加害者家族と使用人

今年も後わずか。来年の公開予定映画もすでに３月、４月まで決定しています。そんな中、フィリピンの映画監督ブリランテ・メンドーサの…

新作のポスターに惹かれました。それが「ＦＥＡＳＴ 狂宴」（２２）です。ＦＥＡＳＴとは、そのまま饗宴、祝宴のこと。本作は、狂宴ですが。

フィリピンの映画って、見ているかしらん？と思ったら、やっぱり見てないかも。監督のフィルモグラフィには、ほぼ知らない作品ばかり。

「囚われ人 パラワン島観光客２１人誘拐事件」（１２）、「ローサは密告された」（１６）、「義足のボクサー」（２１）などがありますが、未見。

ポスターを見ると人数は違うけど、ポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」（１９）に似た怪しい雰囲気が…。笑っているけど。

交通事故を起こした息子（ココ・マルティン）の罪を被り、服役していた家族の長（リト・ラピッド）。刑務所から出所することが決まり…

屋敷では、帰還を祝う宴の準備が進められていました。父親が収監されている間、妻（ジャクリン・ホセ）と息子は協力しあって…

家族と家計を守り、事故で亡くなった男の妻（グラディス・レイエス）と子供を、使用人として雇い入れ面倒を見ていました。

しかし、祝宴の日が近づくにつれ、後ろめたさと悲しみが再び浮上し、それまでの平穏が掻き乱されていくのでした。果たして？

裕福な加害者家族と貧しい被害者遺族。奇妙な共同生活の結末とは？東南アジアの色鮮やかな野菜、肉、魚を使ったフィリピン料理にも注目。

ホアキンはおそれています。

マイブログでは、度々言及するトラウマ映画「ミッドサマー」（１９）。Ａ２４製作の映画には『あの「ミッドサマー」の』とか…、監督の…

アリ・アスターの名前が、まるで冠のように記されています。うむ、納得。Ａ２４には今年第９５回アカデミー賞作品賞など７部門受賞の…

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」（２２）なんかもあるんですが。そんなわけで、最新公開作を見て、またしてもと…

納得しています。それがＡ２４製作、アリ・アスター監督「ボーはおそれている」（２３）です。しかも、主演がホアキン・フェニックス！

日常の些細なことでも不安になってしまう怖がりのボー（ホアキン・フェニックス）。つい先ほどまで、電話で話していた母親が突然…

怪死したことを知ります。ボーが母の元へ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう＜いつもの日常＞ではなかったのです。

奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか、妄想なのか、悪夢なのか分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な物語へと…

変貌していくのでした。果たして？響きわたる不穏なメッセージ、ボーが遭遇する謎の人々、奇想天外な展開、迫りくる危機など…

監督の狂気の世界が広がります。ネイサン・レイン、エイミー・ライアン、パーカー・ポージー、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、

パティ・ルポーン、ドゥニ・メノーシェ、マイケル・ガンドルフィーニ、リチャード・カインド共演。豪華で個性的なキャストにワクワクしてます。

失踪した俳優は、今？

知りませんでした。スペインの映画監督、脚本家のビクトル・エリセ。１９４０年６月３０日生まれで、現在８３歳。あの有名なデビュー作…

「ミツバチのささやき」（７３）から、５０年の今年。なんと長編映画を３作品しか監督していないんだそうです。寡作の監督の極みです。

ちなみにオムニバス映画の監督作が、３作品あります。長編作品は「ミツバチのささやき」の次が９年後の「エル・スール」（８２）、

１０年後の「マルメロの陽光」（９２）。見ました？作品名は知っていましたが、未見です。３１年ぶりの新作が公開されます。

それが「瞳をとじて」（２３）です。脚本も。映画監督のミゲル（マノロ・ソロ）がメガホンをとる映画『別れのまなざし』の…

撮影中に、主演俳優のフリオ・アレナス（ホセ・コロナド）が、突然失踪します。警察は近くの崖に靴が揃えられていたことから…

投身自殺と断定。しかし、遺体は上がらなかったのです。それから２２年が過ぎたある日、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うＴＶ番組の…

