マックンのメモ日記

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日本にもいたバイオリン王、鈴木政吉の音色復活!

2014-05-02 19:43:50 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
日本人で初めてバイオリン量産化に成功した名古屋市出身の「バイオリン王」鈴木政吉(1859~1944年)が、名人技を発揮して手作りした1929年製の高級バイオリンが、愛知県尾張旭市三郷町富丘の元小学校校長松浦さん方で見つかり、松浦さんが同県立芸術大に寄贈しました。10日に学内である無料公開の特別講座で、修復された“幻の名器”が演奏披露されることになりました。

調査した井上音楽学部教授によると、政吉は60代から、イタリア製の名器を手本に高級手工バイオリンを作り、国内外で高い評価を得ました。「欧州産高級材を用い後世に残すべき作品に情熱を燃やした時期の作品で、円熟期の政吉製はこれが2つ目」という。もう1つは、ビオラ演奏で知られ、バイオリンもたしなむ皇太子さまが昭和天皇の弟、故高松宮宣仁親王から譲られた1926年製のバイオリンです。

解体修理をしたイタリア在住の弦楽器製作者、松下さんの鑑定によると、バイオリン内部には29年の製作年と政吉自作を示す自筆ラベルがあり、皇太子さま所有のものと同様の赤モミ、カエデといった欧州産高級材、深みのあるブラウンの上質ニスを使用。楽器を縁取る象眼の手法も同一だった。

古い弦楽器の目利きでもある同芸術大非常勤講師のバイオリニスト江頭摩耶さんは「予想以上に素晴らしい。欧州製の単なるまねを超え、いろんな名器の要素をいいとこ取りしており、武骨な中に繊細な技術が息づく。政吉が独自のスタイルを築いたことが分かる」と評価しています。

鈴木政吉は明治期に名古屋で「鈴木バイオリン」を創業。第1次世界大戦のバブル需要で世界的な量産に成功。大戦後、一気に生産がしぼむ中、工場製バイオリンの量産に飽き足らず、1921年頃から芸術的な名器製作に没頭。ドイツベルリンから3男鎮一氏が25年に持ち帰ったイタリア製名器ガルネリを研究し、その音色の秘密に迫ったとされる。この時期の作品は、ウィーンやベルリンの弦楽の大家からも称賛されました。

日本にも外国製に負けない名器と呼ばれるバイオリン制作さが日本にもいたのです。今ではすっかり知られていなのは残念なことです。これを機に他でも眠っているバイオリンが発見されると良いですね。