新崎盛紀 『直観力』

2020-06-04 20:47:45 | 心理学

これは,これまで人類が積み立ててきた叡智は何か、どのような物事のスタンスを日々していくことがいいか、といった事を考えるにはいい本でしょう。

あまりに論理的に考えすぎる人には、目に鱗の話でしょう。

直観とは情の動きであり、直観型とは、論理よりも直観を重視した立場で、この立場は科学革命以来排除に近い立場においやられたのでした。

科学とは論理を元に思考を重ねる立場であり、その方が多くの人を説得できるからでしょう。

しかし、創造力とは、あくまでも直観に重点を置くべしというのが、この著者の立場であるらしいです。

カント、フィヒテ、ベルグソン、西田幾多郎、和辻哲郎、九鬼周蔵といった人たちもそういった立場であったようです。

   和辻哲郎

 

私もその人たちの立場を与するというのが正直なところですね。

やはり論理だけでなく、そういったカンや情といった面だけで人間社会はかたのつくものではないからですね。

まさしく宗教はそうです。

これまで幾多の宗教によって人間社会を良き方向へ導いてきた事実に変わりはないですね。

同時にマイナス面も意識に入れておかないといけませんが…。

考え、感じる、欲するといった感情を大事にしようとこの著者はいうのです。

直観力の増させ方ですが、いろいろここには書いてあります。

言葉だけではわからないから地図にするとわかりやすくなるとか、かなが多いと直観が働かないから、漢字を多くすることで働く、といったことですね。

やはり日々、自分が接する事でも、そのことはいえるでしょうね。

例えば経営するにしても、やはり直観で行かなくてはならない場面があります。

そんなに物事を考えすぎていては前に進めませんから。

しかし、そんな直観だけで上手くいくはずはないですし、やはり傍らから見ていて、あるいは傍らから観察して、論理的に見ておかしいと思われる場面については論理的に考えなくてはならないでしょう。

その場合の考えるとは、「う~ん」とうなることではなく、これまでの人類が蓄積してきた叡智、あるいは理論、情報といったものを総動員して、それを自分の経営に当てて打開策をひねりだす、ということですね。

普段から勉強していない人は、やはりそういったものがないゆえに、考えても閃かない。

しかし、普段からそういった事を勉強している経営者は、そういうものがすぐに閃き、それから打開策を出し実行することができるのです。

そういうことを普段からしていない経営者は、やはり経営研究家あるいは経営コンサルタントに、知恵を出してもらうしかないですね。

その際に、お金を出してもらわないといけませんから、やはり普段から勉強しているほうがいいでしょう。

お金が浮きますし…(笑)

良き経営者は、経営者経営コンサルタントの両面を持っているものです。

そういう2面性のない人は、やはり経営をしても失敗しますね。

とにかく、物ごとの良き方向への導きは、自分を客観視できるかどうかにあるのですね。

経営のみならず、スポーツ、仕事、なんでも同じですね。

プロの将棋士いわく「負けた試合を覚えているのがプロで、勝った試合を覚えているのがアマ」ということはまさに至言ですね。

そのことをわかるのが非常にいいことですね。

その際に、素直になることですね。

試合では、やはり興奮して脳内が真っ白になるものです。

ゆえに傍らから見ていて、こうした方がいいこうした方がいいということはしている当人よりも周りの人間の方がわかるのですね。

岡目八目とはよくいったものです。

そのことをわきまえれば、自然と素直になれるはずです。

しかし、素直になれない人は、この事実が知らないか、あるいはこれまでの人生でほめられたことがないから、卑屈になってもう言わないでくれという気になってしかめ面になってしまうのですね。

また、アドバイスをする側の人間がレベルが低かったり、人を貶すことに生きがいを感じているようだと、やはり素直になれないですね。

やはりアドバイスする側は、人間的に魅力のある人でないとだめですね。

経営コンサルタントもしかりです。

しかし興味深い事実が書いてありますが、秋山真之は日本海海戦で指揮を務めた人間ですが、この人は心霊作用が働いてバルチック艦隊の動きが手に取るように分かったということですね。

凡人にはできないことですね。

彼は神道の人間だったようです。

しかし、直観の養成法ですが、ある程度の記憶が必要であるということですね。

その際に必要なのは目的意識であるということです。

それがないならば、情報は自分の前を素通りするだけということです。

これは加藤秀俊氏も同じようなことを書いてましたね。

『企画の技法』という本の中で。

※参考ページ

加藤秀俊 『企画の技法』について書いたページ

Goo blog

その記憶の仕方ですが、ノート、メモ、カード、ファイル、分類棚、分類箱といったもののそれぞれの用法はこの本を参考にしてほしいです。

またそれに類する本として、梅棹忠夫『知的生産の方法』外山滋比古『思考の整理学』といった本を参考として勧めれます。

興味深いことに、直観のタイプとして2タイプをあげていますし、創造性にも4つの類型があるとして、それらをつまびらかに紹介しています。

ここまで見ると、直観を育てるにしても、論理型にしろ文字を用途にしていかなくては叶わないということですね。

文字嫌いには叶わないのですね。

ゆえに、それが好きな人にはうってつけということですね。

●それに当てはまったという人に薦めたいですので以下よりどうぞ!

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