出演依頼を受けたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や、自らの半生を振り返ります。そして番組終了後。

『フリオによく似た男が海辺の施設にいる』という情報が。果たして？「ミツバチのささやき」で当時５歳だったアナ・トレントが、同じ役名の…

フリオの娘アナ役で５０年ぶりに出演。それにしても、本作に込められた監督の熱い想いが見えません？寡作の監督、映画が好きなんですね。

梟 闇の世界の案内役

来年公開ですが、今一番見たい映画が韓国映画のアン・テジン監督「梟 フクロウ」（２２）です、ポスターを見ても、すごく怖そう～。本当は横向き。

韓国お得意の現代版ホラーではなく、朝鮮王朝時代の物語。それは第１６代国王仁祖（インジョ／在位１６２３～１６４９年）の仁祖実録に…

記された長男、昭顕世子（ソヒョンセジャ）の怪死について。複雑な経緯を経て父との仲が悪化した昭顕世子は、１６４５年人質を解かれ…

清国から帰国。しかし２ヶ月後に急死したのです。毒殺とも言われています。この死にまつわる歴史的な謎を題材にした作品が、本作なのです。

盲目の天才鍼医（はりい）ギョンス（リュ・ジュンヨル）は、病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いています。ある夜のこと。

ギョンスは王の子の死を“目撃”してしまったことで、恐ろしくもおぞましい真実に直面することに。盲目のギョンスは、闇の中で何を見たのか？

制御不能な狂気が迫る中、追われる身となったギョンスに残されたのは、朝日が昇るまでの時間。果たして？手持ちの朝鮮王朝歴代の王を…

紹介する本でも仁祖、昭顕世子のことは詳しい記載はなく、仁祖実録はネットで知りました。主演のリュ・ジュンヨルは、ソン・ガンホ主演…

「タクシー運転手 約束は海を越えて」（１７）の大学生ク・ジェシク役。同作に出演のユ・ヘジンも共演。「マルモイ ことばあつめ」（１９）や…

「コンフィデンシャル：国際共助捜査」（２２）などで人気の俳優。それにしても盲目の主人公、朝までの暗闇の中、一緒に駆け抜けましょう！

韓国式海苔巻きを食べよう！

日本の海苔巻き、大好きです。具はマグロ、きゅうり、海老、卵焼き、かんぴょう、納豆、シーチキンなどいろいろ。全部入れの助六も。

この場合、でんぶは欠かせません。日本の場合は、酢飯で海苔もシンプルなまま。これが韓国だと、ちょっと違います。まず名前はキムパプ。

キムは海苔で、パプはご飯。韓国海苔は塩と胡麻油で味付けがしてあり、さらにご飯は酢飯ではなく、やはり胡麻油で味付けしてあります。

具はたくあん、薄焼き卵、人参、牛蒡、ハム、ほうれん草、胡瓜などが一般的だそう。うむ、お好みですね。キムパプはキンパとも言うそうです。

クァク・ミンスン監督「ローリング・ガール」（２３）には、キンパが登場。だから、ローリングなんですね。世界中でコロナウィルス蔓延する中の韓国。

無職のジュリ（シム・タルギ）は、人との交流を避け家に引きこもる２５歳。母親のヨンシム（チョン・ウンギョン）は、厳しい状況下…

キンパの店＜シンナラ キンパ＞を経営していました。ある日、病気の祖母の看病のためヨンシムが店を離れることになり、ジュリが店番に。

しかし、キンパの作り方を知らないジュリ。パン屋のおばさん、大人びた少年、たくあんを残す常連の青年など、様々な人との交流が生まれ…

ジュリの日常が一変します。店番として毎日を送る中、少しずつ変わっていくジュリ。果たして？ただし、韓国映画はまだまだなので…

出演者たちがわかりません。すみません。それでも韓国の食事、映画で見る朝鮮料理や韓国料理も興味津々。まずはキンパからですね。

海街（うみまち）の不思議な物語

