国立大学職員日記
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国立大学職員日記:記事一覧




 2010年、あけましておめでとうございます。 昨年は当ブログをご閲覧くださいました皆様に格別のご愛顧を賜り、まことに有難く厚く御礼申し上げます。もとより遅筆・拙文ではございますが本年も力の及ぶ限りエントリーを重ねて行きたい所存でございますので皆々様の一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。


■一富士二鷹三茄子、公務員は四号昇給

 そんな訳で正月です。そして正月といえば昇給です。「正月=昇給の記事」が当ブログの恒例行事になりつつありますので今年も筆を取らせていただきます。
 過去の昇給に関するエントリーは下記を参照ください。

あけました。昇給です。
昇給抑制期間とは何なのか?
昇給と本給表・俸給表について。

 さて、昇給は昇給区分がCであれば、基本的に誰でも平等に「4号俸」昇給します(例外は55歳以上と特別昇給の場合。昇給抑制期間については上記エントリーを参照)。しかし4号俸昇給したことによる基本給の増加分は、昇給前の級号俸によって一律ではありません。要するに、昇給により基本給が5,000円増加する職員もいれば3,000円しか増加しない職員もいる訳です。
 では各級号俸において4号俸昇給した場合に増加金額が高いのはどこなのか。あるいは各級毎ではどのあたりなのか。今回はそれを調べてみました。「百聞は一見に如かず」ですので、下の表をご覧ください。

<国家公務員行政職俸給表(一)における4号俸昇給した際の増加金額>
号数1級2級3級4級5級6級7級8級
1~4号4,4507,0007,3008,4009,0009,05010,4009,650
5~8号4,7757,2007,5258,4009,1008,90010,5509,350
9~12号5,5507,1507,5258,4008,9508,45010,2508,650
13~16号5,8757,6007,5258,4008,6508,3509,0507,700
17~20号7,6257,4007,7508,4008,4008,1008,2506,750
21~24号9,1757,3507,7008,3008,0508,1007,5005,850
25~28号6,7506,5507,6008,3007,7507,8506,0504,500
29~32号6,5506,0257,4008,2007,4507,2005,2003,200
33~36号5,5006,0257,2508,0506,8506,0504,6003,200
37~40号5,3005,9007,1507,7505,5504,8003,3503,200
41~44号5,1005,5006,8007,1504,1503,8503,2002,000
45~48号4,8005,3506,4505,9003,5502,9003,0000
49~52号4,3505,0006,5004,4503,1502,9003,0000
53~56号4,0004,8005,7003,6002,8002,8003,0000
57~60号4,0004,3504,4002,7002,6002,7001,8000
61~64号3,8253,8503,6002,6002,6002,60000
65~68号3,5753,5503,1502,6002,6002,60000
69~72号3,0502,7502,4502,6002,6002,60000
73~76号3,0501,7502,0502,4502,6001,55000
77~80号2,9501,5002,0002,5002,600000
81~84号2,9001,5002,0002,5001,550000
85~88号2,6001,5001,9002,5000000
89~92号1,0501,4001,8001,6000000
93~96号01,4001,80000000
97~100号01,4001,65000000
101~104号01,4001,70000000
105~108号01,4001,70000000
109~112号01,4001,10000000
113~116号01,250000000
117~120号01,300000000

※「21~24号」とあるのは「『21号から24号までの各号の、昇給時の増加金額』の平均値」を指す


 分かりやすいように増加金額1,000円毎に色分けをしてみました。
 1~3級の低号俸の例外を除けば、原則として号俸が高くなるにつれて昇給時の増加金額は下がっていく傾向にあるようです。つまり、高給取りになりたいのであれば一つの級に長く居座らずに早め早めに「昇級」していく必要がある、ということになります。昇格・昇給へのインセンティブを持たせるという意味ではこのように俸給表を設定するのは良い方法だと思います。そのような意図でこう設定されているのかどうかは分かりませんが、とりあえず現状はうまく設定されているなと少し感心しました。
 1~3級の低号俸の一部分のみ号俸が高くなるにつれて昇給時の増加金額が上がっていきますが、新卒者の初任給が1級25号俸であることを考えると、恐らくこのような設定は高卒者や国家公務員Ⅲ種採用者の低い初任給をなるべく早めに高くしようという意図があるものではないかと思われます。
 また級別に比較すると、級が高くなるにつれて4号俸分の増加金額が高くなる傾向があることが分かります。この表は「増加金額」を調べているので、級が高い職員の方が昇給による恩恵を受けやすいように見えますが、級が高い職員は基本給自体がそもそも高額なため、昇給前の基本給と昇給後の基本給の「増加割合」(昇給前に比べて何%増加したのか)に配慮すればこのような傾向になるのかもしれません。加えて、2~3級ならまだしも6~8級くらいになるとその級の1号俸からスタートするというのはかなり稀であるため、「高い級の低い号俸」をもらう職員はかなり例外的なものと考えた方が良いでしょう。それこそ異例の早さで出世したキャリアの方でもない限り、表中の赤に近い領域の昇給をすることはないと思います。国立大学事務職員にはまず無縁の領域でしょう。

