本物のメリー・ポピンズ

１９６５年１２月１０日公開だった「メリー・ポピンズ」（６４）。うむ、そうでしたか…。お正月映画だったんですね。もちろん、いつ見たかなんて全然覚えていませんが、見ました。

「うっかり博士の大発明／フラバァ」（６１）「難破船」（６３）「シャム猫ＦＢＩ／ニャンタッチャブル」（６５）「黒ひげ大旋風」（６７）「ラブ・バッグ」（６９）など、ディズニー映画の監督…

ロバート・スティーヴンソン監督作でした。製作はもちろん、ウォルト・ディズニー。物語は…１９１０年のロンドン。バンクス家にやって来たナニー（家庭教師）のメリー・ポピンズ。

ジェーンとマイケルの２人の子供たちと、ポピンズの不思議な日々。周りを巻き込んで、みんなが幸せに。やがて子供たちが成長すると、ポピンズは次の子供たちの元へ…。

ロバート・Ｂ・シャーマンとリチャード・Ｍ・シャーマン兄弟による、“チム・チム・チェリー”や“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス” “お砂糖ひとさじで” “２ペンスを鳩に”

などなど、本当に楽しい楽曲がいっぱいのミュージカルです。まさか未見では？ないですよね。また見たくなっちゃいます。この「メリー・ポピンズ」は、どうやって誕生したのでしょう？

ジョン・リー・ハンコック監督「ウォルト・ディズニーの約束」（１３）が、公開されます。“メリー・ポピンズ”の原作者は、Ｐ・Ｌ・トラヴァース。イギリスの児童文学作家パメラ・トラバースの代表作。

ウォルト・ディズニー（トム・ハンクス）は“メリー・ポピンズ”を映画化しようとするのですが、原作者トラヴァース（エマ・トンプソン）は拒否。彼女はハリウッドに招かれるのですが…

製作者が、提案する脚本アイデアをことごとく否定しまくるのです。いったいなぜそんなに、頑なに“メリー・ポピンズ”を守ろうとするのか？そして“ウォルト・ディズニーの約束”とは？

共演はポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットフォード、コリン・ファレル、ルース・ウィルソン。ジュリー・アンドリュース役は、ヴィクトリア・サマー。必見！

青い髪のエマへ

カンヌ国際映画祭は、映画ファンには注目の的。最高賞は“パルムドール”。始めは“グランプリ”と呼んでいましたが、１９５５年“パルムドール”に変更。名前の由来は賞のトロフィーから。

フランスの芸術家ジャン・コクトーがデザインした、黄金のシュロがそれ。アカデミー賞のオスカー像、ベルリン国際映画祭の金熊賞、ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞…などが有名。

近年のパルムドールを見てみると、ケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」（０６）、ミヒャエル・ハネケ監督「白いリボン」（０９）、テレンス・マリック監督「ツリー・オブ・ライフ」（１１）

ミヒャエル・ハネケ監督「愛、アムール」（１２）など。うむ。昨年第６６回開催で、見事パルムドールに輝いたのは、アブデラティフ・ケシシュ脚本、監督「アデル、ブルーは熱い色」（１３）です。

監督のアブデラティフ・ケシシュは、１９６０年１２月７日チュニジア出身。６歳でフランスのニースに移住し国立演劇学校で学び、舞台俳優として活躍。演出も手がけたそうです。

上級生トマ（ジェレミー・ラウールト）とのデートに出かける、高校生のアデル（アデル・エグザルホプロス）。信号待ちをしていると彼女の前に、髪を青く染めた女性が通りかかります。

それがエマ（レア・セドゥ）でした。その瞬間、何かを感じ取ったアデル。何もかも嫌になったアデルは、翌日トマと別れ、友人に誘われ夜の街へ。１人で入ったバーに、青い髪の女性が…。

