だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

数字が示す未来とは…?

2009-05-31 16:52:22 | 映画
ニコラス・ケイジって、ユニークな俳優。いろいろな役に挑戦するのもユニーク。1964年1月7日カリフォルニアのロングビーチ生まれ。父はサンフランシスコ州立大学の学部長、母は元バレエ・ダンサーだったそうです。フランシス・フォード・コッポラを叔父に持ち、叔母はタリア・シャイア。

結婚歴もユニーク。パトリシア・アークエット、リサ・マリー・プレスリー、そして現在は韓国系米国人と3度目の結婚。映画デビューは「初体験/リッジモント・ハイ」(82)。「リービング・ラスベガス」(95)でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、「アダプテーション」(02)でも、同賞にノミネートされました。

いまやハリウッドを代表する人気俳優ですね。「ナショナル・トレジャー」(04)では、歴史学者で冒険家のベン・ゲイツ。「ロード・オブ・ウォー」(05)では、ウクライナ出身の武器商人ユーリー・オルロフ。「ワールド・トレード・センター」(06)では、9・11の悲劇から生還した港湾警察官。

「ゴーストライダー」(07)では、アメコミヒーロー。「バンコック・デンジャラス」(08)では、暗殺者ジョー。善人も悪人もヒーローまで演じてしまう、ケイジは日本でも大人気。最新作は「アイ、ロボット」(04)のアレックス・プロヤスが脚本、製作、監督の「ノウイング」(09)です。

MIT宇宙物理学者ジョン・ケストラー(ケイジ)の1人息子ケイブ(チャンドラー・カンタベリー)の学校では、50年前に埋められたカプセルを掘り起こす記念行事が行われていました。中に収められていたのは、当時の生徒たちが創造した未来図。

家に持ち帰った“それ”を見たジョンは、数字の羅列にある一定の法則があるのでは…と調べ始めます。そして見つけた“299691101”の文字。それは、2001年9月11日米同時多発テロの日付と、2996人という犠牲者の数。

妻が亡くなった2年前のホテル火災を示す数字を見た時、ジョンは確信します。“それ”はただの1枚の紙ではなかったのです。そこに記されていたのは、過去に起きたあらゆる大惨事の日付と犠牲者数。そして未来の数字も!

地球の未来のため、息子のため、ジョンは?息子役チャンドラー・カンタベリーは、「ベンジャミン・バトン」(08)で主人公の8歳の時を演じた子。これからも名前を聞くことがありそうです。とにかく、デザスター・ムービー大好きな私。予告編だけでもわくわく。楽しみ~!
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クリーニング、始めました。

2009-05-29 21:02:42 | 映画
「リトル・ミス・サンシャイン」(06)は、サンダンス映画祭で評判になりインディズの映画としては異例の大ヒット。本作でアカデミー賞助演男優賞受賞のアラン・アーキン、グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、ポール・ダノ、アビゲイル・ブレスリンと個性的な俳優が揃い、大いに楽しみました。

ピーター・サラフ、マーク・タートルトーブ、ジェブ・ブロディが2004年に創立した“ビッグ・ビーチ・フィルム”。そのチームが再び製作した映画が、「サンシャイン・クリーニング」(08)です。監督は、グウィネス・パルトローとダニエル・クレイグ主演「シルヴィア」(03)のクリスティン・ジェフズ。2作目です。

ハイスクールでチアリーダーだったローズ(エイミー・アダムス)は、30代半ばのシングルマザー。ハウスキーパーの仕事をしながら、高校時代の恋人マック(スティーヴ・ザーン)と不倫中。ローズの妹ノラ(エミリー・ブラント)はというと、どんな仕事も長続きせず、父親のジョー(アラン・アーキン)と同居中。

ローズの息子、8歳のオスカー(ジェイソン・スペヴァック)はちょっと変なクセがあり、そのせいで小学校を退学する羽目に…。なにもかもうまく行かないと嘆くローズ。父親のジョーも新種のポップコーンの訪問販売に夢中だし…。