■昇級等と併せてもう少し具体的に考えてみる
 上記の表で、俸給表における各級各号数の4号昇給時の大体の増加金額は分かりました。しかし、これでは「何歳の時に○○円増加する」といった具体的な数字がはっきりとしません。幸いにも、以前に載せたエントリー(国立大学事務職員は何歳で「昇級」するのか)で「昇級」の大体の時期は分かっていますので、これを基にして、現行規則下における国立大学事務職員の退職までの昇給シミュレーションを組んでみたいと思います。


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 とは言え、「昇給」は「昇級・昇格」の早さによって様々ですので、シミュレーションを下記の4つのタイプに分けて考えてみました。

1.最低限の昇給パターン
 特別昇級無しで、昇格の早さが最も遅く、3級で定年するパターン。
 実際には特別昇級が無いのは考えにくいため、これはあくまで「最低限」を仮想して作ったものです。また、育児休暇などによって昇給がなされない場合もあるため、厳密な意味での「最低限」でもありません。「最低限の出世」をして勤務評定が常にC区分という、メルクマールとしてのシミュレーションです。

2.出世下位グループの昇給パターン
 6年に1回特別昇給をして、3級で定年するパターン。
 ここでいう「特別昇給」は昇給区分がAである、「8号昇給」を指します(以下においても同様)。「6年に1回」の特別昇給はやや多いかもしれませんが、過去の実績を見ると大体このくらいの頻度になるので、今後もこのペースで特別昇給するものと仮定しました。「昇級スピード」は1のパターンと同じです。全体の下位約3分の1がこのパターンにあたります(「出世下位」なんて失礼な言葉ではあるのですが、「昇級速度上位70%未満グループ」よりかは感覚的に分かりやすいと思ったので以下でもこのような物言いをします。お気に障るかもしれませんがご容赦ください)。

3.出世中位グループの昇給パターン
 4級で定年するものとし、あとの条件は2と同じです。
 「平均的な出世をしたら大体このくらいになるだろう」と想定して作成したパターンです。特別昇給などは比較しやすいように、下位・中位・上位で全て同じにしており、どのグループでも6年に1回、それも同じ年齢で特別昇給するようにしてあります。これもやはりフィクションだと思いますが、比較するための措置だと考えてください。全体の上位45%から65%くらいのグループです。厳密には「出世中の下」かもしれません。中位と上位の間に定年までに5級まで昇級する「出世中の上」グループがあるので。

4.出世上位グループの昇給パターン
 6級で定年するものとし、あとの条件は2・3と同じです。
 全体の上位20%くらいのグループです。


 各パターンは下記のリンクから飛んで下さい。エントリーを細々にして見にくいかと思いますが、HTMLで表を作成するとgooブログの文字制限に引っかかるために別個にエントリーを作らざるを得ないのです。

1.最低限の昇給パターン
2.出世下位グループの昇給パターン
3.出世中位グループの昇給パターン
4.出世上位グループの昇給パターン

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※このエントリーは「国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか」における昇給の具体的シミュレーションの一つです。記事を読む場合、下記の順に読み進めることをお勧めします。

国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
続・国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
・1.最低限の昇給パターン
2.出世下位グループの昇給パターン
3.出世中位グループの昇給パターン
4.出世上位グループの昇給パターン


1.国立大学事務職員の最低限の昇給パターン
年齢級・号数給与月額増加金額備考
231級28号177,3005,100 
241級32号184,2006,900 
251級36号190,3006,100 
261級40号195,5005,200 
271級44号200,8005,300 
281級48号205,9005,100 
291級52号210,4004,500 
302級24号227,70017,300昇格
312級28号234,9007,200 
322級32号241,0006,100 
332級36号247,1006,100 
342級40号253,2006,100 
352級44号258,8005,600 
363級28号273,90015,100昇格
373級32号281,5007,600 
383級36号288,9007,400 
393級40号296,0007,100 
403級44号303,0007,000 
413級48号309,8006,800 
423級52号316,1006,300 
433級56号322,6006,500 
443級60号327,7005,100 
453級64号331,8004,100 
463級68号335,1003,300 
473級72号338,1003,000 
483級76号340,4002,300 
493級80号342,3001,900 
503級84号344,3002,000 
513級88号346,3002,000 
523級92号348,2001,900 
533級96号350,0001,800 
543級100号351,8001,800 
553級104号353,3001,500 
563級108号355,0001,700 
573級112号356,7001,700 
583級113号357,200500 
593級113号357,2000 
603級113号357,2000 

