★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナー:交響曲第7番

2022-03-21 09:41:58 | 交響曲


ブルックナー:交響曲第7番(原典版)

指揮:フランツ・コンヴィチュニー

管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

録音:1958年6月20~22日、ライプツィヒ

発売:1977年5月

LP:日本コロムビア OC‐7112‐K

 フランツ・コンヴィチュニー(1901年―1962年)は、モラヴィア生まれの旧東ドイツの指揮者。オペラ演出家(ライプツィヒ歌劇場首席演出家)のペーター・コンヴィチュニー(1945年生まれ)は息子。当初フランツ・コンヴィチュニーは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団でヴァイオリンとヴィオラを弾いていたが、第二次世界大戦後の1949年に古巣のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に音楽監督・首席指揮者として迎えられ、楽団を再び栄光の日々の時代のレベルにまで引き上げた功績者なのである。ドイツ・オーストリア系の作曲家の作品を得意としており、中でもブルックナーの交響曲は必ず「原典版」で指揮したとされる。その指揮振りは「古風ではあっても古くさいという感じはあまりなく、むしろ現代の私たちに素直に訴えかける力強さと生命力にみなぎっている」(黒田恭一氏・ライナーノートより)と感じるリスナーが多くいた。このLPレコードでのブルックナー:交響曲第7番の指揮でも、悠然とした構えの中に、聴く者の琴線に触れるような、時折見せるなんとも人間くさい、そして懐かしい思いが込み上げてくるような演奏内容には共感を覚えざるを得ない。ブルックナー:交響曲第7番は、ビギナーのリスナーには少々難解かもしれないが、ジュニアのリスナーには是非とも聴いておいてほしい曲だし、シニアのリスナーにおいては必聴の曲といえよう。ブルックナーの交響曲第7番は、第4番と並んで人気が高い曲である。1881年作曲が開始されたが、第2楽章の執筆中に尊敬するワーグナーが危篤となり、ブルックナーは「ワーグナーの死を予感しながら」書き進めたという。そして1883年2月13日にワーグナーが死去すると、その悲しみの中でコーダを付加し、ワーグナーのための“葬送音楽”と名付けた。そして、1883年9月5日に全4楽章が完成する。初演は1884年12月30日、アルトゥル・ニキシュ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によりライプツィヒ歌劇場で行われ、成功を収めた。ブルックナーの交響曲は深遠で、しかも高度な演奏技術を要することから、初演時には正しく評価されない場合が多いいが、この交響曲第7番は例外で、初演時から高い評価を得ることができた。編成は、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、ワグナーチューバ4(テノール2とバス2)、コントラバス・チューバ、ティンパニ、シンバル、トライアングル、弦五部からなる。(LPC)

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