B.アンダーソン 『想像の共同体』

2020-06-05 21:52:40 | 民族学

ナショナリズムとは、人によっていろいろ定義はあるでしょうけれども、ここでは同じ国民としての一体感という風にしておきましょう。

そのナショナリズムは、大多数の構成員と直接に会うことも知ることもないにもかかわらず、○○人しての運命を共にしており、同胞愛で結ばれているのですね。

それは、○○人というイメージを共有して初めて成り立つものです。

それはかつては、宗教によって可能でした。

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それが、祖国のため、人民のためという名目にとってかわったのですね。

それが戦後は、どのようにして可能だったのかがポイントになりますが、この本の著者は教育制度官僚制であるとするのです。

「国民統合の基礎が、教育制度と官僚制?」といぶかしげになるでしょうけれども、私もそうでした。

その内容については、この本を読むのがいいでしょう。

これは日本のように島国であることによって、地続きのユーラシア大陸の国境ではそういった工夫がなされてきたことにあまり関心を寄せないでしょうが、この本を読めばよくわかるのです。

まあそんな創意があったのかということですね。

この本はインドネシアを舞台にしているのですが、やはりそれは難渋を極めたのがわかります。

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やはりナショナリズムを高揚する必要があったのでしょうか、ということを考えると、国を単位にして統合した方が、治めやすいからですね。

その治める意義は、やはり経済発展でしょう。

これを国是とすることで、より良い暮らしと健やかな生活を多くの人が営むことができるからですね。

いろんな国の民が集まった国の1つであるアメリカは、アメリカ人としての一体感を保つために、学校等で国旗をいつも掲揚しているということです。

そして、日本もその国民としての一体感を保つために、第二次大戦時には、神の国であるという神話を植え付ける努力を、いろんな教育の手段によってなされていたことが、漫画『はだしのゲン』で知ることができますね。

しかし、その国民としての一体感は、やはり今の日本人には薄れているような気がしますね。

それは戦後の教育によってもあるし、思想の自由を掲げたことでいろんな情報を集めてそれを自分の思想や考えを盛り込んで、外に発信することが可能になったからですね。

そのような国民の統治の方法、手段の手口に関する本は今やたくさんあります。

それにアクセスすることで、それを読み、悪い意味で統治され、操作されないないように気を付けるべきでしょう。

しかし、それは国民が一体にならないといけない場面においては、やはり一体になるべきでしょうし、なる必要性のない場合は、なる必要はないでしょう。 その見極めを各自していくべきでしょう。 しかし、思うのはその一体になることの是非ですね。

あまりに無制限で自由過ぎる社会においては、その一体感を醸成する必要性を感じることができない人が多くいても何ら不思議ではないですね。

今や友人がいなくても全然咎めない人がいるのですから。

DVDにネット、ゲーム…こういった事の発達によって友人の要らない生活が可能になっていますね。

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そのような生活をしていくのは個人の自由ですが、そんなことばかりではなにか人間として寂しいようなきがしますね。

かつてユルゲン.ハーバマスは、そのような社会になることを懸念していたのですが、それは見事に当たってしまっていますね。

都会にいけばいくほどそういう傾向が強いです。

そんな友人など作らなくても、生活できるのですし、人と一緒になるわずらわしさを味わうよりも、気に入った人とだけ交わる方がいい…それは何か寂しい気がしますね。

今、合わないと思ってものちになって合うと気が付く場合も往々にしてありますからね。

でも一体感になることが自分には必要と感じているならば、自分から働きかけるべきですし、類友というように、自分がそういう態度で接していれば、そういう志を持った人は必ず現れることは間違いないです。

私はこのブログで宗教一辺倒になることを危惧してきました。

そこには目的が明確ではないですし、合理性がないので意味がないのですね。

そこで言われていることの是非が。

ですから特定の宗教にははまらないのですが、いい面があることは確かです。

人をほめる事に努力している人ばかりですし、人との心の交流の努力している人が多いですからね。

それは私のモラルと一致しているのです。

ですが、それだけでは自分には物足りないのですから、そこだけにこだわることはしないのです。

足りない分は本その他で補います。

しかし一体感になる場面としては、いいと思います。 そこに1つのヒントがあるような気がしますね。

●この本は以下です。

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定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)

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