曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

私たちにとって本当の幸せとは何なのだろう

2018年11月11日 09時58分02秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                        「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2018/11/10

   私たちにとって本当の幸せとは何なのだろう

               第2185号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2018111020112149702
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グローバリズムに対するアレルギー反応として、なぜナショナリズムが沸騰す
るのか。

その理由は「ヒトの移動」にある。

2016年6月の英国国民投票。

英国民はEUから離脱する道を選んだ。

理由は移民の大量流入にあった。

グローバリズムを推進しているのは、国境を越えて活動を拡大する巨大資本=
ハゲタカ資本である。

ハゲタカ資本は世界経済を支配下に置こうとしている。

経済を支配することは人間を支配することにつながる。

ヒトが生きてゆくために必要不可欠なものがある。

食料とエネルギーが基本だ。

食料のなかには水も含まれる。

そして、鉱物資源、兵器、金融。

ハゲタカ資本が支配しているのがこの五つである。

食料、エネルギー、鉱物資源、兵器、金融だ。

資本が利益を極大化するために必要な方策は、労働コストの最小化である。

このなかで、人間にとって必要不可欠でないものが兵器である。

兵器と戦争は人為的に創作されている。



ハゲタカ資本が利益を極大化させるために追求していることが労働コストの最
小化である。

製造業の場合は、生産物を輸送できるから、グローバルに最小コストで生産を
行える立地が選択される。

その生産地の労働力を利用して財を生産し、これを世界市場で販売する。

労働からの搾取が資本の利益の源泉になる。

サービス産業の場合、生産物を輸送することができない。

そこで何をするか。

生産者を輸送するのである。

労働賃金の低い地域から労働力を移動させる。

きつくて、汚く、危険な仕事は、本来、極めて高いコストを払わなければ得る
ことの出来ない労働であるが、この労働を労働賃金の低い地域の労働力に担わ
せる。

資本は労働から搾取することによって利潤を得る。

ヒトの移動を促すために、兵器と戦争が用いられている。

日本ではヒトの移動を促すために、法律が改変されようとしている。

外から異国民が大量に流入してくれば摩擦が発生する。

これが「ナショナリズム」に火を灯けるのだ。



グローバリズムがヒトの移動、ヒトの輸出入を拡大するから、ナショナリズム
の反応が拡大する。

このグローバリズムか、それともナショナリズムか、という二項対立の構図自
体を疑う必要がある。

そもそもヒトの移動を推進するグローバリズムではない地球のあり方を考える
必要がある。

それが「ローカリズム」なのだ。

11月11日日曜日、東京白金台にある明治学院キャンパスで、

「しあわせの経済」フォーラム2018

が開催される。

http://economics-of-happiness-japan.org/#about

「ローカリゼーション」とは、孤立することでもなければ、一つしか答えのな
い方程式でもありません。世界中の地域とつながりを持ちながら、柔軟に形を
変えていくプロセスです。人、地域、自然のつながりを再生させることによっ
て、私たちが見失ってきた「生きる目的」と「安心して暮らせる未来」を再発
見することができるのです。

去年の11月、世界中から1,500人以上の仲間が東京につどい、人間と生態系の
健康的で豊かな関係性を探求する「しあわせの経済」について学びを深め、お
互いの活動をたたえあいました。そして1年がたち、新たなつどいが開かれま
す。さらなる学びと、私たちのつながりをより強くするためのこの試みに、あ
なたにも参加してほしいとお誘いしています。

国を超えた地域同士のつながりを強め、世界の幸せな「ローカル・フュー
チャー」へ向けた大きな一歩をしるすため、ぜひ今年も東京でお会いしましょ
う。

チケットは一般当日2000円、学生当日1000円

https://eoh2018.peatix.com/

巨大資本がすべてを支配する現代社会のなかで、このシステム全体を根本から
見つめ直して、新しいライフスタイルを取り戻す試みが世界の各地で広がりを
見せ始めている。

こうした運動に、とりわけ若い人々が強い関心を寄せている。

私たちの幸せとは何かを見つめる集いにぜひ足を運んでみていただきたい。



何度も紹介して恐縮だが、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんのグローバリズム
についての指摘をかみしめたい。