エマは美学生で、不思議な魅力にあふれた彼女にアデルは惹かれていきます。やがて２人の間の友情は、愛情へと発展。数年後、教師になったアデル。そして画家になったエマ。

２人は一緒に暮らしていました。果たして、アデルとエマの未来は？エマを演じるレア・セドゥは、ブノワ・ジャコー監督「マリー・アントワネットに別れをつげて」（１２）に主演。

朗読係シドニー役ですね。他にジェシカ・ハウスナー監督「ルルドの泉で」（０９）、ブラッド・バード監督「ミッション：インポッシブル／ゴースト・プロトコル」（１１）など。気になります。

家族って大変！

ＴＶシリーズのプロデューサー（製作、製作総指揮）として活躍する、ジョン・ウェルズ。「ＥＲ １～１５」（０４～０９）、「ザ・ホワイトハウス １～７」（０２～０７）、「サード・ウォッチ １～６」（９９～０５）

「サウスランド １～５」（０９～１３）、「シェイムレス 俺たちに恥はない １～３」（１１～１３）など。映画の方では、「ピースメーカー」（９７）「ストーカー」（０２）「エデンより彼方に」（０２）

「バレエ・カンパニー」（０３）「アイム・ノット・ゼア」（０７）「美しすぎる母」（０７）「いとしい人」（０７）「カンパニー・メン」（１０）などがあります。うむ、道理で名前を知っていました。

「ＥＲ」のエピソードで監督を務め、「カンパニー・メン」で映画初監督。最新作も素晴らしいです。それが「８月の家族たち」（１３）です。なんたって、出演者がすごいんです！

母バイオレット・ウェストンをメリル・ストリープ、父べバリーをサム・シェパード、長女バーバラをジュリア・ロバーツ、次女アイビーをジュリアン・ニコルソン、三女カレンをジュリエット・ルイス

バイオレットの姉マティ・エイケンをマーゴ・マーティンデイル、その夫チャールズをクリス・クーパー、２人の息子リトル・チャールズをベネディクト・カンバーバッチ、バーバラの夫ビル・フォーダムを…

ユアン・マクレガー、１人娘ジーンをアビゲイル・ブレスリン、カレンの婚約者スティーヴ・ハイデブレクトをダーモット・マローニー、ウェストン家の家政婦ジョナ・モンヴァータをミスティ・アッパム。

８月のある真夏日、突然父親の失踪を知らされ３姉妹はオクラホマの実家に帰って来ます。母ヴァイオレットは重い病を患っているのですが誰よりも気が強く、いつでも真実を言う毒舌家。

そんな母を中心に姉妹、夫、婚約者、子供、叔父、叔母たちが本音でぶつかり合います。原作は、劇団ステッペンウルフ・シアター・カンパニーのアンサンブル・メンバーのトレイシー・レッツの戯曲。

製作には、ジョージ・クルーニーの名前も。このところ、ベネの名前をよく見ます。うれしい。「スター・トレック イントゥ・ダークネス」（１３）のおかげ。本当は「ＳＨＥＲＬＯＣＫ」ですけど。

曹操暗殺計画の行方

ジョン・ウー監督の歴史スペクタクル巨編「レッドクリフ」。当初、５時間を超えてしまい「レッドクリフＰＡＲＴ１」（０８）と「レッドクリフ ＰＡＲＴ２ 未来への最終決戦」（０９）の２部作で公開。

中国の羅貫中（らかんちゅう）作『三国志演義』前半のクライマックスシーン、赤壁の戦いを描いた作品でした。この作品を見た方はご存じだと思いますが、主要な登場人物は…

周瑜（しゅうゆ）／トニー・レオン、 孔明（こうめい）／金城武、曹操（そうそう）／チャン・フォンイー、孫権（そんけん）／チャン・チェン、趙雲／フー・ジュン、劉備（りゅうび）／ユウ・ヨン

関羽（かんう）／バーサンジャプ、張飛（ちょうひ）／ザン・ジンシェン、甘興（かんこう）／中村獅童など。思い出しました？この作品で、主役は周瑜と孔明。そして敵役は、曹操。

