変貌を楽しむジャレット・レト

ジャン＝マルク・ヴァレ監督「ダラス・バイヤーズクラブ」（１３）で、トランスジェンダーのエイズ患者レイヨンを演じ、アカデミー賞助演男優賞を…

受賞したジャレッド・レト。１９７１年１２月２６日ルイジアナ州ボージャーシティ出身、もうすぐ５０歳。デビュー当時は、「キルトに綴る愛」（９５）、

「シン・レッド・ライン」（９８）、「ファイト・クラブ」（９９）、「１７歳のカルテ」（９９）、「アメリカン・サイコ」（００）、

「アレキサンダー」（０４）などに出演。Ｊ・Ｐ・シェファー監督「チャプター２７」（０７）では、体重を３０キロ増やし、ジョン・レノン殺害犯役

見違えました。冒頭の「ダラス・バイヤーズクラブ」では、１８キロ減量。激太りし、元に戻し、また激やせ。オスカー俳優は楽じゃありません。

サラ・ゲイ・フォーデン原作、リドリー・スコット監督「ハウス・オブ・グッチ」（２１）で、レトは頭の禿げた太った中年男を演じます。

ポスター左端で、本当の彼とは大違い。世界的ファッションブランド“グッチ”。創業者グッチオ・グッチ（アル・パチーノ）の孫…

マウリツィオ（アダム・ドライヴァー）は、財産目当てのパトリツィア・レッジアーニ（レディ・ガガ）と結婚。しかし、一族間の対立が激化し…

夫との関係も悪化していきます。１９９５年３月２７日、３代目社長マウリツィオはミラノの街で銃弾に倒れます。いったい何が？

レトは２代目社長パオロ役。他にジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック共演。０６年に製作発表された本作。監督念願の作品、必見です。

サイゴンから、ホーチミンへの帰郷

ケヴィン・クワンのベストセラー『クレイジー・リッチ・アジアンズ』を映画化した、ジョン・Ｍ・チュウ監督「クレイジー・リッチ！」（１８）で…

デビューした、ヘンリー・ゴールディング。端正な顔立ちで、大富豪の御曹司役で一目惚れ。…なんて。１９８７年２月５日マレーシアの…

サラワク州ベトン出身、現在３４歳。父親がイギリス人で７歳からイギリスで育ち、０８年にマレーシアに帰ったそう。２作目は ポール・フェイグ監督…

「シンプル・フェイバー」（１８）、同監督「ラスト・クリスマス」（１９）、ガイ・リッチー監督「ジェントルメン」（１９）、ロベルト・シュヴェンケ監督…

「Ｇ.Ｉ.ジョー：漆黒のスネークアイズ」（２１）に出演。カンボジア、プノンペン出身のホン・カウ監督「ＭＯＮＳＯＯＮ／モンスーン」（２０）が…

ようやく公開されます。ホン・カウはベン・ウィショー主演「追憶と、踊りながら」（１４）の監督。やさしい脚本とベン・ウィショーは必見です。

家族と共にベトナム戦争の混乱を逃れ、６歳で難民としてイギリスに渡ったキット（ヘンリー・ゴールディング）。彼は両親の遺灰を…

埋葬するため、３０年ぶりにベトナムに帰郷。経済成長を遂げ、かつてのサイゴンと呼ばれていたその街、以前の姿は見る影もありません。

ベトナム語が話せないキットは、英語が話せる従兄弟のリー（デヴィッド・トラン）の助けを借りながら、埋葬場所を探します。

そんな中、キットは自分たち家族の亡命にまつわる真実を聞くことに。果たして？カウ監督の脚本スタイルがよくわかります。

巨大彗星衝突を知らせるには？

ラッセ・ハルストレム監督「ギルバート・グレイプ」（９３）に出演時は、１８歳くらい。「バスケットボール・ダイアリーズ」（９５）や…

「太陽と月に背いて」（９５）、「マイ・ルーム」（９６）、「ロミオ＋ジュリエット」（９６）、「タイタニック」（９７）と…

ヒット作の多さや人気もさることながら、若く美しいレオナルド・ディカプリオ。念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞した…

