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そんな好奇心から衝動的に作りました。

棚田写真家宣言

2009年07月18日 00時00分15秒 | 棚田写真家宣言

千葉県鴨川市 大山千枚田


『棚田写真家』だなんて、ちょっと大げさなんですが、まずはこちらを見てください。


『棚田写真家宣言』


 田んぼに興味を持ち始めて、気がつくとあちこちの田んぼや棚田の写真を撮ったり、そこに住む生物や、植物の写真を撮ったりしていますが、やっぱり他人の畑にずかずか入ってゆくのは申し訳ないと思うし、入ってゆかないとしても、そこを風景として勝手に写真に撮っていいものか。。。そんな気持ちになることがあります。

 この『棚田写真家宣言』がそんな気持ちの全てを解決してくれるわけではないのですが、最低限のルールとして心に留めておきたいと、常に思っています。

 今まで何箇所か棚田の写真を撮りに訪れた場所がありますが、どの場所でも怒られたり、私の方がイヤな思いをしたことはありません。 
 それはいつも私が丁寧で愛想良くあいさつも欠かさず、という態度をとっているから、というわけでもありません。 むしろただ歩いている方、農作業をしている方にこちらから声をかけることはとても恥ずかしいし、難しいものです。 それでも、なるべく相手にわかるよう会釈ぐらいはしますし、あからさまに間近でカメラを向けたりはしません。 先方から話し掛けてくだされば、喜んでお答えし、ついでに自分が質問したいことなどあれば聞いてみたりはします。

 そんな私ですが、怒られたことが無い、と言う以上にとても親しく色々なことをお話してくれたり、教えてくれたり、中には「持って行きなさい。」と山菜を下さったり、「うちでお茶を飲んでゆきませんか。」と誘ってくださった方もいらっしゃいました。

 近年棚田を撮影したい人は私が思う以上に多いらしく、問題も発生しています。
 「天地人」で一躍有名になった新潟県十日町市の棚田には、見ごろの季節になるとマイカーで夜中に乗りつけ、夜明けの棚田を撮るために農道を車でふさぎ野営をする。 食事をしたゴミを捨てる。 山や田の畦の山菜を採ってしまう、という困った行為を行う人もいるそうです。 また、マイカー以外にも大型観光バスがたくさんの写真家を乗せてやってくる。 写真家だけが問題を起こしているわけではないでしょうし、マナーの良い写真家もたくさんいるのでしょうが、地元の人々は地域が活性化することを願いつつ、うんざりしてしまっている地域もあるようです。

 そんな話を聞くと田んぼ撮影も考え物だな、と思うわけですが、美しい風景はやっぱり撮ってみたい。 自分が常識と思う範囲で行動し、相手に迷惑をかけぬよう撮り続けたい、と思う中でこの「棚田写真家宣言」が1つの指針になるかな、などと思いつつ、ここに私も宣言しようと思ったわけです。

 農業だけで成り立つことが難しくなってきた地域ではそれを観光化するケースが多くなっているようですが、地元と外からの人々がお互いに気持ちよく、お互いに良い部分を分かち合える関係が作り上げられるといいな、と切に思います。

* * * * *


 ところで、上の写真は「東京から一番近い棚田」で知られる千葉県鴨川市の「大山千枚田」です。 実は東京にも棚田はあるそうですが、とても小さい。(田んぼ6枚くらいだったっけ?)

 ここ大山千枚田は「日本の棚田百選」にも選ばれていますが、田んぼ375枚というやや小規模ながら、すり鉢状の急な傾斜に作られた田んぼの景観はそれはそれはみごとです。


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8 コメント

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Unknown (kuroneko)
2009-07-18 14:30:09
朝の光を写す為に車で乗り入れてしまうわけね。先日見た展覧会の出品者にそんな不心得者がいないことを念じるばかりです。
見沼でさえ、ビニール類のごみが散乱しますから写真スポットとして有名な所の被害は甚大なのでしょうね。”人のふり見て我が振り直せ”、ですね。

日光の竜頭の滝付近で柵の中に入って三脚でんと立てている大勢の写真家達を見たときにはああはなりたくないなぁと思いました。
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kuronekoさん (Layla)
2009-07-18 20:08:39
朝日、朝もや、時間が経つと徐々に現れる棚田、が非常にフォトジェニックなわけです。
私だって撮りたいですよ。

ゴミを捨てる気持ちというのは良くわかりません。
そこが美しいから撮りたいのに、ゴミを捨てますかね?