そんな時、マックから『事件現場の清掃は大金が稼げる』という言葉を聞いて、生計を立て直すためにローズが考えたのは…。そう!事件現場の清掃業。嫌がるノラを誘って、“サンシャシン・クリーニング”をスタート。掃除道具店の店員ウィルソン(クリフトン・コリンズ・Jr)から掃除テクのサポートもあって、徐々にコツをつかんでいきます。

果たして、ローズとノラの姉妹はうまくやって行けるの?ジョーとオスカーの問題いっぱいの家族は大丈夫?「リトル・ミス・サンシャイン」もそうでしたが、不器用な家族だからこそ、リアルな物語が生まれます。

ザ・クリーナー」(07)でも、同じような事件現場の清掃を扱っていました。そのブログにも書いた、「フェティッシュ」(96)も。あっ、TV「24」のクロこと、メアリー・リン・ライスカブも出てま~す。必見!
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宇宙ステーションで何が?

2009-05-28 21:35:12 | 映画
“アルマズ・プロジェクト”って?ナントカ・プロジェクトというと、どうも「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99)を思い出します。1994年10月、モンゴメリー大学映画学科の学生3人が、ドキュメンタリー映画を作るため、メリーランド州ブラック・ヒルズの森を目指します。

古くから魔女伝説の残るその地を取材する内、3人は消息不明に…。1年後、彼らの撮影したフィルムやビデオが発見され、そこに映っていたものとは…ということで、低予算ながら世界中で大ヒット!こ、こわかったです。

では、「アルマズ・プロジェクト」(07)とは?それは、ソビエト連邦が開発した極秘宇宙ステーション。1998年11月、地球の軌道を周っていたアルマズ号はレーダーから姿を消し、4日後地球の大気圏に突入し爆発します。本来は“サリュート”と呼ばれていました。

軍事目的の宇宙ステーションだったため、ロシアは打ち上げの事実は認めたものの、事故の原因などの情報は闇の中。計画には費用もかかり、1980年代後半にはプロジェクト自体、終了したそうです。謎多きアルマズ号については、さまざまな噂がありました。

いままでそれらの噂をすべて否定して来たロシア。ところが…。ロシア側の必死の捜索にも関わらず、ウクライナの反体制過激派グループが当局を出し抜き、ブラックボックス(フライトレコーダー)を回収してしまいます。そこには墜落までのステーション内部の様子が、一部始終納めれていたのです!

監督・脚本はクリス・ジョンソン。製作・脚本はスコット・アルトメア。脚本にはハンフリー・R・ガイドも。そう!これは、アメリカ映画で「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じく、擬似ドキュメンタリーの形を取ったミステリーなんですね。主演はイワン・シュヴェドフ、イナ・ゴメス。

知らないぞ。いいんです。こうした映画はリアルでないと。有名スターが出ていては、興ざめですものね。この映画のことを知って、ソビエトからロシアに至る宇宙計画に改めて、興味をいだきました。

人類初の宇宙飛行士、ソビエト連邦のユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン。ほら、『地球は青かった』や『神はいなかった』という言葉を残した人です。1961年4月12日のこと。知らなかったのは、地球に帰還後1968年3月28日飛行指揮官への訓練中、墜落死。

まだまだ、知らないことがたくさん。映画って、勉強になります。はい。
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ラリックの輝き

2009-05-26 20:23:54 | 展覧会
フランスのガラス工芸家、宝飾デザイナーのルネ・ラリック。1860年4月5日シャンパーニュ地方のアイ村生まれたそうです。(1945年5月5日没)ラリックと言えば、アールヌーヴォー、アールデコですね。

ちなみに、アールヌーヴォーは“新しい芸術”のこと。アールデコは“装飾美術”の傾向。アールヌーヴォーのガラス工芸には、エミール・ガレも有名ですね。絵画・デザインでは、アルフォンス・ミュシャが有名。ラリックとミュシャの共通の顧客に、当時人気のサラ・ベルナールがいるそうです。うむ。

