だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

タブーを破る!

2009-02-27 22:22:54 | 映画
映画や演劇、絵画などが好きな私は、歴史も大好き。特に世界史は映画も演劇も絵画にも通ずるものが多く、とにかく面白い。1965年のイタリア映画「アルジェの戦い」。ご覧になりましたか?

監督は、イタリア人のジッロ・ポンテコルヴォ。フィルモグラフィには、イヴ・モンタンとアリダ・ヴァリ主演「青い大きな海」(57)、スーザン・ストラスバーグ(懐かしい!)主演「ゼロ地帯」(60)、マーロン・ブランド主演「ケマダの戦い」(69)の4本しかありません。いずれも未見。

「アルジェの戦い」は、ドキュメンタリータッチで描かれた作品で、主演にはブラヒム・ハギアグ、ヤセフ・サーディなど知らない人ばかり。タイトルから分かるように、アルジェリア民主人民共和国(通称:アルジェ)の独立戦争を描いていました。タイトルだけは、今もしっかり覚えています。

ここでちょっとお勉強。北アフリカに位置するアルジェリアは、1830年アルジェリアに進出したフランスが、首都アルジェを占拠。1847年には全土を支配します。第1次世界大戦後から独立運動が高まり、1954年アルジェリア戦争が勃発します。100万人に及ぶ死者を出し、1962年ようやく独立に至ります。

フランス俳優ブノワ・マジメルの立案で映画化された、「いのちの戦場-アルジェリア1959-」(08)が公開されます。130余年に渡り、フランスの植民地だったアルジェリアでは、1954年“アルジェリア民族解放戦線(FLN)が武装蜂起します。対するフランスは、大規模な軍隊を投入。

「いのちの戦場」は1959年7月、戦死した前任者の後を任され、カビリア地方に赴任して来たテリアン中尉(ブノワ・マジメル)が主人公。赴任後、向かったタイダ村でテリアンが目にした光景は、殺戮の泥沼…。すでに戦場では拷問と虐殺が、常態化していたのです。

フランスでは長らく“タブー”とされていたこの独立戦争について、近年歴史的な再検証の動きが高まり、ようやくフランス本国での映画が製作されたのです。監督は、マジメルも出演していた「スズメバチ」(02)、ブルース・ウイリス主演「ホステージ」(05)のフローラン=エミリオ・シリ。

「ピアニスト」(01)で、カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞したマジメルの訴えたかった“真実”。歴史を知るべきですね。
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ゴンドワナの恐竜たち

2009-02-26 21:14:16 | 展覧会
花粉症の季節、真っ只中。う~んと寒い日が続いていますが、あっという間に3月。今年の桜の開花も早まりそうですね。3月にはあちこちでお花見情報が聞けそうです。

上野の桜の見事さは、人出の多さでもわかります。都内で人気の桜の名所、No.1は千鳥ヶ淵、No.2は上野公園、No.3は目黒川、No.4は新宿御苑、No.5は隅田川…なんだそうです。(今年はどうかな?)

上野にお出かけの節には、国立科学博物館にもぜひお寄りください。だって、「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」をやっているんですもん!恐竜大好き。

1998年に東京で開催された「大恐竜展~失われた大陸ゴンドワナの支配者~」。来場者40万人を記録したそうです。人気ですね~。それから11年。今度の展覧会もすごそうです!行かねば。

遠い遠い大昔。地球にはたったひとつの大陸“パンゲア”しかありませんでした。この大陸が分裂して、現在の大陸ができたんですね。そして1億8000万年前(ジュラ紀)、北にローラシア大陸、南にゴンドワナ大陸と分裂したんだそうです。うむ。

ゴンドワナ大陸。それは現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸、アラビア半島、マダガスカル島を含むかなり大きな大陸。で、このゴンドワナ大陸に生息していたとされる恐竜たち。

ここ数年でゴンドワナ大陸の研究が進み、大陸の全貌が明らかになり、日本初公開の驚異の恐竜たちが来日します。世界最大級の肉食恐竜“マプサウルス”(アルゼンチン)は、全長約13mの巨大さ。しかも、成体と幼体が同時展示!世界初です。