【データについて】
・4年制大学を卒業後22歳で国立大学に就職したものと仮定
・初任給は1級25号
・昇給区分は常にC区分で昇給
・特別昇給はしないと仮定
・昇級の時期に関しては「国立大学事務職員は何歳で「昇級」するのか」を参照
・給与表については給与法の「行政職俸給表(一)」(平成21年12月1日時点)を参照
・昇級時における新しい号数については「人事院規則九-八 別表第七 昇格時号俸対応表」の「行政職俸給表(一)昇格時号俸対応表」(平成21年12月1日時点)を参照
・また、あらゆるデータは平成21年度の制度の下において行った仮定であるため、過去に上記の表と同様に昇級した職員がこのとおりとなる(あるいはなっている)とは限らない
・昇級抑制期間(平成18年~平成22年)等、過去にあった変則的な昇給に関しては考慮していない

■雑感
 「最低限」を想定して作ってはみたものの、実際のデータを調べてみるとこのパターンより基本給が低い職員さんがかなりいました。国家公務員Ⅲ種から採用されたために初任給の級と号数が低かったのかもしれませんが、その部分の穴埋めは特別昇給などでなされると思うので、特別昇給を考慮していない上記のパターンより基本給が低くなる理由がいまいちはっきりしません。原因としては休職や育児休暇を取ったために昇給しなかった等が考えられますが、それが原因であるにしてはあまりに多くの職員さんの基本給が上記のパターンより低い気がします。
 より根本的な原因を考えるなら、過去に行われた給与構造改革による給与表・俸給表の書き換え、昇格時号俸対応表の変化、号俸・号数の4分割化、級の統合、昇級スピードの変化等々の影響があるのかもしれません。また、とりあえず実績と今回のシミュレーションを比べてみて差が出るということは、今の若手職員は将来の基本給の期待額が現在いる職員よりも多いかも知れない、ということなのかもしれません。
 ちなみに現在の「行政職俸給表(一)」においては、3級は113号俸が最高のため、枠外昇給が認められていない現状においては3級113号を超えて昇給することはできなくなっています。上記の表で58歳から60歳の昇給額が低いのはこのような理由によるものです。


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※このエントリーは「国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか」における昇給の具体的シミュレーションの一つです。記事を読む場合、下記の順に読み進めることをお勧めします。

国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
続・国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
1.最低限の昇給パターン
・2.出世下位グループの昇給パターン
3.出世中位グループの昇給パターン
4.出世上位グループの昇給パターン


2.国立大学事務職員の出世下位グループの昇給パターン
年齢級・号数給与月額増加金額備考
231級28号177,3005,100 
241級32号184,2006,900 
251級36号190,3006,100 
261級40号195,5005,200 
271級44号200,8005,300 
281級52号210,4009,600特別昇給(8号)
291級56号214,6004,200 
302級28号234,90020,300昇格
312級32号241,0006,100 
322級36号247,1006,100 
332級40号253,2006,100 
342級48号264,30011,100特別昇給(8号)
352級52号269,5005,200 
363級40号296,00026,500昇格
373級44号303,0007,000 
383級48号309,8006,800 
393級52号316,1006,300 
403級60号327,70011,600特別昇給(8号)
413級64号331,8004,100 
423級68号335,1003,300 
433級72号338,1003,000 
443級76号340,4002,300 
453級80号342,3001,900 
463級88号346,3004,000特別昇給(8号)
473級92号348,2001,900 
483級96号350,0001,800 
493級100号351,8001,800 
503級104号353,3001,500 
513級108号355,0001,700 
523級113号357,2002,200特別昇給(8号)
533級113号357,2000 
543級113号357,2000 
553級113号357,2000これより先「55歳以上」に該当
563級113号357,2000 
573級113号357,2000 
583級113号357,2000特別昇給(4号)
593級113号357,2000 
603級113号357,2000 

