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辺野古の埋め立て是非を県民が直接判断する

2019年02月24日 12時48分36秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                          「植草一秀の『知られざる真実』」

                                   2019/02/23

           辺野古の埋め立て是非を県民が直接判断する

               第2267号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019022320595452326
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沖縄県で明日2月24日に県民投票が行われる。

辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票である。

沖縄で県民投票が行われるのは2度目である。

1996年9月8日に、「日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小に関する
県民投票」が実施された。

1995年9月4日に沖縄米兵少女暴行事件が起こり、沖縄の県民が沖縄への
基地集中と日米地位協定の不当性を問うために県民投票の実施を求めた。

投票率は59.53%。

投票総数の89%が基地縮小および地位協定見直しに賛成した。

今回の県民投票では、全県での住民投票が行われるために、二択から三択に投
票対象が変わった。

辺野古埋め立てに「賛成」、「反対」以外に、「どちらでもない」が選択肢に
加えられた。

安倍内閣の菅義偉官房長官は、県民投票の結果にかかわらず、普天間の危険性
を除去するために辺野古基地建設を進める考えを示している。

「沖縄のことは沖縄が決める」

という地方自治の本旨が完全に踏みにじられている。

沖縄県は辺野古米軍基地建設について、

埋め立て工事にかかる工費は2兆5500億円に膨らみ、

工期については今後13年を要する

との見通しを示した。

費用は当初計画の10倍に膨れ上がることになる。



「普天間の危険性の除去」

と言いながら、辺野古が完成して基地移転が行われるのは、工事が順調に進ん
でも、あと13年もかかるということなのだ。

「一刻も早く普天間の危険性を除去する必要がある」の説明と完全に矛盾して
いるのだ。

普天間が危険であるなら、普天間の閉鎖を単独で早期に実施すればいいだけの
こと。

米軍再編で在沖海兵隊の規模は一気に縮小しているのであって、普天間の閉鎖
を単独で実現する環境は整っている。

美ら海を破壊して辺野古に米軍基地を建設する必要性は存在しない。

沖縄県民は、これまでの県知事選、名護市長選、県議選、市議選、そして国政
選挙等を通じて、

「辺野古に基地を造らせない」

という県民の意思を表明し続けてきた。

それにもかかわらず、安倍内閣は辺野古米軍基地建設を強引に推し進めてき
た。

民主主義そのものが安倍内閣によって破壊されているのである。

ただし、沖縄県民が選挙を通じて「辺野古に基地を造らせない」との意思を示
してきたのは事実だが、選挙が「辺野古に基地を造らせない」の是非だけを問
うものではなかったことも事実である。

その意味では、今回、初めて、この問題だけを直接県民に問う機会が創出され
たと言える。



元山仁士郎さんなどの努力の積み重ねで、県民が意思を表明できる貴重な機会
が提供されることになった。

県民投票で辺野古米軍基地建設反対の民意が明示されることを恐れた安倍内閣
は、安倍内閣与党勢力による県民投票妨害工作を展開してきた。

沖縄市、宜野湾市、宮古市、石垣市、うるま市が県民投票の事務執行に協力し
ない方針を示した。

この5市で県民投票が実施されないと、沖縄県の有権者の約3割が投票する機
会を失うことになる。

この事態に元山さんはハンガーストライキを実施して対抗し、そのような努力
の結果として、全県で投票が実施されることになった。

ただし、「賛成」、「反対」の二者択一ではなく、これに「どちらでもない」
を加えた三択になった。

他方、県民投票が実施されることになった大きな背景として憲法改正の国民投
票の際に、国民投票の事務執行に協力しない自治体が生じることを、安倍内閣
が恐れたことがあるとの指摘もある。