『三国志演義』で悪役のイメージが定着した曹操ですが、１９５０年代以降（毛沢東などにより）再評価が進んでいるそうです。優れた政治家、兵法家、将軍。文人・詩人としても再評価。

その曹操の暗殺計画を描いた作品が、チャオ・リンシャン監督「曹操暗殺 三国志外伝」（１２）です。赤壁の戦いから８年後。劉備、関羽を破り、魏（ぎ）を治める王として君臨。

壮麗な宮殿“銅雀台（どうじゃくだい）”を造営し、専断政治を行う曹操（チョウ・ユンファ）。彼を快く思わない後漢の献帝（アレック・スー）は、同じ考えの大臣たちと曹操暗殺を企てます。

一方、関中、馬超・韓遂の騎馬隊に連れ去られた子供たちは、刺客となるべく訓練を受けていました。その中から選ばれたのが、穆順（ぼくじゅん／玉木宏）と霊雎（リウ・イーフェイ）の２人。

穆順は宦官として、霊雎は美貌を武器に曹操に近づきます。果たして？主演のチョウ・ユンファ、大ファンです。香港時代の映画は、素晴らしかったなぁ～。ジョン・ウー監督、ツイ・ハーク監督…

リンゴ・ラム監督、アン・リー監督、チャン・イーモウ監督などさすが“亜州影帝”（アジア映画の帝王）。ハリウッド進出後も、中国、香港映画で活躍。現在、５４歳の大御所。貫録です。

エルサとアナの物語

デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン（１８０５年４月２日～１８７５年８月４日）の代表作のひとつ、『雪の女王』。あらすじは…少年カイと少女ゲルダはとても仲良し。

しかし、悪魔の作った鏡のかけらがカイの眼と心臓に刺さり、彼の性格は一変。ある雪の日、カイが１人でソリ遊びをしていると雪の女王が現れ、カイは連れ去られてしまいます。

春になりカイを探す旅に出たゲルダは、山賊に襲われるのですがその娘に救われ、カイが北の方にいると知ります。トナカイの背に乗って、とうとう雪の女王の宮殿に辿り着きます。

カイを見つけた喜びの涙は、カイの心に刺さったかけらを溶かしたのです。そして２人は故郷に戻るのでした。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ５３作目の最新作は…

クリス・バック＆ジェニファー・リー監督「アナと雪の女王」（１３）。クリス・バック監督作品には、「ターザン」（９９）と「サーフズ・アップ」（０７）があります。リーは「シュガー・ラッシュ」（１２）の脚本家。

アレンデール王国の王女エルサ（声：イディナ・メンゼル）は８歳。触れた物を凍らせたり雪を降らせる禁断の力を持って生まれました。５歳の妹アナ（クリステン・ベル）とは、とっても仲良し。

ところがある事件をきっかけに、エルサは魔法の力を世に知られぬよう、城中の窓や戸を閉めて部屋に閉じこもります。やがて美しく成長したエルサは、新女王として戴冠式を迎えるのですが…

しかし、力を制御できずに真夏の王国を冬に変えてしまうのです！城を飛び出したエルサは、初めて思うままに力を使い、冬の王国を作ります。そして雪の女王となったのです。

アナはエルサと王国を救うため、山男のクリストフ（ジョナサン・グロフ）、相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま”オラフ（ジョシュ・ギャッド）と雪山の奥深くへ。

オリジナルとはだいぶ内容が違い、ストーリーがとってもドラマチック！ディズニー創立９０周年記念作品の本作は、アカデミー賞歌曲賞『Ｌｅｔ Ｉｔ Ｇｏ』と長編アニメ賞にノミネート。はい。

微笑捜査線って？

香港や中国映画のタイトルには、やたら“ドラゴン”が付きます。原題のことも、邦題のこともありますが…。ブルース・リー作品には「ドラゴン危機一発」（７１）、「ドラゴン怒りの鉄拳」（７１）