アレハンドロ・Ｇ・イニャリトゥ監督「レヴェナント：蘇えりし者」（１５）で、オスカー俳優に。人気、実力ともに世界のレオ様、４７歳。

映画のプロデューサーとしても活躍中。最新作は動画配信の前に一部劇場公開されます。それが脚本、製作、監督を務めるアダム・マッケイの…

「ドント・ルック・アップ」（２１）です。落ちこぼれ気味の天文学者ランドール・ミンディ教授（レオナルド・ディカプリオ）は…

ある日、教え子の大学院生ケイト・ディビアスキー（ジェニファー・ローレンス）と、地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在に気付きます。

ジャニー・オーリアン大統領（メリル・ストリープ）とその息子ジェイソン補佐官（ジョナ・ヒル）と対面したり、ＴＶ司会者ブリー・エヴァンティー…

（ケイト・ブランシェット）の番組に出演したり、迫り来る危機を世界中の人々に訴えるのですが、２人の熱意は空回りし、事態は思わぬ方向へ。

果たして？マーク・ライランス、ティモテ・シャラメ、ロン・パールマン、クリス・エヴァンス、アリアナ・グランデ他豪華共演者。

怒らせたら怖いミケルセン、でもやさしい

日本でもすっかり人気スターのマッツ・ミケルセン。本名マッツ・ディットマン・ミケルセン。１９６５年１１月２２日、デンマークの…

コペンハーゲン出身。最高にノッてます。トマス・ヴィンターベア監督「アナザーラウンド」（２０）のラストで見せたキレッキレのダンス。

元ダンサーで体操選手だったんですねぇ。カッコイイ！クリスチャン・レヴリング監督「悪党に粛清を」（１５）、ジョー・ペナ監督…

「残された者 北の極地」（１８）、ダグ・リーマン監督「カオス・ウォーキング」（２１）と、現在５５歳のミケルセンを堪能しています。

続けて公開される最新作が、デンマーク映画、アナス・トマス・イェンセン脚本、監督「ライダーズ・オブ・ジャスティス」（２０）です。

アフガニスタンで任務中の軍人マークス（マッツ・ミケルセン）は、妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、娘の元に急遽帰国します。

そんなマークスの前に現れたのは、妻と同じ列車に乗っていたという数学者オットー（ニコライ・リー・コス）。彼は事故の原因は…

犯罪組織“ライダーズ・オブ・ジャスティス”が、殺人事件の重要証人を暗殺するために起こしたものだと告げます。怒りに燃えたマークスは…

妻の無念を晴らすため、オットーたちの協力を得て復讐を誓うのでした。しかし、事態は予想もしていない方向へ。果たして？

今回のミケルセンは、ほぼスキンヘッド。カッコイイ！何をやっても映えます。ヒゲもね。どうやら『インディ・ジョーンズ５』にも出るみたい。

アナログ捜査官ｖｓ闇サイトの実話

ジェイソン・クラーク、一度見たら忘れられない俳優です。１９６９年７月１７日、オーストラリアのクイーンズランド州ウィントン出身。５２歳。

「ゼロ・ダーク・サーティ」（１２）、「華麗なるギャツビー」（１２）、「欲望のバージニア」（１２） ←これ、お気に入り、

「ホワイトハウス・ダウン」（１３）、「猿の惑星：新世紀（ライジング）」（１４）、「チャイルド４４ 森に消えた子供たち」（１４）、

「ターミネーター：新起動／ジェニシス」（１５）、「エベレスト ３Ｄ」（１５）、「かごの中の瞳」（１６）、「ナチス第三の男」（１７）、

「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」（１８）、「ファースト・マン」（１８）、「ペット・セメタリー」（１９）など…

個性的な作品に多く出演。最新作も彼ならでは作品。ティラー・ラッセル脚本、監督「シルクロード.ｃｏｍ 史上最大の闇サイト」（２１）です。

ポスターにある“アナログ捜査官”って、ぴったり！天才的な頭脳の持ち主ロス・ウルブリヒト（ニック・ロビンソン）は、違法薬物や武器など…

匿名で売買できる闇サイトを創設。サイト名“シルクロード”は、“闇のＡｍａｚｏｎ”と呼ばれ急成長。絶対に身元がバレないシステムを構築したロス。

一方、リック・ボーデン捜査官（ジェイソン・クラーク）は、問題行動で麻薬捜査課からサイバー犯罪課へ異動させられていました。

アナログ人間のリックは、独自の捜査方法でロスに迫ります。果たして？ニック・ロビンソンは「ジュラシック・ワールド」（１５）のザック少年。

時空を歪めたのは、誰？

サム・ライミ監督「スパイダーマン」（０２）のピーター・パーカー役は、トビー・マグワイア。撮影当時（１年前として）２６歳。

０４年、０７年と３作に出演。次がマーク・ウェブ監督「アメイジング・スパイダーマン」（１２）。主演はアンドリュー・ガーフィールド。

撮影当時２８歳。１４年に２作目が公開されています。そして、ジョン・ワッツ監督「スパイダーマン：ホームカミング」（１７）となります。

主演はトム・ホランド。撮影当時２１歳。２作目が「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」（１９）。そして３作目で完結編が公開です。