ラリックの生誕150年を記念した展覧会が、六本木の国立新美術館で開催され、世界中から約400点が集まります。「華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ ルネ・ラリック」と題された本展の、展示品を見るとただただ、ため息が出てしまいます。

いままでも、ダイヤモンド展やパール展、ティアラ展、カメオ展、カルティエ展などなど、ジュエリーの展覧会は結構見ていますが、いつもため息…。あっ、私の場合、ひたすら見惚れるだけで購入なんてまったく考えていません!買えないもん。

今回の展示品は、ポスターの『ハット・ピン<ケシ>』1897年・オルセー美術館蔵、この作品は東京会場のみの展示だそうです。他にも『ブローチ<ケシに囲まれた女の胸像>』1900~01年頃・カルースト・グルベンキアン美術館蔵。

『ティアラ<雄鶏の頭>』1897~98年頃、『コサージュ・オーナメント<騎馬試合>』1903~04年頃、『ペンダント<デーイアネイラの略奪>1900~02年頃・すべてカルースト・グルベンキアン美術館蔵。

ガラス作品には、『テーブルセンターピース<二人の騎士>』1920年・北澤美術館蔵、『香水瓶<カシス>』1920年・北澤美術館蔵、『立像<噴水の女神像/ダフネ>』1924年・成田美術館蔵、『立像<噴水の女神像>1924年・伊豆ガラスと工芸美術館蔵など。

ラリックのガラス工芸品のモチーフは、花、女性、動物など。もし、まだラリックの作品を見たことがないのなら、この展覧会は必見です。きっと、ため息がでますよ。うふふ。
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未来は、過去から

2009-05-24 21:40:35 | 映画
J・K・ローリング原作の「ハリー・ポッター」シリーズも、いよいよ6作目。思い返せば、「ハリー・ポッターと賢者の石」(01)の監督はクリス・コロンバス。ハリー役のダニエル・ラドクリフは、当時12歳。1989年7月23日ロンドン生まれ。

ロン役のルパート・グリントは、1988年8月24日ハートフォードシャー生まれの13歳。ハーマイオニー役のエマ・トンプソンは、1990年4月15日オックスフォード生まれの11歳。みんなものすごく若かったですね~。

2作目「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(02)の監督も、クリス・コロンバス。3作目「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(04)では、監督がアルフォンソ・キュアロンに交代。1・2作目でダンブルドア校長を演じていたリチャード・ハリスが、02年10月25日に悪性リンパ種で亡くなり、マイケル・ガンボンに交代。

4作目「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(05)の監督は、マイク・ニューウェル。“三大魔法学校対抗試合”にホグワーツ魔法学校代表として「トワイライト~初恋~」(09)の主役に抜擢された、ロバート・パティンソンが出演していました。この時はともかく、エドワード・カレン役、ステキでした。続編が楽しみ!

話を戻して…5作目は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(07)、監督はデヴィッド・イェーツ。魔法学校でも、主人公たちは5回生となりました。ダニエルは18歳、ルパートは19歳、エマは17歳とみんな大きくなりました!(なりすぎ?)

最新作は「ハリー・ポッター 謎のプリンス」(08)です。監督は、デヴィッド・イェーツが続投。いよいよヴォルデモート卿との最終決戦が、はじまります!物語は映画で見ることとして、今回の共演者は、「アイリス」(01)でアカデミー賞助演男優賞受賞のジム・ブロードベント。

校長の旧友で元同僚の、魔法薬教授ホラス・スラグホーンを演じます。この映画の見どころは、こうした渋くて実力派の共演者!と思うのは私だけではないはず。それにしても、すべての謎が解明される(?)のを見逃せません!