さらには、世界最古の恐竜のひとつとされる“スタウリコサウルス”(ブラジル)や“マシャカリサウルス”(ブラジル)、500本もの歯を持つ“ニジェールサウルス”(アフリカ、ニジェール)、南極標高4000mで発見された“クリオロフォサウルス”(南極大陸)

インドからは“ラジャサウルス”、マダガスカルからは“マジュンガサウルス”など、もう~聞いたことのない恐竜たちがいっぱい!ゴンドワナ大陸も興味津津だし、この展覧会は見逃せません!
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眠れなくなりそう~

2009-02-24 21:06:38 | 映画
第81回アカデミー賞が発表になり、映画ファン最大のイベントにわくわくどきどきしました。結果は…、今思うと予想通りかも。ところで、毎年アカデミー賞の前夜に発表になる“ゴールデンラズベリー賞”こと“ラジー賞”。

1981年、映画製作や宣伝分野で働くジョン・ウィルソンが創設。今年29回の最低作品賞は、「愛の伝道師 ラブ・グル」(08未)。最低男優賞はもちろん主演のマイク・マイヤーズ。この映画、キャスティングがすごいのでレンタルDVDで見ようっと。うふふ。

「ビッグ・ダディ」(99)で、最低主演男優賞を受賞したのがアダム・サンドラー。「ダーティ・ボーイズ」(96)「ウォーターボーイ」(98)「Eight Crazy Nights」(02)「チャックとラリー おかしな偽装結婚!?」(07)でもノミネート。

サンドラーのファンなので、この名誉(?)は甘んじて受けます。ラジー賞はお遊びだし…。しかしこの賞って面白い。で、そのサンドラーの最新作が、「ベッドタイム・ストーリー」(08)。春休みにふさわしいウォルト・ディズニー・ムービーです。

ホテルの整備係をしている、ちょっと冴えないスターキー(サンドラー)は独身。姉のウェンディ(コートニー・コックス)から、甥のパトリック(ジョナサン・モルガン・ハイト)と、姪のボビー(ローラ・アン・ケスリング)の面倒を見るように頼まれます。

ウェンディの友人ジル(ケリー・ラッセル)の助けもあって、なんとかやれそう。夜になり、子供たちの寝る時間がやって来ます。子供たちは寝る前のお話をおねだり。それが“ベッドタイム・ストーリー”です。スターキーは、自分を主人公にしたハチャメチャな作り話を語り始めます。

中世を舞台にしたファンタジー、古代ローマでの馬車レース、広大な宇宙で繰り広げられるSF…など、子供たちが喜びそうな物語。しかし子供たちが物語を乗っ取り、空想の世界が現実のものに!さぁ~大変!どうなる?どうする?バグジーって何よ?

物語に出てくるのは、現実世界の人たち。ホテルオーナーのノッティンガム(リチャード・グリフィス)、憎たらしい会社の上司ケンドル(ガイ・ピアース)、風変わりな友人ミッキー(ラッセル・ブランド)、そしてジルも。

監督は、「ヘアスプレー」(07)で監督・製作総指揮・振付を担当したアダム・シャンクマン。見ます。
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クィーンにぞっこん!

2009-02-22 17:35:17 | 映画
アメリカの大統領が初の黒人だから…というわけではありませんが、最近の映画でも黒人俳優の活躍は素晴らしいですね。「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(08)で、80歳で生まれたベンジャミンを拾って育てるクイニー役のタラジ・P・ヘンソン。

「ダウト ~あるカトリック学校で~」(08)で問題の黒人男子生徒の母、ミラー夫人役のヴィオラ・デイヴィス。2人とも、今年第81回アカデミー賞助演女優賞にノミネート。結果が楽しみですね~。

「シカゴ」(02)で助演女優賞にノミネートされた、クイーン・ラティファ。私は彼女のファンで、「ビューティー・ショップ」(05未)「主人公は僕だった」(06)「ヘアスプレー」(07)などなど、いつも注目しています。そして映画デビュー作「ドリームガールズ」(06)で、いきなり助演女優賞受賞のジェニファー・ハドソン。

