マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

われわれはブラックホールの中にいる?!

2014-12-25 15:13:53 | 宇宙・サイエンス・科学技術
時計を巻き戻して、人類が生まれる前、地球が形成される前、太陽が輝き始める前、銀河が誕生する前、光さえまだ輝くことのできなかった頃に遡ってみたとしてみましょう。そこにあるのはビッグバン、138億年前の出来事です。しかし、その前はどうなっていたのか? 多くの物理学者は、「何もなかった」と言います。

しかし、そう考えない異端の物理学者も、わずかながらですがいるのです。彼らの説によれば、ビッグバンの直前には、生まれようとしている宇宙のすべての質量とエネルギーが、信じ難いほど高密度だが、有限な大きさを持つ1つの粒の中に押し込められていたと言います。この粒を「新宇宙の種」と呼ぶことにします。

では、その種はどのようにして生まれたのでしょうか。 数年前から議論になっている1つの考え方は、われわれの宇宙の種は、自然界でおそらく最も極端な環境である 究極の炉、すなわちブラックホールの内部で作られたというものです。とくに、ニューヘイブン大学のニコデム・ ポプラウスキー氏の説がよく知られています。

過去数十年の間に、多くの理論物理学者が、宇宙は、われわれが暮らす宇宙1つだけではないと考えるようになりました。この 宇宙は、無数の別々の宇宙からなる「マルチバース(多宇宙)」の中の1つかもしれないということです。

そして、1つの宇宙が別の宇宙とどのようにつながるのか、あるいはそもそもつながっているのかという問題は、大きな論争を呼んでいるのですが、現時点では証明はまったく不可能です。しかし、宇宙の種は植物の種のようなもので、基本物質が高度に圧縮され、保護殻の中に隠された塊となっているという考え方には説得力があります。しかし、この記述は、まさにブラックホールの内部で作られるものの説明と同じなのです。

ブラックホールの底で起こっていることを確認するためにアインシュタインの理論を用いると、計算上、密度が無限大で大きさが無限小の「特異点」という仮説的概念に到達します。しかし、通常自然界では、無限というものは存在しません。アインシュタインの理論には、このような不調和があるのです。宇宙の大半については見事に計算できるが、巨大な力の前では破綻しがちなのです。巨大な力とは、たとえばブラックホールの内部や、宇宙の誕生の瞬間に存在したような力のことです。

ポプラウスキー氏らは、ブラックホール内の物質は、実際に、それ以上は押しつぶされない段階にまで到達すると主張します。この「種」は、信じ難いほど小さく、太陽の10億倍もの質量を持つかもしれませんが、特異点とは異なり、現実に存在するというわけです。ポプラウスキー氏によれば、ブラックホールは自転しているため、圧縮のプロセスは引き止められます。自転は極めて速く、光速に近い可能性もあります。この自転が、圧縮された種に巨大なねじれを与えると、種は小さく重いだけでなく、ねじれ、圧縮されていて、ばね仕掛けで飛び出すびっくり箱のヘビのような状態なのです。

それは突然、爆発するように飛び出すことができる。これがビッグバンです。ポプラウスキー氏は「ビッグバウンス(大反跳)」という表現を好むと言います。言い方を変えるなら、ブラックホールは2つの宇宙の間の導管、「1方通行のドア」である可能性があると、ポプラウスキー氏は話します。つまり、あなたが銀河系の中心のブラックホールに落ち込んだとしたら、あなたは、最終的に別の宇宙に現れると考えられるのです。その宇宙は、われわれの宇宙の中にあるわけではないとポプラウスキー氏は説明しています。つまりブラックホールは連絡路にすぎず、2本のヤマナラシの木をつなぐ地下茎のようなものだというのです。

では、この宇宙の中にいるわれわれはどうなのでしょう。わたしたちもまた、別の古い宇宙の産物なのかもしれません。それを母宇宙と呼ぶと、その母宇宙のブラックホールの中で鍛え上げられた種が、138億年前にビッグバウンスを起こした可能性があり、われわれの宇宙は以後ずっと急激な膨張を続けているが、それでも今なお、われわれはブラックホールの事象の地平線の裏に隠れて存在しているのかもしれないのです。