ちなみに「ハリー・ポッターと死の秘宝」は、2010年11月と11年10月に2部作として公開予定。うむ。
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ウディ・アレンのミューズたち

2009-05-22 21:42:38 | 映画
1935年12月1日ブルックリン生まれのウディ・アレン。彼の作品のミューズと言えば、「アニー・ホール」(77)のダイアン・キートン。「インテリア」(78)「マンハッタン」(79)「スターダスト・メモリー」(80)「マンハッタン殺人ミステリー」(93)で共演しています。

次に、「サマー・ナイト」(82)のミア・ファロー。「カメレオンマン」(83)「ブロードウェイのダニー・ローズ」(84)「カイロの紫のバラ」(85)「ハンナとその姉妹」(86)「ラジオ・デイズ」「セプテンバー」(87)「私の中のもうひとりの私」「重罪と軽罪」(89)「アリス」(90)「夫たち、妻たち」「影と霧」(92)で共演。

その後しばらくミューズ不在の時期が続き、「僕のニューヨークライフ」(03)で主演したクリスティナ・リッチの登場で、おおっ!と思ったものの1本で終わり。予想を裏切りました。うむ、ウディ・アレンめ。

で、70歳を間近にした「マッチポイント」(05)でウディの心を鷲掴みにしたのが、スカーレット・ヨハンソン。1984年生まれの20歳。う~む。続く「タロットカード殺人事件」(06)も。「マッチポイント」から本拠地NYを離れロンドンで製作をはじめたウディは、最新作でヨハンソンを連れてスペインへ!

それでも恋するバルセロナ」(08)。バルセロナと言えば、建築家アントニ・ガウディの“サグラダ・ファミリア教会”や“グエル公園”、パブロ・ピカソやジョアン・ミロの美術館など、見どころ満載。もちろん、映画にも登場!

学生時代からの友人、クリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)とヴィッキー(レベッカ・ホール)。2人は夏のヴァカンスで、バルセロナへ。男性に対し、誠実さと安定を求めるヴィッキーは真面目な青年ダグ(クリス・メッシーナ)と婚約中。一方のクリスティーナは、情熱的な恋を求めるタイプ。

ヴィッキーの親戚の家に宿泊する2人は、情熱的で開放的なバルセロナを堪能。ある晩、親戚夫妻と出かけた画廊のパーティで、ファン・アントニオ(ハビエル・バルデム)と出会います。2人の反応は、またしても正反対。

深夜レストランでファン・アントニオと再会した2人は、彼からオビエド(スペイン北部の町)に誘われます。さぁ~、どうする?さらに、彼をナイフで刺し離婚した元妻マリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)も登場。大~混乱は目に見えています。

ぺネロぺは、この作品で念願のアカデミー賞助演女優賞を受賞。美しさだけでないことを実証しました!それにしても、ウディって!見ますけど…。
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81歳と70歳の強盗です。

2009-05-21 21:39:05 | 映画
ハンガリー共和国。中央ヨーロッパにあり、首都はブタペスト。ハンガリー映画というと、サボー・イシュトヴァーン監督の「コンフィデンス/信頼」(79)や「太陽の雫」(99)、フェケテ・イボヤ監督の「カフェ・ブダペスト」(95)、ロルフ・シューベル監督の「暗い日曜日」(99)、エヴァ・カルドス監督の「アメリカン・ラプソディ」(01未)など…。

ブタペストを舞台にした映画はわりと多いですが、ハンガリー映画は日本ではあまり多く公開されていませんね。上記の中にも、ドイツとの合併作品も多いです。予告編を見て、あまりにユニークな内容で、思わず“ハンガリー映画、侮れません!”と思っちゃいました。

人生に乾杯!」(07)は、純然たるハンガリー映画。監督は、ガーボル・ロホニ。といっても知りませんが…。当然、出演者も知りません。物語は、運命的な出会いの末、結婚したエミル(エミル・ケレシュ)とヘディ(テリ・フェルディ)。時は過ぎ、今では81歳と70歳の老夫婦です。

社会も時代もすっかり変わり、年金だけでは暮らせない世の中。つつましく、節約の日々なのになぜか借金取りがやってくる厳しい生活を送っています。そしてとうとう借金の肩代わりに、2人の出会いの記念に贈ったダイヤのイヤリングまで持って行かれてしまいます、

『高齢者に冷たすぎる!』と、世の中に怒ったエミルは大切な妻のイヤリングを取り戻すべく、立ち上がります。持病の腰痛をこらえ、愛車チャイカに20年ぶりに乗り込み、ある所へ向かいます!そこは、郵便局。2人は強盗を企てたのです!

