曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

STAP細胞問題徹底真相解明が不可欠な理由

2014年06月18日 16時17分12秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

山梨大学の若山照彦教授が6月16日、記者会見を行った。

私は本ブログ、メルマガに若山教授の記者会見により、問題の本質が明らかに
なることを主張し続けてきた。

そして、実際に、若山教授の記者会見で、STAP細胞問題の本質がほぼ明ら
かになった。

すでに理研の外部有識者による改革委員会が6月12日に開いた会見で、委員
はこの問題を、

「世界の3大不正の一つ」

として

「教科書になる」

などと発言していた。

本ブログ、メルマガでも、若山教授が小保方氏から渡された細胞が由来するマ
ウスが、若山教授が提供したマウスとは異なる者であったことが明らかになる
場合には、「犯罪的なねつ造」問題に発展すると指摘してきた。



若山教授は本日の記者会見で次の事実を明らかにした。

小保方晴子氏から「STAP細胞」だとして渡された細胞を第三者機関に解析
を依頼した結果、若山教授の研究室のマウスではなかったことが判明したので
ある。

小保方氏は別の細胞を、若山氏から提供されたマウスの細胞から作製した「S
TAP細胞」だとして、若山教授に渡していたことになる。

NHK報道によれば、

「理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが使っていた研究所内の
冷凍庫から「ES」と書かれたラベルを貼った容器が見つかり、中の細胞を分
析したところ、共同研究者の若山教授の研究室で保存されていたSTAP細胞
を培養したものだとする細胞と遺伝子の特徴が一致したとする分析結果がまと
まっていたことが分かった」

ということである。

「理化学研究所の関係者によりますと、分析結果をまとめたのは、小保方リー
ダーが所属する神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究
者らのグループで、

センター内にある小保方リーダーらが使っていた冷凍庫の中から「ES」と書
かれたラベルを貼った容器が見つかり、中にあった細胞の遺伝子を詳しく分析
した。

その結果、この細胞には15番目の染色体に緑色の光を出す遺伝子が入ってい
る特徴のあることが分かった。

共同研究者の若山照彦山梨大学教授は、小保方リーダーが作製したSTAP細
胞を培養したものだとする細胞を分析した結果、緑色の光を出す遺伝子が、1
5番染色体に組み込まれていたが、

これは、これまで若山教授の研究室で小保方リーダーがSTAP細胞の作製に
使っていたマウスの細胞とは特徴が異なることが分かったと発表した。」



現段階では、誰が真実を語っていて、誰が真実を語っていないかを客観的に証
明することが完了していないため、「立証の成立」までは至っていないが、外
堀と内堀は、ほぼ埋められたと言って過言でないだろう。

「STAP細胞」ではなく「ES細胞」が用いられた疑いが極めて高くなりつ
つある。

利権の外部有識者による改革委員会が、

「世界の3大不正の一つ」

と表現したが、恐るべき不正事案の発覚になる可能性が高まっているのであ
る。

ハフィントンポスト記事

http://goo.gl/nSIYOl

は、研究者の倫理観を研究している信州大学特任教授の市川家国氏の見解とし
て、

「STAP論文問題では様々な不正が同時に行われている点を挙げ、

2002年にアメリカで起こった「超電導研究不正(シェーン事件)」

や、

2005年に韓国で起った「ES細胞捏造(ファン・ウソク事件)」

と並び、三大不正事件の一つであると断言。

「3つの事件のなかでも一番がSTAP細胞論文の問題で、これから教科書的
に扱われることになる」

と述べた」

ことを伝えている。



問題発覚当初は、画像の切り貼りや、他論文からの文章の無断転載などの、形
式的な問題に焦点が当てられた。

これだけでも重大な問題ではあるが、意図的な研究のねつ造とは明らかに一線
を画するものであった。

小保方氏に対する評価についても、擁護派と批判派が分かれるなどの対応が見
られたが、仮に、小保方氏が別の細胞を、STAP細胞だとして若山教授に渡
していたということになると、小保方氏を擁護する余地は完全に消滅する。

それほどまでに、重大な、まさに「犯罪的なねつ造事案」に発展することにな
る。



上記のハフィントンポスト記事では、市川家国氏が、

「これから若い人が論文を発表するときに、『理研』や『JAPAN』と名前がつ
くだけで疑われるとなると、国益に反する」

「教科書になったときに、理研が確実に真実を明らかにしなかったことが、日
本として問題だ」

と述べたことを紹介している。

本ブログ、メルマガで指摘してきたように、若山教授は保存してある細胞の遺
伝子分析を専門家に依頼した段階で、問題の本質を正確に把握していたと考え
られ、理研にもその見解は伝えられていた可能性が高いと思われる。

