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すごくマジメな話

2005年11月27日 23時59分41秒 | つれづれ日記
先日、プライベートで"色覚異常"について話を聞く機会がありました。

"色覚異常"というと、昔は「色盲」とか「色弱」とか言っていましたが、今は差別的な意味合いが含まれるために使用することが不適切だといわれています。

※現在、"色覚異常"という言葉自体も差別的だという意見もありますが、一般的に認知されている言葉として"色覚異常"を使っています。

色覚異常というのは、字のごとく、「色を感じる細胞に何らかの異常を持っていて、色の見え方(=色覚)が正常な場合と違って見えること」をさします。つまり、「色が見えない」とか、「色が区別できない」と言うことではなく、「色の見え方が違う」ということなんです。

そもそも、"人が色を区別する"と言うのはどういうことか?生物学的に言えば、光がある物体にあたって、それによって吸収された残りの光を目で見て、その光の波長を色を感じる細胞で感じ、それぞれの細胞で感じ取った情報を脳で合成することで色を判別しています。色を感じる細胞は、赤を感じる細胞、緑を感じる細胞、青を感じる細胞があります。
(俗に言う、「色の三原色」と呼ばれるものです。ホームページを作る方はRGBで色指定を行うこともあるでしょう。RGBは、RedGreenBlueの頭文字ですね。)

それぞれの細胞に何らかの異常があると、その細胞が感じることが出来る波長の色が判別できなくなるわけです。だから、たとえば、"赤が判別しにくい"といっても、「赤だけ」が判別できないわけじゃなくて、赤以外の青と緑のデータだけで色を判別するので、必ずしも赤が含まれていない色でも赤系統の色と誤認する可能性があります。

例で言えば、RGB表示で「AAAAAA」と言う色と、「DDAAAA」と言う色を誤認する可能性が出てくるわけです。(といっても、本当に誤認するかどうかは私には分かりません。あくまで、学術的にはという話です。)
※RGBでは、R、G、Bそれぞれの情報を16進数2桁(00~FF)であらわします。十進数にすると0~255までの256通り、3色だから、256×256×256=16777216通りの色が表現可能なのです。"000000"はどの要素もゼロなので「黒」、"FFFFFF"はすべての要素がMAXなので「白」となるんです。

といっても、全く区別できないわけではなく、「これはこういう見え方をするんだ」という経験をすれば普段の生活には支障はないそうです。それこそ、色覚に異常があるなしにかかわらず、青いものを見て「これは青いよ」ということを親から教えてもらって、自分で経験し学習して、"青"と言う色を理解できるわけだから当たり前の話ですよね。

では、日本人の中でどれぐらいの数の色覚異常のかたがいらっしゃるのでしょうか?その前にもうひとつ生物学から。色覚異常は「伴性遺伝」をします。「伴性遺伝」というのは、性染色体上に発現遺伝子があり、生まれてくる子の性に伴って発現率が変わる遺伝のことを言います。色覚異常を発現する遺伝子は、X染色体上にあります。ここでさらに。ヒトの染色体は、22対の常染色体と、1対の性染色体があります。22対の常染色体は、細胞分裂時に同じ情報をもって分裂していきます。性染色体は、通常の細胞分裂時は常染色体と同じで、全く同じ情報を持つ細胞に分裂するのですが、精子や卵子を作るための分裂は、「減数分裂」といって自己を複製せずに分裂します。つまり、男性の性染色体はXYですが、Xの染色体を持つ精子とY染色体を持つ精子の2種類が作られます。卵子の場合はX染色体を持つ卵子が2つ出来るわけです。

さて、こうして精子と卵子ができるわけですが、それぞれの組合せで発現したりしなかったりします。統計的には日本人の場合、男性の20人に1人、女性の500人に1人が赤緑色覚異常(赤か緑の色に対して色覚が異常)だそうです。結構多くないですか?40人学級なら半分が男子だったとして、1人はいる計算だから。

私は子供の頃からそんなことを思ったこともありませんでした。自分の周りではそういうことを感じさせる人がいなかっただけなんでしょうが、色覚異常は他人に言わない限り、外から見て分かるものではありませんから。

昔は小学校入学前とかに色覚検査をやって色覚異常を見つけ出すことをしていたそうですが、今は廃止になったそうです。「色覚異常を学校で発見する必要がない」ということだそうですが、いろいろと反論が多いのも事実だそうです。「色の見方が違うこと」が個性と言えばそれまでですが、やはり「他人とは違う見え方をしている」ということを教えてあげる必要があるのではないかというのが反論で多いものです。たしかに、難しい問題ですよね。

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