しかし、もともと善人。どうも“紳士的”な強盗になってしまいます。一度は警察に協力しようとしたヘディも、エミルの必死な様子を次第に理解するようになるのでした。かつて自分を愛してくれた若い頃を思い出し、一緒に逃げる決心をします。

映画は、年齢なんか関係ない!とばかりにがんばるエミルとヘディの行動から、今の世の中の現状をユーモアたっぷりに描いていきます。有名スターの出演じゃないからこそ、リアルさが感じられるのも良いですね。

ちなみに車には詳しくない私ですが、エミルの愛車チャイカについて。チャイカとはロシア語で“カモメ”のこと。地名、ホテル、船、時計、小説などいろいろ使われているそうです。ロシア産のこの車、映画の中で大活躍!こちらにも注目です。
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覇王別姫を見る!

2009-05-20 22:07:25 | 演劇
ひさびさに“京劇”を見ます。一時期、よく見に行っていました。ツアーで北京に行った時、飯店(中国語のホテル・旅館の意味、中国料理店のこと。Yahoo辞書より)での公演も見ました。でも大きな劇場だったので、かつての雑多な雰囲気を望むべくもありませんでしたが…。

京劇は清の時代(1790年)にはじまり、西太后の手厚い庇護のもと、成熟していきました。映画の中で見る京劇の舞台は、狭くて小さな小屋って感じ。「心の香り」(92)、「エム・バタフライ」(93)、「北京の恋 四郎探母」(04)、「花の生涯 ~梅蘭芳」(08)などでもその様子が見て取れます。

今回見に行く公演は、東京芸術劇場 中ホールでの「覇王別姫 ~漢楚の戦い~」です。そう!あの“覇王別姫”です。チェン・カイコー監督、レスリー・チャン主演の「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)。ちなみに相手役は、「レッド・クリフ」シリーズで曹操を演じたチャン・フォンイー。

他にも、蜷川幸雄演出、東山紀之主演の「さらば、わが愛 覇王別姫」もありました。でもこの舞台は、ドラマに重点を置いているので劇中劇はほとんどなかったですけど…。それはともかく、来日して演じるのは“天津青年京劇団”。

物語は、紀元前206年。秦の始皇帝没後、次々に反乱が起こり中国全土に広がって行きます。最後に残ったのは、楚の項羽と漢の劉邦。“西楚の覇王”と呼ばれ、圧倒的に優勢な項羽軍に対し、劉邦軍は和議を申し入れ。その後、根拠地に帰還する劉邦軍に味方が合流し、形勢は逆転。

垓下(がいか)で孤立した項羽は、四方から敵兵の歌う楚の歌が聞こえたことで、祖国さえも劉邦に寝返ったと思い<四面楚歌の意>、愛妾・虞姫(虞美人)と盃を交わします。虞姫は自分が足手まといになると、自刃します…。

そう言えば、宝塚歌劇でも「虞美人」(74)という演目があり、星組(鳳蘭)と花組(安奈淳)の合同公演でした。ああ~、語り始めると終わらないのでこの辺で。京劇、楽しみです。
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トニパキとサガン

2009-05-17 19:28:43 | 映画
「友情ある説得」(56)や「胸に輝く星」(57)をご存知の方は、かなり長い映画ファン。のちに「サイコ」(60)のノーマン・ベイツ役で有名になる、アンソニー・パーキンスの初期の作品です。トニパキの愛称で親しまれた彼、私もよく見ています。