奇譚（きたん）とは、『珍しい話、不思議な物語』のこと。江戸川乱歩の小説（中編）『パノラマ島奇譚』を思い浮かべるかも。この作品は…

単行本収録時に『パノラマ島奇談』と改題されたそうです。どんなお話かはぜひ読んでみて下さい。ところで中国の映画監督には、文化大革命後…

『第五世代』（１９８０年代半ば）と呼ばれる映画人がいます。チェン・カイコー、チャン・イーモウ、ティエン・チュアンチュアンたちです。

一番お馴染み。その後も時代に合わせて、中国、香港、台湾の監督が活躍。最近では第何世代かは知りませんが、新しい監督も登場。

中国新世代チャン・チー監督の長編デビュー作が「海街奇譚」（１９）、脚本も。原題「海洋動物」、英題「ＩＮ ＳＥＡＲＣＨ ＯＦ ＥＣＨＯ」。

失踪した妻を探しに、男は彼女の故郷である離島の港町を訪れます。そこは、海難事故による住民の行方不明が相次いでいました。

やがて男は妻の面影を持つ女と出会うのですが…。果たして？初めての監督、出演者もチュー・ホンギャン、シューアン・リン、ソン・ソン、

ソン・ツェンリン…と初めましての人ばかり。劇中登場するカブトガニの仮面、消えた “仏” の頭、永遠の８月５日、呪われた海とは？

夢と現、過去と現在を彷徨する迷宮の物語と、監督のイマジネーションと映像感覚が注目の本作。原題の「海洋生物」が示すメタファーにも。

１９８７年生まれの監督の名前は、ぜひ憶えておきましょう。チャン・チー、俳優みたい。新しい時代の新しい監督に遭遇する喜び。

２８点のフェルメールをスクリーンで

ドキュメンタリー映画の監督、製作フィル・グラブスキー。名前を憶えてなくてすみません。２０１１年に立ち上げたアート・ドキュメンタリー・シリーズ。

これまでの制作数は３０本以上で、何作か日本でも公開済。「アート・オン・スクリーン／フィセント・ファン・ゴッホ：新たなる視点」（１５）、

「ミケランジェロ：愛と死」（１７）、「私は、クロード・モネ」（１７）兼監督、「フリーダ・カーロに魅せられて」（１９）、

「ピカソがピカソになるまで」（１９）兼監督、「天才画家ダ・ヴィンチのすべて」（１９）兼監督、「ルネサンスの巨匠 ラファエロのすべて」（２１）監督のみ。

また監督作「レオナルド・ダ・ヴィンチ展 ｉｎ シアター」（１２）もあります。最新プロデュース作品が、デヴィッド・ビッカースタッフ監督…

「フェルメール アート・オン・スクリーン特別編」（２３）です。ビッカースタッフ監督も「ゴッホ“ひまわり”に隠された謎」（２１）、

「ピサロ 印象派の父」（２２）を担当。日本でもファンが多いオランダを代表する１７世紀の画家ヨハネス・フェルメール。今年２月～６月にかけ…

アムステルダム国立美術館で開催された「フェルメール展」を紹介。現存するフェルメール作品は３７点。そのうち、２８作品が展示されました。

１１３ヵ国から６５万人がファンが来場したそうです。もう会場で見ることは出来ないけど、美術館館長やキュレーターによる解説を聞きながら…

大きなスクリーンで見るしあわせ。世界中のフェルメール作品を一気に見れるしあわせ。実はフリーダ・カーロのファンなので、こちらも見たい！

夜間警備員、恐怖の５日間

ニコラス・ケイジが一言もセリフを言わない、ケヴィン・ルイス監督「ウィリーズ・ワンダーランド」（２０）。車の修理費を稼ぐため…

夜間の遊園地の管理人となって、黙々と掃除をする男。ただし、そこは怪しい人形たちが襲いかかるとんでもない所。面白かった！

ニックのファンなので、戦う掃除人、カッコ良かったです。しかし、夜の遊園地は怖すぎます。あっ、それと最後に一言発しますが…。

ブラムハウス・プロダクションのジェイソン・ブラム製作、エマ・タミ監督「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」のポスター、なんか似てます。

