少し始めました。シスコの予想PERは、利益が依然として成長しているなか3年で75%縮小。マイクロソフトは60%縮小しました。
アップルは全く違います。予想PERは約10倍と、歴史的平均やナスダック銘柄全般からかなり割安な水準で取引されています。膨大な保有現金を加味すると、PERはさらに控えめにみえます。これは、他の巨大IT企業を見舞ったのと同じバリュエーション面の障害にアップルが直面していないことを意味しています。
さらに、アナリストらは向こう3年について、依然として年平均成長率1桁での伸びを見込んでいます。過去数年の足元にも及ばないとはいえ、アップルの現在の株価には見合っていません。アナリストたちは10-12月期の1株当たり利益について、前年同期の3.06ドルから3.23ドルに増加するとみています。たとえアップルが躍動感を失ったのだとしても、その核は十分に力強いようです。(ソースWSJ)