だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ロシア版“12”

2008-07-16 21:38:11 | 映画
シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」(57)は、名作中の名作。製作・脚本はレジナルド・ローズ。たぶん映画ファンのほとんどは、この作品を見ていると思います。俳優座などでの舞台公演も、何度も見ました。

ヘンリー・フォンダ(兼製作)、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、マーティン・バルサム、E・G・マーシャル、ジャック・クラグマン、ジョン・フィードラー、ジョージ・ヴォスコヴェック、ロバート・ウェッバー、エドワード・ビンズ、ジョセフ・スィーニー、ジャック・ウォーデンの12人が、陪審員○番という役名でした。

17歳の不良少年が、飛び出しナイフで父親を殺害した事件の裁判。12人の男たちが陪審員室に入って来ます。夏の暑い日、早く評決を出して帰りたい面々は、早々に有罪を口にします。しかしたった1人、陪審員8番(ヘンリー・フォンダ)だけは無罪を主張します。

ここから映画は、人を裁くことの意味、人間の本質を鋭く描いていきます。素晴らしい脚本と俳優たちの名演に大いに感動し、雨上がりのラストシーンの爽やかさに、さらに感動します。もし、未見の方は必見です。

この映画をロシアを代表する、ニキータ・ミハルコフ監督がリメイクしました。「12人の怒れる男」(07)は、「太陽に灼かれて」(94)「シベリアの理髪師」(99)以来の作品です。脚本も担当。

ロシア軍将校だった養父を殺害した容疑で裁判にかけられているのは、チェチェン人の少年。有罪となれば、終身刑。審議が終了し、これから12人の陪審員によって評決を決めるため、改装中の陪審員室の代わりに学校の体育館に通されます。

11人の男たちは少年を有罪と考えていましたが、いざ投票をすると陪審員1番(セルゲイ・マコヴェツキー)が無罪に投票します。かくして、名作は繰り返されるのです。もちろん、ロシアの現代事情を十分に反映して…。

冷静な陪審員長(ミハルコフ)、人種偏見を持つタクシードライバー、穏やかな性格のユダヤ人、人の意見を信じやすい老人、他人の意見に左右される会社取締役、地方出身の外科医、半分ユダヤ人の旅芸人、新体制に批判的な墓地管理者、論理的で理屈ぽっい老人

裏ビジネスに精通する建築家、小心者の太った男の12人。アメリカ版を知り尽くしているだけに、ミハルコフ監督の手腕が楽しみ!本年度アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた本作。見に行きましょう。

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