「多国籍企業は、すべての障害物を取り除いて、ビジネスを巨大化させていく
ために、それぞれの国の政府に向かって、ああしろ、こうしろと命令する。

選挙の投票によって私達が物事を決めているかのように見えるけれども、実際
にはその選ばれた代表たちが大きなお金と利権によって動かされ、コントロー
ルされている。

しかも、多国籍企業という大帝国は、新聞やテレビなどのメディアと、科学や
学問といった知の大元を握って、私達を洗脳している。」

(鈴木宣弘氏による『自由貿易下における農業農村の再生』所収論文での記述
より引用。元の出典は『いよいよローカルの時代~ヘレナさんの「幸せの経済
学」』、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ、辻信一、大槻書店、2009年)



日本の安倍政治をよく知る必要がある。

安倍政治が推進していることは、アーミテージ・ナイレポートに書かれたこと
である。

私たちが、私たちのために何が必要か、日本の主権者の幸福のために何をする
べきか、を基本に政治が行われているのではない。

米国を支配し、そして、日本を支配する巨大資本。

この巨大資本の命令によって日本政治が動かされている。

そして、その結果として、日本の主権者、私たちの暮らしは確実に悪い方向に
向かっているのだ。

この事実を私たちはしっかりと見つめる必要がある。



「幸せの経済」フォーラムを開催されてきた人々は、現代社会の現実を踏まえ
て、これとは異なる新しいライフスタイルを提唱してきている。

この提案に多くの人々が共感し、運動に参画するようになってきた。

しかしながら、現代社会そのものを変革するためには、どうしても「政治過
程」を乗り越える必要がある。

「政治に無関心で入られても、政治に無関係ではいられない」からだ。

安倍内閣は選挙での公約を踏みにじってTPPに突き進んだ。

そのTPPが私たちの幸福を増大させるものなら歓迎だが、そうではない。

TPPは全面的に、巨大資本の利潤極大化のために推進されている。AC

地産地消の農業が崩壊し、大資本が支配する農業が日本を覆うことになる。

従来の漁業が破壊されて、大資本が支配する漁業が日本を覆うことになる。



私たちにとって何よりも大事な食の安全が破壊され食料自給率がさらに低下
し、危険な農薬と遺伝子組み替えが覆い尽くす食料環境が強制されることにな
る。

労働者の処遇と身分の安定性を悪化させる労働政策が強行推進されているの
も、すべての政策が巨大資本の利潤最大化を基軸に組み立てられているからな
のだ。

この現実を踏まえたとき、私たちのライフスタイル転換にとって、最大の障害
になるのが現在の政治状況なのである。

「私たちにとって本当の意味での幸せとは何か」を考える運動は、必然的に、
政治の現実を変革しようとする運動と、つながらざるを得ない。

本年3月31日の「TPPプラスを許さない!全国共同行動」主催のシンポジ
ウム

「グローバリズムは私たちを幸せにするか!?」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-9fcc.html

で、これまでの運動で連帯してきた山田正彦元農林水産大臣、鈴木宣弘東大教
授、そして、「TPPプラスを許さない!全国共同行動」や「オールジャパン
平和と共生」などと、辻信一氏やヘレナ・ノーバーグ・ホッジ氏などが牽引し
てきた「幸せの経済」運動が出会う機会を得た。

同じ問題意識を持ちながらも、異なるベクトルの上を歩んできた二つの運動体
が相互発見する機会を得たのである。

この意味での新しい広がりが重要な意味を持つと思う。

イタリアでは、ローカリズムを掲げ、市民による政治変革を提唱した「五つ星
運動」が運動創設から9年で、イタリア政治に大きな旋風を引き起こした。

この風を日本でも巻き起こすことが求められている。

その端緒にもなるイベントが「幸せの経済フォーラム2018」であると感じている。



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