この2人が出演する映画、それが「リリィ、はちみつ色の秘密」(08)です。原作は、スー・モンク・キッド著『リリィ、はちみつ色の夏』。監督・脚本はジーナ・プリンス=バイスウッド。製作の1人にウィル・スミス、製作総指揮にジェイダ・ピンケット・スミス。夫妻で映画に係わっています。

1964年のサウス・カロライナ州。14歳のリリィ(ダコタ・ファニング)は、4歳の時母親を亡くし、それからの10年、母の死の記憶に囚われ苦しんでいました。それは誰かから愛されたいという、渇望でもありました。今、亡き母の面影を求めて旅に出ます。

リリィと一緒の行くのは、世話役で友人のロザリン(ハドソン)。そして辿り着いたのが、カリビアン・ピンクの1軒屋。そこにはボートライト3姉妹、長女オーガスト(ラティファ)、次女ジューン(アリシア・キーズ)、3女メイ(ソフィー・オコネドー)が住んでいました。

オーガストの経営する養蜂場を手伝うことになったリリィは、人との絆や友情、愛情、優しさ、勇気に触れ、成長していきます。ひと夏の大切な出来事。そして知る母の想い、秘密…。果たしてそれは?

アリシア・キーズは「007/慰めの報酬」(08)の主題歌を歌う歌手で、「私がクマにキレた理由」「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」(07)にも出演。ソフィー・オコネドーは、「ホテル・ルワンダ」(04)「イーオン・フラックス」(05)などに出演。ラティファ、見に行こうっと!
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究極の選択

2009-02-21 19:44:13 | 映画
1977年「ジュリア」で映画デビューした、メリル・ストリープ。アカデミー賞14回ノミネート、主演賞1回、助演賞1回受賞の大女優です。そのストリープがウィリアム・スタイロン原作「ソフィーの選択」に主演したのは、1982年。

1998年惜しくも交通事故で亡くなった、アラン・J・パクラ監督作。ケヴィン・クラインとピーター・マクニコル共演のこの作品は、ナチスの捕虜収容所での1人の女性の“ある選択”を軸に、3人の男女の人生を描いていました。

この作品での選択は驚愕ものでしたが、ユマの最新作もただ驚くばかり…。「ダイアナの選択」(08)の原作は、ローラ・カジシュキー著『春に葬られた光』。ポスターを見ても花々に囲まれて、その美しさに目が行きますが物語は深刻。

コネチカット州郊外の小さな町ブライアー・ヒル。自分の生き方を模索していた17歳のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)。不安定な時期をようやく抜け出し、これからという時、それは起きます。ハイスクールの銃乱射事件。

親友のモーリーン(エヴァ・アムーリ)と女子トイレにいた時、犯人の同級生が踏み込み、尋ねます。『どっちを殺す?』。果たして自分か?親友か?

それから15年。32歳になったダイアナ(ユマ・サーマン)は美術教師となり、大学教授の夫と可愛い娘と暮らしています。幸せそうに見えるダイアナも、実は事件の記憶に苛まれ、トラウマを抱えて生きていました。

やがて事件のメモリアル・デイが近づき…・映画は、過去と未来、現実と理想、生と死…と対比するように描いていきます。10代のダイアナと30代のダイアナをフラッシュバックではなく、フラッシュフォワードで見せる構造。

監督は、1963年ウクライナのキエフ出身のヴァディム・パールマン。監督デビュー作は、ジェニファー・コネリーとベン・キングズレー主演「砂と霧の家」(03)。この作品も見応えがあり!監督2作目の本作も、期待せずにはいられません。

ユマ・サーマンは今年39歳、充実した時期。エヴァン・レイチェル・ウッドは「アクロス・ザ・ユニバース」(07)のルーシー役。エヴァ・アムーリは、スーザン・サランドンとフランコ・アムーリ監督の娘。ティム・ロビンスは義父。女優に注目の映画でもあります。必見。
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5人の生存者、5つの謎