ジョン・ワッツ監督「スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム」（２１）が、それ。高校生ピーター・パーカーを演じる俳優たちは、いずれも２０代で…

ホランドが１番若い！まっ、ＴＶ「グリー」ではみんな３０代だったけど…。トム・ホランドは、Ｊ・Ａ・バヨナ監督「インポッシブル」（１２）で映画デビュー。

撮影当時１５歳。あっという間に２５歳の人気スターになりました。今回のスパイダーマンは、ＭＣＵ（マーベル・シネマティック・ユニバース）の…

２７本目だとか。前作で、ミステリオことクエンティン・ベック（ジェイク・ギレンホール）によって、スパイダーマンの正体が暴露された…

ピーター・パーカー（トム・ホランド）。居場所がなくなったピーターは、ＮＹのドクター・ストレンジ（ベネディクト・カンバーバッチ）に…

助けを求めます。しかし、事態はますます悪くなり、別のユニバースから悪が集結することに。果たして？豪華悪役に期待しましょう！

ベニー・チャン監督の遺作「怒火」

テディ・チャン監督「孫文の義士団」（０９）は、香港、中国を代表するスターが出演するお気に入りの１本。清朝末期、辛亥革命前夜の香港。

革命家孫文と西太合が仕向けた５００人の暗殺者、そして孫文を守るべく命を懸ける男たちの物語。サスペンスアクション映画としても…

大いに楽しめる１３８分の大作です。主演はドニー・イェン、レオン・ライ、ニコラス・ツェー、フー・ジュン、レオン・カーフェイなど多数。

もし未見でしたら、ぜひ。ドニー・イェンとニコラス・ツェーが再共演する最新作が公開。ベニー・チャン監督「レイジング・ファイア」（２１）です。

何年も追い続けた極悪犯ウォンの薬物取引中に、踏み込む計画だったチョン警部（ドニー・イェン）と彼のチームは、直前になって…

作戦から外され、何者かがウォンの一味と捜査官たちを惨殺。薬物も奪われます。捜査線上に浮かんだのは、チョンを慕っていた元エリート警察官の…

ンゴウ（ニコラス・ツェー）でした。遡ること４年前、ある事件が原因でンゴウはチョンに深い復讐心を抱くようになり…、果たして？

ベニー・チャン監督は昨年８月２３日がんのため５８歳で亡くなり、本作が遺作。ジャッキー・チェンと組んだ「ＷＨＯ ＡＭ Ｉ？」（９９）や…

「香港国際警察／ＮＥＷ ＰＯＬＩＣＥ ＳＴＯＲＹ」（０４）、「プロジェクトＢＢ」（０６）、「新少林寺／ＳＨＡＯＬＩＮ」（１１）の他…

ニコラス・ツェーとも多数組んでいました。それと「イップマン」シリーズが終わってしまったドニー・イェンの次なる代表作は、何処に？

１１月２７日は、ハーヴェイ・ミルク暗殺の日

２００９年４月に公開されたガス・ヴァン・サント監督「ミルク」。ミルクとは、自らゲイを公表し、社会的弱者の権利獲得を訴え、活動した…

サンフランシスコ市政執行委員だったハーヴィー・ミルクのこと。この映画を見た方はご存じだと思いますが、自身もゲイを公表している…

ガス・ヴァン・サントが描いた作品で、アカデミー賞作品賞、主演男優賞、助演男優賞、監督賞、脚本賞、作曲賞、衣装デザイン賞、編集賞にノミネート。

ミルクを演じたショーン・ペンが主演男優賞、脚本賞を受賞。そのハーヴェイ・ミルクは、１９３０年５月２２日ニューヨーク州ウッドミア出身。

大学卒業後、海軍へ。除隊後はゲイでユダヤ人のため、なかなか仕事が見つからず、その後１９７２年にサンフランシスコへ移り住むことに。

やがてサンフランシスコ市議会に２度立候補しますが、落選。映画「ミルク」は、７２年あたりのＮＹからサンフランシスコでの後半生を描いています。

実は、彼の波乱に満ちた人生を描いたドキュメンタリー映画がありました。それがロバート・エプスタイン＆リチャード・シュミーセン監督…