「サイコ」はともかく、トニパキは「渚にて」(59)や「のっぽ物語」(60)などの好青年役がお似合いで、1961年の「さよならをもう一度」は今も忘れられない作品です。監督はアナトール・リトヴァク、イングリッド・バーグマンとイヴ・モンタン主演。

フランスを舞台にした原作は、フランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き』。サガン作品の映画は、他にも「悲しみよこんにちは」(57)「ある微笑」(58)「スエーデンの城」(62)「夏に抱かれて」(87)「厚化粧の女」(90)があります。(他に、脚本2作あり)

作家フランソワーズ・サガンを描いた作品、「サガン 悲しみよ こんにちは」(08)が公開されます。1935年6月21日生まれのサガンは、本名をフラソワーズ・コワレと言い、わずか18歳で『悲しみよこんにちは』を発表し、世界的なベストセラーとなります。(2004年9月24日死去)

一夜にして富と名声を得たサガンは、自由奔放な人生を送ります。2度の結婚、出産、最愛の人の死、スポーツカー事故で生死をさまよい、ドラッグで逮捕・有罪判決、桁外れの金額でギャンブル、ミッテラン元大統領との親密な交際、ジャン=ポール・サルトルやトルーマン・カポーティとの交流…

映画は、サガンの愛を求め続けた人生をドラマチックに描きます。サガンを演じるのは、「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(07)でピアフの親友モモーヌ役のシルヴィー・テステュー。サガンの親友で、ずっと彼女を支え続けた元モデル、スタイリストで雑誌“エル”の編集長ペギー・ロッシュを、ジャンヌ・バリバールが演じます。

「ランジェ公爵夫人」(07)でタイトルロールを演じた彼女は、とっても魅力的。実在のロッシュは、1991年9月の死去まで15年間、サガンとの共同生活を送ったそうです。監督は、「年下のひと」(99)のディアーヌ・キュリス。当時のファッションやテステューのサガンのそっくりぶりにも注目。

ところで冒頭のトニパキですが、「死んでもいい」(62)も忘れがたいです。ねっ?
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だまされたい!

2009-05-15 20:37:56 | 展覧会
浮世絵好きの人にはお馴染みですが、なかなかすべての人が知っているわけではないのが残念。歌川国芳をご存知?寛政9年と言われてもピンときませんが、1798年生まれ。江戸時代末期の浮世絵師です。

同時代の『富嶽三十六景』の葛飾北斎や、『東海道五十三次』シリーズの歌川広重とは違い、国芳が再評価されたのは20世紀後半。“幕末の奇想の絵師”と言われたように、その作品は目を見張るばかり!

相馬の古内裏』や、『猫のけいこ』の他に、『猫の当字 なまず』とか、『荷宝蔵壁のむだ書』なんて、めっぽう面白い作品だらけ。そして注目は、『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』や、『人かたまつて人になる』などの寄せ絵。もう、びっくり!(画像は、Wikipediaより)

渋谷のザ・ミュージアムで開催の「奇想の王国 だまし絵展」で、日本を代表する画家として登場します!国芳を見るチャンスです。だまし絵は、古くから多くの芸術家が挑戦して来たジャンルなんです。

今回の展覧会では、17世紀から近代まで、ヨーロッパから日本まで、100点以上の作品が展示されます。わぉ!展示構成は…

【第1章】 イメージ詐術(トリック)の古典
【第2章】 トロンプルイユの伝統
【第3章】 アメリカン・トロンプルイユ
【第4章】 日本のだまし絵
【第5章】 20世紀の巨匠たち-マグリット、ダリ、エッシャー
【第6章】 多様なイリュージョりズム-現代美術におけるイメージの策謀

ポスターになっている、ジュゼッペ・アンチボルドの『ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)』(1590年頃)は、スウェーデンのスコークロステル城から初来日!絶対、見なくてはなりません!国芳もね。
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