2009-02-19 22:22:51 | 映画
コロンビア人作家、ガブリエル・ガルシア・マルケス(1928年生まれ)。代表作の「エレンディラ」(83)「予告された殺人の記録」(87)「コレラの時代の愛」(07)など映画化されたものもあり。息子のロドリゴ・ガルシアは、映画監督。

1959年8月24日コロンビアのボゴタ出身。はじめは撮影、つまりカメラマンとして映画界に入り、オムニバス映画「フォー・ルームス」(95)やTVMの「ジーア/悲劇のスーパーモデル」(98)などで活躍。監督デビューは「彼女を見ればわかること」(99)。脚本も書いてます。

「彼女の恋からわかること」(02)や「美しい人」(05)もそう。この3本はいずれも女性を主人公にし、人間の細かい心情を巧みな脚本で描き、見る者をぐいぐい引き込む力を持っていました。さすが作家の息子。私もファンです。

最新作の「パッセンジャーズ」(08)では、脚本をそれまでTVMを手掛けて来たロニー・クリステンセンが担当。“パッセンジャーズ”とは、乗客のこと。飛行機事故で109名の乗客のうち、5人が生存。彼らのセラピーを担当することになったのは、セラピストのクレア・サマーズ(アン・ハサウェイ)。

恩師のペリー・ジャクソン(アンドレ・ブラウアー)からの依頼で担当となったクレアは、グループ・カウンセリングを開始します。ところが生存者の内、エリック・クラーク(パトリック・ウィルソン)だけは、グループ・カウンセリングは必要ないと参加を拒否します。

彼はショック状態のみんなとは違い、落ち着いた様子でクレアの『個別カウンセリング』の申し出を受けます。不可解な言動のエリック。さらには生存者たちが語る事故の状況が、航空会社の説明とは食い違いがあったのです。

そして、相次ぐ生存者たちの謎の失踪…。クレアの身の回りにも妙な出来事が起こりはじめ…。そもそもなぜ飛行機事故は起きたのか?なぜ5人だけ生き残ったのか?う~む、知りたい!

共演者は、アーキン役にデヴィッド・モース、シャノン役にクレア・デュヴァル、トニ役にダイアン・ウィースト。TV「Xファイル」のシガレット・スモーキングマン役のウィリアム・B・デイヴィスも出てます。

ところで主演のアン・ハサウェイは、「プラダを着た悪魔」(06)や「ゲット スマート」(08)などのコメディから、演技派女優へ移行中。がんばってます!
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原作とは、違います。

2009-02-18 21:05:50 | 映画
ハリウッドの映画ネタ(脚本)不足はよく知っているつもりですが、これも映画になると知った時は驚きでした。原作者の鳥山明氏も、予告編の冒頭にコメントを寄せていますが、オリジナルとはかなり違うようです。

DRAGONBALL EVOLUTON」(08)。そう!あの超人気アニメ“ドラゴンボール”です。全34巻もあるんです。ちなみに家の家族の本棚には、全巻あります。私は未読ですけど…。ゲーム類も全部持っていて、ファンのようです。

監督はジェームス・ウォン。あっという間に終わってしまったけど、面白いテーマで大好きだったTV「霊能者アザーズ」(00)の製作総指揮と脚本を担当。グレン・モーガンの名前も。他にも大好きな「ファイナル・デスティネーション」(00)の脚本と監督を担当。これは面白かった!

