だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

オフィーリアとの再会

2008-07-17 21:04:59 | 展覧会
もうだいぶ昔のこと(平成4年)ですが、新宿の伊勢丹美術館で「西洋絵画のなかのシェイクスピア展」という展覧会がありました。絵画もシェークスピア作品も大好きな私が、見逃すはずがありません。

世界中で有名なシェークスピアの戯曲を絵画にする…、これって今で言う映画化ですよ。『ロミオとジュリエット』『ハムレット』『マクベス』『リア王』『オセロー』『夏の夜の夢』『十二夜』『ヴェニスの商人』『テンペスト』『お気に召すまま』『から騒ぎ』『ヴェローナの二紳士』『じゃじゃ馬ならし』などなど。

名場面を絵画にするというのは、画家の想像力をかきたてられるんでしょうね。伊勢丹美術館での作品は、そんなイメージの作品がずらりと並び、大いに感激したものです。中でも、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」(1852年/テートギャラリー収蔵)は、秀逸。

この夏、渋谷の文化村ザ・ミュージアムで開催の「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」で、その『オフィーリア』に再会できます。デンマーク王子ハムレットの恋人で、宰相ポローニアスの娘、オフィーリア。父王を殺害されたと知ったハムレットが、復讐の過程で誤って宰相を殺害。それを知ったオフィーリアは、川に落ち溺死します。

絵はまさに今にも水を含んだ重たいドレスによって、沈まんとする若く儚い命の輝きを描いています。狂気となったオフィーリアの手にした花は、自らの死を表しています。本当に美しい絵です。

ミレイは、19世紀(1829~96)のイギリスの画家で、ラファエル前派に属します。イギリス南部のサザンプトンに生まれ、ロンドンのロイヤル・アカデミー美術学校に入学します。後にアカデミーの総裁に就任し、“サー”の称号を得ました。

今回の展覧会には、他に『マリアナ』(1851)『両親の家のキリスト(大工の仕事場)』(1850)『安息の谷間(疲れし者の安らぎの場)』(1858)『姉妹』(1868)『ローリーの少年時代』(1870)『北西航路』(1874)『露にぬれたハリエニシダ』(1890)なども。

ミレイって初めて!という方も、ミレーと勘違いしている方も、ぜひぜひその素晴らしい作品たちを見に行ってください!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシア版“12” | トップ | ノートン、ハルクになる! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

展覧会」カテゴリの最新記事