単なる形式的な論文不正ではなく、研究全体が粉飾されたねつ造研究であると
いう、より悪質な犯罪的ねつ造事案であるとの疑いは、早い段階で存在したと
考えられるのだ。

ところが、これまでの理研の対応を見ると、問題の本質を明らかにしないま
ま、単なる形式的な論文不正問題として、幕引きを図ろうとしたように見えて
ならない。

その隠蔽体質、責任逃れの体質が極めて重大であると言わざるを得ない。

理研は責任をもってすべての真相を明らかにする必要がある。



現段階では、極めて悪質な犯罪的ねつ造事案であるとの疑いが濃厚になってい
るが、そうなった場合に、一つの疑問が浮上する。

それは、小保方氏が問題が拡大した段階で、強気の記者会見を開き、

「STAP細胞はあります」

と断言し、

「200回以上、STAP細胞の作製に成功した」

と明言したこと。

ES細胞の混入が強く疑われる状況が強まるなかで、

「故意でも過失でもES細胞の混入はありえない」

との見解を示していることだ。

若山研究室は小保方氏が渡した細胞を保管しているのであり、仮に不正があっ
たとするなら、その事実が証拠によって確かめられるのである。

不正はないと言い通しても、明確な証拠が明らかにされれば、主張は論拠を失
う。



現段階では、立証が完結したわけではないので、論理的にあり得る可能性を排
除すべきではないが、もし不正があって、小保方氏が現在までのような対応を
示しているのだとすると、その真意は、まさに「謎」ということになり、その
「謎」の解明も新たな課題として浮上することになるだろう。



本ブログ、メルマガでこの問題を考察する大きな理由は、理研に巨大な血税が
注がれていることにある。

また、安倍政権は利権を「特定国立研究開発法人」に指定して、さらに巨額の
血税を注ぎ込む考えを示してきたからでもある。

税金が投入されていない純粋民間の研究機関の問題であるなら、単なるスキャ
ンダル疑惑で済まされる問題であるかも知れない。

しかし、財政が逼迫して、国民に生きてゆくことが困難になるほどの税負担を
強制して財政危機を訴えているときに、「科学技術振興」の美名の下に、国民
の血税を湯水のように注ぎ込むことに強い疑問を感じるのである。

安倍政権は、

理化学研究所



産業技術総合研究所

の二つの機関を、「特定国立研究開発法人」に指定し、ここに巨大な血税を注
ぎ込もうとしているが、その基本方針に大きな誤りがある。



財務省は最重要天下り機関である日本政策投資銀行や国際協力銀行が入居する
オフィスビルを、日本最高水準の豪華オフィスにしてきている。

産業技術総合研究所や理化学研究所なども、まさに豪華絢爛に高級オフィスビ
ルに入居させる。

すべては、官僚機構の天下りと関連している。

地方に行けば、豪華絢爛な建造物の大半は公共施設である。

県庁ビルがなぜ、地域で最高のオフィスビルでなければならないのか。

県庁のオフィスビル、国立の研究機関の建屋は、基本的に質実剛健であるべき
だ。

名君の名が高い上杉鷹山は、米沢藩の藩政改革として「大倹約令」を発布する
に際して、自ら率先垂範して質素倹約に努めた。

木綿の衣服をまとい、一汁一菜の粗食に変え、御殿女中の数も大幅削減した。

為政者として、まず範を垂れ、そのうえで、民に質素倹約を求めたのである。



いまの日本財政は、まったく逆である。

消費税増税を求めるなら、まずは財務省が、財務省の天下り利権の一部を切り
取るのが筋であろう。

政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫などへの天下りをまずは切
り、そのうえで消費税増税の提案を示すべきだ。

ところが、財務省は国民に大増税を強制しながら、自分たちの天下り利権につ
いては、その拡張を推進しているのだ。

そして、これらの政府系金融機関が入居するオフィスビルを、日本最高水準に
引き上げている。



「科学技術振興」の名の下に、国立研究開発法人に巨大な血税を注ぎ込むの
も、それが役人と族議員の利権になるからなのだ。

理化学研究所の略称は「利権」に改めるべきであるだろう。



税金ですべてが賄われている理化学研究所を舞台にして展開されているSTA
P細胞騒動は、この意味で、徹底的な真相解明が求められるのである。

不祥事が仮にあったとして、それが、完全に特定の個人に起因するものであっ
たのか、それとも、組織全体の責任が問われるべき事案であったのか。

これも明らかにされなければならない。

現段階では不正の立証が完了しているわけではない。

小保方氏は、現段階でも反論を提示し続けている。

本当に、いま有力視されている仮説が間違いで、真相はまったく別のところに
あるのが真実であると主張するのであれば、小保方氏は隠れずに、再度記者会
見を開いて、あらゆる疑問に正々堂々と答えるべきである。

そして、記者会見を有効なものにするためには、素人の記者ではなく、専門家
が質問を行うべきである。

場外で代理人を通して発言するのでは、真意を伝えることもできないはずだ
し、また、多くの疑問点についての小保方氏の見解を知ることもできないから
だ。



若山教授の会見で、本質把握に大きく前進した。

小保方氏が全面的に反論を展開するなら、記者会見を開いて、一つ一つの具体
的疑問点について丁寧に反論する必要がある。

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