シリーズ3作目の「ファイナル・デッドコースター」(06)も。ジェット・リー主演の「ザ・ワン」も、ジェームス・ウォンとグレン・モーガンの作品でした。面白い脚本を書いて、製作、監督する2人ですが、今回の製作はチャウ・シンチー。あっ、製作総指揮は鳥山氏。

亡きおじいちゃんの意志を受け、世界中に散らばる7つのドラゴンボールを集める旅に出た、孫悟空(ジャスティン・チャットウィン)。7つのドラゴンボールをすべて集めると、どんな願いも叶うと言われていました。そしてピッコロ大魔王(ジェームズ・マースターズ)は、世界征服を企んでいたのです…。

大魔王の野望を阻止せねば…。旅の途中で、悟空はドラゴンボールを探すブルマ(エミー・ロッサム)に出会い、亀仙人(チョウ・ユンファ)のもとでは厳しい修行を積みます。やがて武道家として、人間として成長していく悟空。

孫悟空、ブルマ、亀仙人、チチ(ジェイミー・チャン)、ヤムチャ(ジュン・パーク)、マイ(田村英里子)とアニメのキャラクターの実写版。主演のジャスティン・チャットウィンは、1982年10月31日生まれのカナダ人。TVシリーズのゲスト出演の他、「テイキング・ライブス」(04)「宇宙戦争」(05)などに出演。

初主演の本作。ブレイクなるか?しかし、ユンファ・ファンの私は微妙~。
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ルーヴルの子どもたち

2009-02-16 17:37:15 | 展覧会
この春は、上野の西洋美術館で開催の「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」で、“黄金の世紀”と呼ばれる時代の名作絵画を堪能する予定です。わくわく。

レンブラント、ベラスケス、フェルメール、ルーベンス、プッサン、ラ・トゥール、クロード・ロラン、ムリーリョら、オランダ、スペイン、フランスなどの画家たちの作品がたくさん来日します。楽しみ~。

そしてもうひとつ。六本木の国立新美術館で開催の「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」も、見逃せません!膨大な数の収蔵作品には、世界的に有名な作品が目白押し。同時期に日本での展覧会が、2つもあるなんて感動~です。

サブタイトルにもあるように、今回の展覧会のテーマは“子どもたち”。①古代エジプト美術部門 ②古代オリエント美術部門 ③古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術部門 ④彫刻部門 ⑤美術工芸品部門 ⑥絵画部門 ⑦素描・版画部門 の7つの部門から、約200点が来日。すごい!

①には、ルーヴル唯一の子どものミイラ『少女のミイラと棺』は日本初公開。②には、前12世紀の『台車にのったライオン』と『台車ののったハリネズミ』 ③には、前480~470年頃の『赤像式スタムノス:蛇を殺す幼児ヘラクレス』 ④には、ジャン=バティスト・ドフェルネの『悲しみにくれる精霊』

⑤には、1811年作セーヴル製作所の『ローマ王の洗礼の茶碗』 ⑥には、ジョシュア・レノルズ作『マスター・ヘア』(1788年) ⑦には、ピーテル・パウル・ルーベンスの『子どもの横顔』など

他にもポスターの中央にある、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの『聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス』(1517年頃)も来日。素晴らしい!伝統的には聖母子を中央に配置するのですが、ティツィアーノは左側に聖母子、右側に聖人たちという斬新な構図。見応えがありますね!

彫刻部門のアンドレア・デッラ・ロッビアの工房作『幼な子キリストを礼拝する聖母』(16世紀初め)や、リジエ・リシエ作『揺りかごに寝る幼な子キリスト』(16世紀)などにも注目です。さぁ、見逃さないように!
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レスリー、恋し

2009-02-14 21:05:19 | 映画
チェン・カイコー監督の「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)は、私にとって格別の思い入れのある作品です。まず、レスリー・チャンの主演作であること。香港映画ですでにファンだった私は、レスリーの筆舌に尽くし難い魅力にクラクラでした。

そして、京劇の素晴らしさを再認識したこと。それまで映画などで知ってはいたものの、京劇の世界の厳しさ、凄さ、華麗さを思い知りました。本物が見たくて、北京にも行きました。もちろん、東京でも京劇の舞台を見に行きましたっけ。

そして、レスリーの自殺(2003年4月1日)…46歳でした。もし、今生きていたら、この役もぜひやって欲しかった…。レスリーの美しさは、あの日のまま止まっています。「花の生涯ー梅蘭芳」(08)は、「PROMISE」(05)以来、久々のチェン・カイコー脚本・監督作です。