あんな大観光地の柵の中に、人目もはばからず大勢だったんですか?
それもイヤですねー。
集団心理で、いいやいいやになっちゃったんでしょうか。

ほんの少しの人がそういう行為をすることで、おそらくカメラを持ち歩いている人みんなが、「性質の悪い人」に見られるんだと思います。
自分も気をつけなければいけないな、とあらためて思います。
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こんな宣言は (Kiyo)
2009-07-19 21:14:34
恥ずかしいです。黙って実行しましょう。
挨拶も農作業の邪魔をしないことも田に入らないことも当たり前。
写真は二の次です。
棚田写真家だあ?ナンだそりゃ!
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Kiyoさん (Layla)
2009-07-20 00:11:13
Kiyoさん、そー言わないでくださいよ。

まぁ、「棚田写真家」という名前はさておき。

黙って実行できる方はいいんです。
けど、私自身自分の常識と他の人の常識が違ってたりするんじゃないか、
と不安になったりすることがあるんです。
そんな時に文章に書いてあることを見て、ホッとしたり
戒められたりするわけです。

この宣言など当たり前のこと、と言われても、
実際に出来ない人がたくさんいるからこういう宣言を作らざるを得なくなる。

まぁ、私のブログなど見てくれる人は何人もいないのですが、
そういうことで困っている人がいる、と言う事実、
こういう常識ぐらい守ってゆこう、という考えを
少しでも広めるお役に立てたら、と思っています。
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写真家宣言 (Kiyo)
2009-07-20 13:40:08
最近は写真を趣味する人が相当多いので、都会に近い有名観光地では同じような、問題が多発しているようですね。
韓国の民俗村に行くと、今でもそこには住民が生活しているのですが、庭に立ち入ったり家の中をのぞいて写真を撮る人がいるそうです。
ある夜神楽で有名な地域では、本来の地域のお祭りで有るにかかわらずよそ者のカメラマンが押しかけ、神聖である神楽の最中に無遠慮にフラッシュをたいて撮るそうです。また良いシーンを撮ろうと本来は神様がいる檀を踏んで撮ろうとして地域の人から注意され食って掛かるものも要るのだとか。そのせいでその地域では夜神楽の時期には外部の者の立ち入りを禁止したのだそうです。
有る湿地帯では本来の木の遊歩道がありますが、珍しい花や昆虫を撮るため、遊歩道からはみ出して三脚を据え歩行者の邪魔になったり、湿地に三脚を突っ込んだりする人もいるそうです。
野鳥の撮影に行けば、鳥を追いかけて他人の畑に足を踏み込んだり、花を撮りに行けば、邪魔になるから周りの草をむしったり・・・

写真撮影も人間の生活の一部ですから、他人がかかわる部分では「人に迷惑をかけない」という当たり前のことをしっかり考えておけばいいのではないでしょうか。

上に挙げた例はそれぞれ韓国旅行のガイドブック、高千穂の夜神楽のHP,佐賀県の有る湿地のHP、日本野鳥の会のHP、などで簡単に誰でもふれることのできる情報です。

こういうのを読んでいくうちに何が問題で、どこで起きているのかなどがわかってくると思います。

Laylaさんは梅を買いに行ってもそこの方と仲良くなれる方ですから、棚田を撮りに行ってもお百姓さんににっこり笑って「こんにちはー」と挨拶すれば良いと思うし、普通に実行できるかただと思います。その点は私なんかよりはるかに良くできる方だと思います。

それと最近問題になっているスナップ撮影のマナーについて下記の本を紹介しておきます。これを読むとそれこそ町で写真が撮れなくなりそうな気がしてきますけど。お暇な時にご一読ください。

「スナップ写真のルールとマナー」日本写真家協会編 朝日新書 朝日新聞社 720円+税
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Kiyoさん (Layla)
2009-07-21 00:47:45
いろいろ問題が起きて、結局撮影禁止になってしまうことが、
写真家にもつまらない、地元の方にも利益にならない、
では不幸なだけですよね。
双方で利益が出るように解決されることが望ましく、
やはり礼儀としては訪ねてゆくほうが敬意を払うべきでしょう。

私の知っているある棚田の地域でも見ごろをブログで発信していたのですが、上記のような理由で、ブログ更新をストップしてしまいました。 大変残念なことです。

で、どこまで撮ってよいのか、という見境がつかなくなる私のような人のために、
きっとKiyoさんがご紹介してくださったような本があるのでしょうね。
最近は個人情報とか肖像権とか難しいので、そういう本を読む必要があるでしょう。
(きっとそういう内容なのだろう、と勝手に想像で物を言っておりすみません)
是非、読んでみます。
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肖像権 (kuroneko)
2009-07-21 08:58:23
農家の方に声を掛けるのは見沼ではそうしているのでOKなんですが、街を撮りに出たときのスナップは難しいです。今回も横浜に行きましたが、声をかけるとカメラ目線になったり、緊張したりして写真にならないんですよねぇ。去年の六本木のイルミネーションは後姿や影なので問題ないのですけど。
声を掛けて、かつ自然な形で写真に収まってくれるといいのですが、ムズカシイ。

Kiyoさんご紹介の本は是非、フォトクラブのメンバーで読みまわししたいです。
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kuronekoさん (Layla)
2009-07-21 09:56:29
Kiyoさんご紹介の本を読むと、何かいい手立てが見つかるかもしれませんね。

私も基本的には顔が見えないような撮り方をしているつもりです。
顔をあとからぼかしたりする加工をすると、
なんか不自然な気がするし。

もともと人物中心の写真は苦手なので、
あまり撮らないのは(撮れない?w)
ラッキーかな。w
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