「最後のブルース・リー／ドラゴンへの道」（７２）、「燃えよドラゴン」（７３）など。ジャッキー・チェン作品には「ドラゴン・ファイター」（７３未）、「レッド・ドラゴン」（７６未）、「ファイナルドラゴン」（７６未）

「ドランク・モンキー／酔拳」（７８）、「ドラゴンロード」（８２）、「ドラゴン特攻隊」（８２）、「ツイン・ドラゴン」（８２）、「ドラゴンヒート」（９９未）、「失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン」（０３）

「ドラゴン・キングダム」（０８）、「ライジング・ドラゴン」（１２）など。そしてジェット・リー作品には「ドラゴンファイト」（８９未）、「キス・オブ・ザ・ドラゴン」（０１）、「ドラゴン・キングダム」（０８）

「ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝」（１１）など。ちょっと調べてもこれだけあるんですね～。ドラゴン、中国で言う“竜”には、鳳（ほう）、亀（き）、麟（りん）と共に四瑞（しずい）として尊ばれるそう。

なるほど。ドラゴンは、ヨーロッパでは架空の動物で翼と爪と蛇の尾をもつ爬虫類。口から火を吐く邪悪の象徴。まっ、中国とは意味合いが違うのですね。中国では、神獣、霊獣ですから。

ジェット・リーがサイモン・ウェスト監督「エクスペンダブルズ２」（１２）に続いて、香港映画に主演。ワン・ジーミン監督「ドラゴン・コップス 微笑捜査線」（１３）が公開です。

人口７００万人を超える大都市、香港。市民を震撼させるセレブ連続殺人事件が発生！被害者は、全員微笑を浮かべて死亡していたのです。香港警察は全市に“微笑捜査線”を発令。

担当を命じられたのは、ベテラン刑事ホアン・フェイホン（ジェット・リー）と新米刑事ワン・プーアル（ウェン・ジャン）の２人。しかし、定年間近のホアンはやる気ゼロ。一方のワンは？

そそっかしくて女好き。猪突猛進型で頻繁にトラブルを引き起こすありさま。果たしてこの２人、大丈夫？そう言えば「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」（８５）、大好きです。関係ないけど。

英国人将校と日本人通訳

日本を代表するハリウッドスター。最近の真田広之さんは、素晴らしい活躍ぶり。エドワード・ズウィック監督「ラスト サムライ」（０３）、チェン・カイコー監督「ＰＲＯＭＩＳＥ プロミス」（０５）

ジェームズ・アイヴォリー監督「上海の伯爵夫人」（０５）と「最終目的地」（０９）、ダニー・ボイル監督「サンシャイン２０５７」（０７）、ブレット・ラトナー監督「ラッシュアワー３」（０７）

ウォシャウスキー兄弟「スピード・レーサー」（０８）、ジェームズ・マンゴールド監督「ウルヴァリン：ＳＡＭＵＲＡＩ」（１３）、カール・リンシュ監督「４７ＲＯＮＩＮ」（１３）の他にＴＶシリーズも。

Ｊ・Ｊ・エイブラムスの「ＬＯＳＴ」ファイナルシーズン／シーズン６（１０）、マイク・ケリーの「リベンジ」シーズン１（１１～１２）に出演。色々なジャンルの作品で活躍。もちろん、アクションも。

最新作は、ジョナサン・テプリツキー監督「レイルウェイ 運命の旅路」（１３）です。主人公が、第２次世界大戦時に体験した自伝が原作で、エスクァイア誌ノンフィクション大賞を受賞。

鉄道好きなエリック・ローマクス（コリン・ファース）は、列車の中でパトリシア（ニコール・キッドマン）と出会い、ひと目で恋に落ちます。やがて２人は愛し合い、結婚します。