なんでも本作は大人気ゲームなんだとか。過去に弟が行方不明になり、未解決事件に苦しむマイク・シュミット（ジョシュ・ハッチャーソン）は…

妹アビーの親権を守るために仕事探し。ある日、夜間警備を引き受けます。そこは廃墟と化したピザレストラン＜フレディ・ファズベアーズ・ピザ＞。

機械仕掛けのマスコット、フレディ・ファズベアー、ボニー、チカ、フォクシーが大人気。しかし、８０年代に子供たちが謎の失踪を遂げたのです。

夜を過ごすマイクは、説明のつかない出来事に遭遇。地元警察官のヴァネッサ・シェリー（エリザベス・レイル）の助けを借ります。果たして？

「ゲット・アウト」（１７）、「アス」（１９）、「Ｍ３ＧＡＮ／ミーガン」（２２）、「エクソシスト 信じる者」（２３）のブラムハウス作品。

ニックはいないので、くれぐれも夜の遊園地やピザレストランに行かないようにしましょう。人形って怖いんですよね。でも、楽しめそう。

ウディ・アレンの映画祭

ニューヨークのブロンクス生まれで、ハリウッドはイヤ、アカデミー賞授賞式もイヤ、ニューヨークから出ない…と宣言していたウディ・アレン。

「アニー・ホール」（７７）で、監督、作品、脚本賞を受賞した時も欠席。（９・１１の翌０２年には特別出演あり）そんなアレンですが…

ＮＹを飛び出し、ロンドンで撮影した「マッチポイント」（０５）、「タロットカード殺人事件」（０６）、「ウディ・アレンの夢と犯罪」（０７）、

「恋のロンドン狂騒曲」（１０）、スペインで撮影した「それでも恋するバルセロナ」（０８）、パリが舞台の「ミッドナイト・イン・パリ」（１１）、

ローマが舞台の「ローマでアモーレ」（１２）、ベルリンとコート・ダシュールが舞台の「マジック・イン・ムーンライト」（１４）と…

ヨーロッパでもコンスタンスに映画を発表。この他にもアメリカ国内でも撮っています。そして８８歳のアレン最新作が、スペインが舞台の…

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」（２０）。毎年９月に開催されるサン・セバスティアン国際映画祭でのお話です。売れない作家で…

ＮＹの大学の映画学教授モート・リフキン（ウォーレス・ショーン）。妻は映画の広報担当スー（ジーナ・ガーション）。彼は妻と著名な映画監督…

フィリップ（ルイ・ガレル）の浮気を疑い、サン・セバスチャン映画祭にやって来ます。ところが、ここで往年の名作映画の世界に入り込む…

不思議な体験をするリフキン。果たして？「８ １／２」（６３）、「市民ケーン」（４１）、「勝手にしやがれ」（６０）などが登場。さすがアレン監督。

コロナ過、ＳＮＳ、ポール・ダノ

大昔、ちょっとだけ株を買ったことがあります。今は全然ないですが。オリヴァー・ストーン監督、マイケル・ダグラス＆チャーリー・シーン主演…

「ウォール街」（８７）や、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演「ウルフ・オブ・ウォールストリート」（１３）など…

株をめぐる映画はたくさんありますが、「ウルフ」同様、実話を基にした映画が公開されます。「ラスベガスをぶっつぶせ」（０８）や…

「ソーシャル・ネットワーク」（１０）の原作者ベン・メズリックのノンフィクションが原作で、クレイグ・ギレスピー監督…

「ダム・マネー ウォール街を狙え！」（２３）です。監督作品には「ラースと、その彼女」（０７）や「ミリオンダラー・アーム」（１４）、

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」（１７）と結構お気に入りがあります。本作はなによりポール・ダノのファンなので、それだけで楽しみ。

世界的パンデミックに見舞われた２０２０年。ゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近と噂されていました。

マサチューセッツ州の会社員キース・ギル（ポール・ダノ）は、全財産５万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいました。

ローリング・キティ名義で、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴えると、共感した大勢の個人投資家が買い始め…

２０２１年初頭に同社の株価は大暴騰！時の人となったキースは、果たして？ヴィンセント・ドノフリオ、セス・ローゲン共演。面白そう！