【8月第1週:波打際のむろみさん #4 ワールドワイドのむろみさん】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10422.html#598
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/
この週の「サイレン」が良かったです。(何か読み直すと「今週の一番付記」は3回連続で少年ジャンプだなあ…でも、今、ジャンプ調子いいと思います。「ぬらりひょん」や「めだか」あたりでもヤバそうな所が、いい具合に緊張感を高めています)「サイレン」は、サイレン・ゲームという崩壊してしまった未来を改変するゲームに巻き込まれてしまった少年少女たちのサイキック・バトルものですね。
…で、今回、良かったのは前回のヒキと、今回でのその回答の出し方です。画像を張ってあるのは前回のヒキの部分ですね。偽預言者・碓氷が持つ超能力、“時読(サイコメトリー)の右手”と“狂流(イレギュラー)の左手”との結合技“デリート・スパイダー”が示されてヒキになるんですが、僕はこの碓氷という悪ジジイのキャラがけっこう好きな所もあって、妙にハッタリの利いたこの技(どちらも直接的な破壊力は持っていない所がいい…それでいて直感的に練り上げられた能力だと思える)に食いついて「あ、面白そう!」と思ったワケです。
それが今回どうなったかと言うと、ほとんど1回ちょろっと使っただけで、マリーの単純な(しかし強大な)サイコキネシスの前にひねりつぶされてしまったんですよねw…(まあ、無敵ヒーロー系ではよくあるパターンで)それだけと言えばそれだけなんですが。この回の話の組み方は全体的に「期待の外し方」が上手い構成になっていて、まず、冒頭で前回のヒキから、場面をアゲハやフレデリカたちの決着場面に移して、前回のヒキを外して始まっています。「あれ?碓氷のデリート・スパイダーはどうなったんだ?」(ヒキが利いていないとこの効果は出ない)と思った所で、精神感応でフレデリカが「マリーどうしたの…なんでそんなに怒ってるのい…!?」と異変に気付く。そこで大地を割って碓氷をボコった怒りのマリーが現われる。…で、その後、ようやくデリートスパイダーとの闘いが語られる。
……面白い。と思います。短いページですが次に何が描かれるか予想ないままに読み進めました。単純な言い方をすれば敵が強くなくたって面白い話は組めるって事なんですが……弱い敵を屠る時はともするとギャグ的に処理される事が多いんですよね。でも、この話は弱い(弱かった)敵に緊張感を保っている。雨宮に後遺症が残るかも?という目もありますが、ともかく結果、碓氷は“弱いけどボスキャラだった”という悪役として妙に格を守っている。それが次の回の「ジジイたしかにお前は最高のリーダーじゃねえ。だがお前を心の支えにして集まった人間がいる」という、なかなか「面白い」顛末にも繋がって行きます。
また「速度論」的に言っても「サイレン」はメインストーリーがかなり複雑に組まれているので、碓氷グループとのバトルに時間なんかをかけている場合じゃないんですよね。それよりも未来世界と現代の行ったり来たりがどういう結末に繋がって行くかで勝負する物語だと思うし、今回の施策はそれを弁えた上で、ではどうやって1話1話を楽しませるか?という命題に対しても工夫が顕われていると思います。
正直、まだまだ迷走のある連載だと思いますが、サイキック・バトルに“プログラム”という一定のギミックを付けたり、走り抜けるジェットコースターのような連載の中で、できる工夫はしていると思え、かなり好感を持って読んでいます。
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この週の「サイレン」が良かったです。(何か読み直すと「今週の一番付記」は3回連続で少年ジャンプだなあ…でも、今、ジャンプ調子いいと思います。「ぬらりひょん」や「めだか」あたりでもヤバそうな所が、いい具合に緊張感を高めています)「サイレン」は、サイレン・ゲームという崩壊してしまった未来を改変するゲームに巻き込まれてしまった少年少女たちのサイキック・バトルものですね。
…で、今回、良かったのは前回のヒキと、今回でのその回答の出し方です。画像を張ってあるのは前回のヒキの部分ですね。偽預言者・碓氷が持つ超能力、“時読(サイコメトリー)の右手”と“狂流(イレギュラー)の左手”との結合技“デリート・スパイダー”が示されてヒキになるんですが、僕はこの碓氷という悪ジジイのキャラがけっこう好きな所もあって、妙にハッタリの利いたこの技(どちらも直接的な破壊力は持っていない所がいい…それでいて直感的に練り上げられた能力だと思える)に食いついて「あ、面白そう!」と思ったワケです。
それが今回どうなったかと言うと、ほとんど1回ちょろっと使っただけで、マリーの単純な(しかし強大な)サイコキネシスの前にひねりつぶされてしまったんですよねw…(まあ、無敵ヒーロー系ではよくあるパターンで)それだけと言えばそれだけなんですが。この回の話の組み方は全体的に「期待の外し方」が上手い構成になっていて、まず、冒頭で前回のヒキから、場面をアゲハやフレデリカたちの決着場面に移して、前回のヒキを外して始まっています。「あれ?碓氷のデリート・スパイダーはどうなったんだ?」(ヒキが利いていないとこの効果は出ない)と思った所で、精神感応でフレデリカが「マリーどうしたの…なんでそんなに怒ってるのい…!?」と異変に気付く。そこで大地を割って碓氷をボコった怒りのマリーが現われる。…で、その後、ようやくデリートスパイダーとの闘いが語られる。
……面白い。と思います。短いページですが次に何が描かれるか予想ないままに読み進めました。単純な言い方をすれば敵が強くなくたって面白い話は組めるって事なんですが……弱い敵を屠る時はともするとギャグ的に処理される事が多いんですよね。でも、この話は弱い(弱かった)敵に緊張感を保っている。雨宮に後遺症が残るかも?という目もありますが、ともかく結果、碓氷は“弱いけどボスキャラだった”という悪役として妙に格を守っている。それが次の回の「ジジイたしかにお前は最高のリーダーじゃねえ。だがお前を心の支えにして集まった人間がいる」という、なかなか「面白い」顛末にも繋がって行きます。
また「速度論」的に言っても「サイレン」はメインストーリーがかなり複雑に組まれているので、碓氷グループとのバトルに時間なんかをかけている場合じゃないんですよね。それよりも未来世界と現代の行ったり来たりがどういう結末に繋がって行くかで勝負する物語だと思うし、今回の施策はそれを弁えた上で、ではどうやって1話1話を楽しませるか?という命題に対しても工夫が顕われていると思います。
正直、まだまだ迷走のある連載だと思いますが、サイキック・バトルに“プログラム”という一定のギミックを付けたり、走り抜けるジェットコースターのような連載の中で、できる工夫はしていると思え、かなり好感を持って読んでいます。