幸せな日々は長くは続かず、エリックは大戦中に体験した過酷な記憶に苦しんでいました。日本軍の捕虜となり、タイからビルマへの鉄道建設現場で残忍な扱いを受けていたのです。

夫を救いたい…パトリシアは退役軍人会のフィンレイ（ステラン・スカルスガルド）を訪ねるのですが…。彼もまた過去のトラウマに苦しんでしました。そんな時、ある新聞記事を見ます。

日本人通訳だった永瀬隆（真田広之）が生きている！過去と決別するため、パトリシアと暮らすため、タイで暮らす永瀬に会いに出かけるのでした…。映画では、エリック、フィンレイ、永瀬の…

若き日をそれぞれジェレミー・アーヴァイン、サム・リード、石田淡朗が演じます。デヴィッド・リーン監督「戦場にかける橋」（５７）も同じテーマ。思い出します。見ましょう。

レトロ・ビューティなホラー映画

ダリオ・アルジェントは、１９４３年９月７日イタリアのローマ出身。過去の人ではありません、現在もバリバリ活躍する映画監督です。ただ最近はちょぅと作品がなくて、お久しぶりかも。

でもでも、ダリオ・アルジェントは独自のホラー作品のスタイルを持っています。特に鮮やかな色彩やショッキングな描写は格別。数多くの作品の脚本を書き、「歓びの毒牙」（６９）で初監督。

ジェシカ・ハーパー主演「サスペリア」（７７）は、衝撃的でした。ウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」（７３）、リチャード・ドナー監督「オーメン」（７６）など、ホラー映画が大人気の頃。

しかし、イタリアン・ホラーは一味違いました。怖かった…。それは原色の赤に惑わされたのでしょう。怖かった…。その後、「インフェルノ」（８０）「フェノミナ」（８４）「デモンズ」（８５）

「オペラ座／血の喝采」（８８）など多数監督、脚本、製作、出演作があります。近作は「ジャーロ」（０９）でしたね。久々に監督の名前を聞きました。「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」（１２）です！

今まで何度も映画化してされている、ブラム・ストーカー原作の『ドラキュラ』。ストーリーを書くのも躊躇われるほどですが、原作通りではなく時代や場所や登場人物をアレンジするものも。

しかし、本作は原作に忠実に映画化。素晴らしい！主役のドラキュラ伯爵に、「戦場のピアニスト」（０２）「ワルキューレ」（０８）などのトーマス・クレッチマン。ドイツ人ですね。

ルーシー役は、監督の娘でもあるアーシア・アルジェント。「サラ、いつわりの祈り」（０４）では監督、主演。ミナ・ハーカ―役は、マルタ・ガスティーニ。ミカエル・ハフストローム監督…

「ザ・ライト エクソシストの真実」（１１）に出演。夫のジョナサン・ハーカ―は、ウナクス・ウガルデ。「コレラの時代の愛」（０７）や、「チェ ２８歳の革命」（０８）などに出演。

ドラキュラの宿敵ヴァン・ヘルシングを、 ルトガー・ハウアーが演じます。レフ・マイェフスキ監督「ブリューゲルの動く絵」（１１）以来。しかし、レイトショーは残念。見たいなぁ～。

ベレニス・ベジョのミステリー

白黒、サイレント映画として公開され、アカデミー賞５部門を受賞した「アーティスト」（１１）。もちろん、ご覧になりましたよね。作品賞、主演男優賞、監督賞、作曲賞、衣装デザイン賞受賞。

その他、助演女優賞、脚本賞、撮影賞、美術賞、編集賞にノミネート。本当に超～話題になりました。なぜって、１９２７年から１９３２年までのハリウッドを舞台にした、フランス映画なんですね～。

しかもカラーで撮影し、後から白黒になりました。監督、脚本、編集は、ミシェル・アザナヴィシウス。主演は、ジャン・デュジャルダン。この作品でヒロインを務めたのが、ベレニス・ベジョ。