「ハーヴェイ・ミルク」（８４）です。１９８８年に公開され、ショーン・ペンの「ミルク」が公開された０９年に、リバイバル公開されました。

この時にも気になっていましたが、再リバイバルです。映画で衝撃を受けたミルクの暗殺。１９７８年１１月２７日、同僚議員ダン・ホワイトにより…

ジョージ・マスコーニ市長と共に同市庁舎内で射殺されます。ミルク、４８歳の時。映画のホワイトは、ジョシュ・ブローリンでしたね。

今度のニーソンは元狙撃兵

サム・ライミ監督「ダークマン」（９０）、リチャード・エアー監督「アザーマン もう一人の男」（０８未）、ピーター・ランデズマン監督…

「ザ・シークレットマン」（１７）…と色々な“マン”を演じて来たリーアム・ニーソン。ただしあくまでも邦題に限ります。ニーソンはロブ・ロイや…

マイケル・コリンズのような実在の人物や、ジャン・バルジャン、クワイ＝ガン・ジンのような超有名人を演じ、「９６時間」（０８）シリーズの…

ブライアン・ミルズも彼の代表作です。ジョナサン・ヘンズリー監督「アイス・ロード」（２１）に続く、最新作がロバート・ロレンツ監督…

「マークスマン」（２１）の“マン”は、狙撃兵のこと。ただしスナイパーとは違うようです。本作では、妻に先立たれた海兵隊の元狙撃兵役。

かつて腕利き狙撃兵だったジム・ハンソン（リーアム・ニーソン）は、メキシコ国境付近の町で牧場を営みながら愛犬と暮らしていました。

ある日、メキシコの麻薬カルテルから追われて越境してきた母子と遭遇します。ジムは銃弾に倒れた母親から、１１歳の息子ミゲルを…

シカゴに住む親類の元へ連れて行って欲しいと頼まれます。やむなく、ミゲルとシカゴに向かうジム。執拗に追う麻薬カルテル。果たして？

監督は、長年イーストウッドと組んで来たプロデューサーです。「ブラッド・ワーク」（０２）以来、「アメリカン・スナイパー」（１４）まで…

すべてイースートウッド作品。初監督作は、イーストウッド主演の「人生の特等席」（１２）。本作は監督２作目です。見ましょう！

イーストウッド、監督５０周年の４０作目

かつて洋画のＴＶ放送時には吹き替えという作業があり、俳優には（ほぼ）専属の声優、俳優がいました。あの俳優の声はあの人、

あの女優の声はあの人…という具合。“００７”のショーン・コネリーは若山弦蔵さん、オードリー・ヘップバーンは池田昌子さん、

スティーブ・マックイーンは宮部昭夫さん、グレゴリー・ペックは城達也さん、そしてクリント・イーストウッドは山田康雄さん…といった具合。

日本語吹替は代変わりしていますが、今でも声のイメージは残っています。ところで、ＴＶ放送時でも字幕での放送がほとんど現在では…

映画を何で見るか…永遠の課題。俳優の生の声を聞きながら、それってイメージ通り？Ｎ・リチャード・ナッシュ原作、監督５０周年記念作…

「クライ・マッチョ」（２１）は、クリント・イーストウッド製作、監督、主演作です。「恐怖のメロディ」（７１）で初監督して以来…

本作が４０本目。「許されざる者」（９２）と「ミリオンダラー・ベイビー」（０４）でアカデミー賞監督賞を受賞しています。

１９７８年のテキサス。かつてロデオで名を馳せたマイク・ミロ（クリント・イーストウッド）は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ…

競走馬の種付けの仕事をしながら１人暮らし。ある日、元雇用主にメキシコにいる息子ラフォ（エドゥアルド・ミネット）を連れ帰るよう頼まれます。

メキシコからアメリカ国境を目指す２人を待ち受ける困難とは？すっかりかすれ声の９１歳のイーストウッド。それもまた味なのかも…。