米大リーグ機構(MLB)が今季から本格的導入したビデオ判定は、ファンや選手から予想以上の支持を得ているそうです。日本はこれまでMLBに追随する形で新たな制度やシステムを取り入れてきましたが、今回は簡単にいきそうもありません。
MLBがビデオ判定の適用範囲を拡大したことを、ヤンキースのイチロー外野手は歓迎しているそうです。4月4日は内野ゴロで一塁を駆け抜けた時にアウトとされたのがビデオ判定でセーフに覆り、これをきっかけにチームは逆転して、MBLデビューの田中将大選手に白星をもたらしました。その後も2度のビデオ判定はいずれもイチロー選手に味方。20日のレイズ戦では2盗塁を試みて判定がアウトに覆ったものの、現時点でビデオ判定は3勝1敗です。この制度が重要かと聞かれると「そりゃそうですよ」と話しています。
イチロー選手は昨年までに安打と思ったのが、アウトと宣告されたことが何度もあったと言います。「何100本あったんですかね。何千本とはいかないですけど」。俊足のため内野へのゴロは1塁できわどいプレーが多くなるので実感でしょう。
「チャレンジ」の名称でよばれるMLBのビデオ判定は、昨年まで本塁打の判定に限っていました。適用範囲を広げることができなかったのは、伝統を重んじる野球ファンの間に「人間のジャッジも野球の一部」という思いが根強くあるからです。しかしスポーツ界はアメリカンフットボールなど米主要プロスポーツのほか、テニスでもビデオ判定は当たり前となり、MLBのセリグ・コミッショナーは導入の道を模索してきました。
全球団のオーナー、選手会、審判員組合の同意を取り付けたコミッショナーが「歴史的」と自負する新システムは、ストライク、ボールの判定を除くほぼすべてのプレーに適用されます。両チームの監督は試合の6回までに1度、ビデオによる審議要求をでき、判定が覆ればもう1度だけチャレンジ権が与えられます。
7回以降の微妙な判定は責任審判の判断でビデオ判定を利用できます。この仕組みはファンからも支持を得ていると言います。審議要求できるのは1試合で原則1度のため、監督が権利使用の場面を誤れば勝敗に直結するケースも出てきます。観戦の新たな興味ができ、ファンの増加につながることも期待されています。
日本は将来的にこの制度を導入するのでしょうか。プレーオフ制や本塁打のビデオ判定などMLBに追随した制度は多いのです。しかし、プロ野球の熊崎コミッショナーはビデオ判定の適用範囲拡大は難しいと見ています。
MLBは30球団の本拠地球場に高解像度の専用カメラを複数台設置し、あらゆる角度からグラウンドを撮影できるようにしています。これに対して、日本は「ビデオがテレビ中継のモニターになってしまい、専用カメラではないため、はっきり映らない」と熊崎コミッショナーは言います。また日本の球団は地方球場で試合を行う事も多いため、なおさら困難でしょう。
そして、MLBのシステムは大掛かりです。ビデオ判定専用のスタジオをニューヨークに設置し、各球場のモニター映像を集約。球場から審議要求の連絡が入ると問題のシーンを検証し、スタジオに配置された審判員が判定します。そのため審判員の数も昨年までの67人から7人増やしたのです。これほどの投資に踏み切るのは勇気がいります。
MLBの調査によれば、4月末までに審議要求された191件のうちボールカウントなどの確認をするためだった3件を除き、判定が変わらなかったのは50件、覆ったのは85件で、残り53件はビデオでも確証を得られず判定が維持されました。人間によるジャッジの難しさを表していますが、それが野球の魅力と言う人もいます。さて、あなたはビデオ判定に賛成ですか、それとも反対ですか?
MLBがビデオ判定の適用範囲を拡大したことを、ヤンキースのイチロー外野手は歓迎しているそうです。4月4日は内野ゴロで一塁を駆け抜けた時にアウトとされたのがビデオ判定でセーフに覆り、これをきっかけにチームは逆転して、MBLデビューの田中将大選手に白星をもたらしました。その後も2度のビデオ判定はいずれもイチロー選手に味方。20日のレイズ戦では2盗塁を試みて判定がアウトに覆ったものの、現時点でビデオ判定は3勝1敗です。この制度が重要かと聞かれると「そりゃそうですよ」と話しています。
イチロー選手は昨年までに安打と思ったのが、アウトと宣告されたことが何度もあったと言います。「何100本あったんですかね。何千本とはいかないですけど」。俊足のため内野へのゴロは1塁できわどいプレーが多くなるので実感でしょう。
「チャレンジ」の名称でよばれるMLBのビデオ判定は、昨年まで本塁打の判定に限っていました。適用範囲を広げることができなかったのは、伝統を重んじる野球ファンの間に「人間のジャッジも野球の一部」という思いが根強くあるからです。しかしスポーツ界はアメリカンフットボールなど米主要プロスポーツのほか、テニスでもビデオ判定は当たり前となり、MLBのセリグ・コミッショナーは導入の道を模索してきました。
全球団のオーナー、選手会、審判員組合の同意を取り付けたコミッショナーが「歴史的」と自負する新システムは、ストライク、ボールの判定を除くほぼすべてのプレーに適用されます。両チームの監督は試合の6回までに1度、ビデオによる審議要求をでき、判定が覆ればもう1度だけチャレンジ権が与えられます。
7回以降の微妙な判定は責任審判の判断でビデオ判定を利用できます。この仕組みはファンからも支持を得ていると言います。審議要求できるのは1試合で原則1度のため、監督が権利使用の場面を誤れば勝敗に直結するケースも出てきます。観戦の新たな興味ができ、ファンの増加につながることも期待されています。
日本は将来的にこの制度を導入するのでしょうか。プレーオフ制や本塁打のビデオ判定などMLBに追随した制度は多いのです。しかし、プロ野球の熊崎コミッショナーはビデオ判定の適用範囲拡大は難しいと見ています。
MLBは30球団の本拠地球場に高解像度の専用カメラを複数台設置し、あらゆる角度からグラウンドを撮影できるようにしています。これに対して、日本は「ビデオがテレビ中継のモニターになってしまい、専用カメラではないため、はっきり映らない」と熊崎コミッショナーは言います。また日本の球団は地方球場で試合を行う事も多いため、なおさら困難でしょう。
そして、MLBのシステムは大掛かりです。ビデオ判定専用のスタジオをニューヨークに設置し、各球場のモニター映像を集約。球場から審議要求の連絡が入ると問題のシーンを検証し、スタジオに配置された審判員が判定します。そのため審判員の数も昨年までの67人から7人増やしたのです。これほどの投資に踏み切るのは勇気がいります。
MLBの調査によれば、4月末までに審議要求された191件のうちボールカウントなどの確認をするためだった3件を除き、判定が変わらなかったのは50件、覆ったのは85件で、残り53件はビデオでも確証を得られず判定が維持されました。人間によるジャッジの難しさを表していますが、それが野球の魅力と言う人もいます。さて、あなたはビデオ判定に賛成ですか、それとも反対ですか?