彼女は、監督のアザナヴィシウス夫人。フランス人かと思いきや、１９７６年７月７日アルゼンチンのブエノスアイレス出身。３歳の時に国内弾圧を逃れフランスへ移住したとか。フランス人です。

シャンタル・アケルマン監督「囚われの女」（００）でデビューし、ブライアン・ヘルゲランド監督「ＲＯＣＫ ＹＯＵ！」（０１）、ローラン・ブニーク監督「ブラウン夫人のひめごと」（０２）などに出演。

「ＯＳＳ １７ 私を愛したカフェオーレ」（００未）で、監督と初めて組んでいます。近作はレジス・ロワンサル監督「タイピスト」（１２）でした。フランスのコメディアンヌとしても活躍。

ベレニス・ベジョの最新作は、ミステリー・ドラマ。「ある過去の行方」（１３）です。脚本、監督は「彼女が消えた浜辺」（０９）「別離」（１１）のアスガー・ファルハディ。

シングルマザーのマリー＝アンヌ（ベレニス・ベジョ）は夫と別れて４年。テヘランで暮らす元夫アーマド（アリ・モッサファ）は、正式な離婚手続きのためパリに戻って来ます。

マリー＝アンヌは、新しい恋人サミール（タハール・ラヒム）と彼の息子、娘たちと新生活を始めていました。そして長女リュシー（ポリーヌ・ビュルレ）が、アーマドに告げた衝撃的な告白。

それをきっかけに、マリー＝アンヌとサミールが背負う過去と数々の真実が浮かび上がるのでした。ベレニス・ベジョは、本作でカンヌ国際映画祭主演女優賞受賞！気になります。

２００９年元旦の出来事

ロバート・レッドフォードが、１９７８年からユタ州で主宰するサンダンス映画祭。昨年、２０１３年グランプリ（審査員大賞）と観客賞をＷ受賞したのが、「フルートベール駅で」（１３）です。

製作は、リー・ダニエルズ監督「大統領の執事の涙」（１３）で主演を務める、フォレスト・ウィテカー。監督は、１９８６年５月２３日カリフォルニア州出身のライアン・クーグラー。

長編初監督で、脚本も書いています。本作で、ＮＹ批評家協会賞新人監督賞を受賞。その他、数々の映画祭で賞を受賞した本作は、２００９年１月１日未明に起きた事件の実話。

サンフランシスコ、ベイエリアに住む２２歳のオスカー・グラント（マイケル・Ｂ・ジョーダン）。恋人のソフィーナ（メロニー・ディアス）と、彼女との間に生まれた娘のタチアナがいます。

前科はあるけど、心優しい青年オスカー。２００８年１２月３１日の朝、いつものように目覚めます。彼はタチアナを保育園へ連れて行き、ソフィーナを仕事場へ送り届けます。

その日は、母親ワンダ（オクタヴィア・スペンサー）の誕生日。電話で『おめでとう』と伝え、自分も新年を迎えるにあたり、前向きに人生をやり直すと誓うのでした。

その夜、家族や親戚一同が揃って母ワンダの誕生日を祝う会が開かれます。そしてサンフランシスコへ新年の花火を見に行こうと、娘をソフィーナの姉に預け、出かけるオスカーたち。。

仲間たちと新年を迎え、帰りの電車でのこと。車内でケンカを売られ、仲間たちも巻き込み乱闘に…。警察によって、フルートベール駅のホームに引きずり出されてしまいます。

鉄道警察の白人警官に、射殺された黒人青年。いったいどうして？オスカーを演じるジョーダンは、ブライアン・ロビンス監督「陽だまりのグラウンド」（０１）で、映画デビュー。

前作は、ジョシュ・トランク監督「クロニクル」（１２）。スペンサーは、「ヘルプ」（１１）でアカデミー賞助演女優賞を受賞し、ポン・ジュノ監督「スノーピアサー」（１３）に出演。ねっ？