その安倍内閣与党勢力は県民投票の投票率を引き下げることに注力していると
見られるが、反民主主義行動とのそしりを免れない。

期日前投票の比率が前回県知事選よりも低くなっているが、前回知事選では大
型台風襲来という特殊事情があり、これを踏まえれば、低すぎる数値ではない
と言える。

沖縄の主権者は、ぜひ投票に参加して欲しいと思う。

直接民主主義の重要な手法である県民投票の機会を最大に活かして欲しい。

「沖縄に新たな基地は要らない」というのが圧倒的多数の沖縄県民の意思であ
るだろう。

ぜひ投票に参加して、主権者としての意思を表示して欲しい。



ただし、今回の県民投票は投票の方法に大きな問題がある。

投票用紙には

賛成

反対

どちらでもない

と表記され、それぞれの表記の下に四角欄があり、ここに丸印を書き込むこと
になっている。

ところが、「賛成」、「反対」の意味を取り違える主権者が多数発生すること
が懸念されている。

「辺野古米軍基地建設反対」を求める人々が県民投票の実施を求め、実現させ
た。

このことから、辺野古の埋め立て反対に「賛成」、「反対」と理解して投票し
てしまう人が多数発生するのではないかと懸念されているのだ。

投票用紙に

「辺野古埋め立てに賛成」

「辺野古埋め立てに反対」

「辺野古埋め立てに賛成でも反対でもない」

と表記して丸印をつける方式にするべきだった。



この方式が、投票者の意識を目覚めさせる。

「辺野古埋め立て」の是非について、自分の意思を明示するとの意識が鮮明に
なる。

辺野古埋め立て推進勢力にとっては、沖縄の主権者が

「辺野古埋め立ての是非」

を鮮明に意識して判断することが脅威なのだと思われる。

「賛成」、「反対」、「どちらでもない」とだけ表記しておけば、

「辺野古埋め立て」というリアリティーが投票者の心の中に鮮明に浮かび上が
ることを阻止できる。

こう考えて、このような投票用紙の形状がもたらされたのではないか。



このことは、最高裁裁判官の国民審査についてもあてはまる。

最高裁判所の裁判官は任命された後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票
日に国民審査を受け、この審査の日から10年を経過した後に初めて行われる
衆議院議員総選挙の投票日に更に審査を受ける。

その際の方法は次のものだ。

最高裁判所裁判官国民審査では、審査を受ける裁判官の氏名が投票用紙に印刷
されている。

裁判官ごとに、辞めさせたい意思があれば「×」を記載し、なければ何も記載
せずに投票する。

「×」が記載された票が、何も記載されていない票の票数を超えた場合、その
裁判官は罷免される。

「×」以外の事項を記載した投票は無効になる。

何も記入しないのが、「信任」になってしまう。

本来は、逆の方式をとるべきなのだ。



つまり、

このまま裁判官をやらせるべきだと思う人にだけ丸印をつける方式に変えるべ
きだ。

このときには、

「○」が記載された票が、何も記載されていない票の票数を超えた場合、その
裁判官が裁判官の地位を保てることになる。

丸印が記載された票が、何も記載されていない票の票数を超えない場合は、そ
の裁判官は罷免されることになる。

結果が激変するのではないか。

つまり、投票は投票の方式によって結果に大きな差異が生じる可能性が高いの
だ。

したがって、今回の県民投票では、選択肢に

「辺野古埋め立てに賛成」

「辺野古埋め立てに反対」

「辺野古埋め立てに賛成でも反対でもない」

と明記して、その選択肢から県民が選択して丸印をつける方式を採用するべき
だったと思う。



しかし、いまこの時点で、こう述べても事態は変わらぬから、沖縄県の主権者
には、県民投票は、辺野古埋め立てについての賛否を問うものだということを
再度確認いただきたいと思う。

そして、貴重な直接民主主義の手法が提供された機会だから、すべての有権者
に投票所に足を運んで欲しい。

結果が出れば、その結果を安倍内閣が尊重するべきだとの国民世論を日本全体
で高めるべきだ。

安倍内閣は民主主義の根幹を踏みにじる内閣だが、主権者である私たちが、そ
のような暴走を断じて許さないとの姿勢を鮮明に示すことが大切である。

 

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