梅蘭芳<メイ・ランファン>は、1894年10月22日北京生まれ(1961年8月8日没)。京劇の女形として有名な俳優。天賦の才能に恵まれ、京劇を芸術として高めて行きました。それまでの型にはまった伝統的な京劇を近代化。海外公演を初めて行ない、日本にも3度来日。

祖父の代から続く北京の京劇の名門に生まれた蘭芳は、早くに両親と死別。父親代わりとして慕っていた伯父、梅雨田<メイ・ユィティエン>とも少年時代に死別してしまいます。10年後。時代は清朝崩壊後の中華民国。青年、梅蘭芳(ユィ・シャオチュン)は女形スターとして多忙な毎日を送っていました。

この頃、海外で学んだ邱如白<チウ・ルーパイ>(スン・ホンレイ)と出会い、古い決まり事にとらわれず生身の人間を演ずるべきと教えられます。数年後、円熟期を迎えた蘭芳(レオン・ライ)は、アメリカ公演を企画していました。

こうして物語は、梅蘭芳の華麗で壮絶なる京劇女形スターの人生を描いていきます。舞台での華やかな蘭芳とは違い、知られざる実際の人生とは?京劇界の男形女優、孟小冬<モン・シァオトン>にチャン・ツィイー、妻の福芝芳<フー・チーファン>にチェン・ホンなどが共演。

レスリーが演じた『覇王別姫』も梅蘭芳が創作・上演した演目でした。私も梅蘭芳という名前だけは、よ~く知っていました。チェン・カイコー監督の描く、伝説の女形スター“梅蘭芳”の花の生涯。絶対見ます!
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疑惑の真相

2009-02-13 21:45:17 | 映画
トム・ハンクスとメグ・ライアン共演の未公開作「ジョー、満月の島へ行く」(90未)は、脚本を担当したジョン・パトリック・シャンリィの初監督作品でした。そう言えば、レンタルで見ましたっけ。彼はもともと劇作家。

映画の脚本には、「月の輝く夜に」(87)「乙女座殺人事件」(89)「生きてこそ」(93)「コンゴ」(95)などの他、アニメ「恐竜大行進」(94)があります。うむ。そのシャンリィが2005年のトニー賞とピュリッツァー賞をダブル受賞した戯曲『ダウト 疑いをめぐる寓話』を、自ら映画化。

それが、「ダウト ~あるカトリック学校で~」(08)です。“ダウト”とは疑惑のこと。1964年NYブロンクスにある、カトリック系教会学校。校長は、厳格なシスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)。しかし、時代は63年のケネディ大統領暗殺、黒人の公民権運動の高まりなど大きく変わろうとしていたのです。

教会にも変革の波が押し寄せようとしている最中、シスター・アロイシアスは新人教師のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)から、ある報告を受けます。進歩的で生徒からの信頼も厚いフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、学校でただ1人の黒人生徒と関係に不信を抱き、相談したのです。

シスター・アロイシアスは、神父と男子生徒ドナルド・ミラーとの間に“不適切な関係”にあるのではと疑いを持ちます。校長室でフリン神父は、きっぱりと否定します。その証明に納得するシスター・ジェイムズ。反対にますます神父への疑惑を深めて行く、シスター・アロイシアス。

さすがに舞台劇だけあって、見どころは校長と神父の言葉の応酬。ストリープとホフマンは、共にアカデミー賞俳優。今年のアカデミーにも、主演女優賞(ストリープ)、助演男優賞(ホフマン)、助演女優賞(アダムス、ヴィオラ・デイヴィス:ミラー夫人)、脚色賞(シャンリィ)にノミネート。

「マンマ・ミーア」(08)で、ミュージカル女優としても素晴らしい歌と踊りを披露した、メリル・ストリープ。彼女にできないことはもうないです。ドナのような明るさも華やかさも一切ない、このドラマこそ本領発揮!怖いくらい…。

撮影は「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(08)のロジャー・ディーキンス。衣装デザインは、アン・ロス。音楽は、ハワード・ショア。待ちきれません!
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