【データについて】
・4年制大学を卒業後22歳で国立大学に就職したものと仮定
・初任給は1級25号
・昇給区分は特別昇給を除いて常にC区分で昇給
・昇級の時期に関しては「国立大学事務職員は何歳で「昇級」するのか」を参照
・特別昇給の回数については過去の実績から仮定したが、特別昇給に関し、中間層においては職員の5%が8号昇給し、20%が6号昇給することから、これらの昇給が全職員に均等に割り振られたとすると20年に1回の割合で8号昇給し、5年に1回の割合で6号昇給するため、40年の勤続年数では「常に4号昇給した場合」に比べて「(4号×2回)+(2号×8回)」で合計24号分だけ特別昇給することになる。6年に1回の割合で8号昇給すると仮定すると55歳以上における昇給数の抑制を考慮しても合計22号分だけ特別昇給することになるため、6年に1回の割合で8号昇給の仮定はそこまで的外れではないと思われる。
・給与表については給与法の「行政職俸給表(一)」(平成21年12月1日時点)を参照
・昇級時における新しい号数については「人事院規則九-八 別表第七 昇格時号俸対応表」の「行政職俸給表(一)昇格時号俸対応表」(平成21年12月1日時点)を参照
・また、あらゆるデータは平成21年度の制度の下において行った仮定であるため、過去に上記の表と同様に昇級した職員がこのとおりとなる(あるいはなっている)とは限らない
・昇級抑制期間(平成18年~平成22年)等、過去にあった変則的な昇給に関しては考慮していない

■雑感
 「最低限の昇給」に特別昇給を考慮した形となっています。定年時の級は3級を想定しているため、50歳代初めで早々に最高号俸に達してしまい、以後の昇給は行われなくなってしまっています。
 このデータもやはり、実際のデータよりも高い基本給を示す結果となってしまいました。実際のデータを見ても3級の最高号俸をもらっている職員さんはほとんどいません。実際よりも低い基本給になってしまう原因は「最低限の昇給」においても考察しましたが、もしかすると法人化して事務職員のほとんどが給与上は国家公務員Ⅱ種相当の取り扱いになった現状において、定年時の級を3級と仮定するのは無理があるのかもしれません。年配の職員さんの給与水準は若手に比べて昨今引き下げる傾向にあるとは言え、このパターンのように定年までの最後の8年間に昇給が全くなされないというのはいくらなんでも職員の士気に関わると思いますので、これを避ける意味でも今現在20代~30代の職員は全員が3級より上の級にて定年を迎える可能性があるのかもしれません。あるいは最高号俸に届かないように特別昇給を抑制するか、意図的にとっとと最高号俸にしてしまって早期退職を勧めるのが狙いなのかもしれません。とりあえず現状の若手職員は定年を迎えるまでに3級より上の級まで上がれるよう努力した方が身のためのようです。


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※このエントリーは「国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか」における昇給の具体的シミュレーションの一つです。記事を読む場合、下記の順に読み進めることをお勧めします。

国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
続・国立大学事務職員の基本給は昇給で「何円」増加するのか
1.最低限の昇給パターン
2.出世下位グループの昇給パターン
・3.出世中位グループの昇給パターン
4.出世上位グループの昇給パターン


3.国立大学事務職員の出世中位グループの昇給パターン
年齢級・号数給与月額増加金額備考
231級28号177,3005,100 
241級32号184,2006,900 
251級36号190,3006,100 
261級40号195,5005,200 
271級44号200,8005,300 
282級20号220,30019,500特別昇給(8号)・昇格
292級24号227,7007,400 
302級28号234,9007,200 
312級32号241,0006,100 
322級36号247,1006,100 
332級40号253,2006,100 
342級48号264,30011,100特別昇給(8号)
352級52号269,5005,200 
363級40号296,00026,500昇格
373級44号303,0007,000 
383級48号309,8006,800 
393級52号316,1006,300 
403級60号327,70011,600特別昇給(8号)
413級64号331,8004,100 
423級68号335,1003,300 
433級72号338,1003,000 
443級76号340,4002,300 
453級80号342,3001,900 
463級88号346,3004,000特別昇給(8号)
473級92号348,2001,900 
483級96号350,0001,800 
493級100号351,8001,800 
504級60号370,20018,400昇格
514級64号372,9002,700 
524級72号378,1005,200特別昇給(8号)
534級76号380,7002,600 
544級80号383,0002,300 
554級82号384,3001,300これより先「55歳以上」に該当
564級84号385,5001,200 
574級86号386,8001,300 
584級90号389,3002,500特別昇給(4号)
594級92号390,5001,200 
604級93号391,200700 

【データについて】
・4年制大学を卒業後22歳で国立大学に就職したものと仮定
・初任給は1級25号
・昇給区分は特別昇給を除いて常にC区分で昇給
・昇級の時期に関しては「国立大学事務職員は何歳で「昇級」するのか」を参照
・特別昇給の回数については過去の実績から仮定したが、特別昇給に関し、中間層においては職員の5%が8号昇給し、20%が6号昇給することから、これらの昇給が全職員に均等に割り振られたとすると20年に1回の割合で8号昇給し、5年に1回の割合で6号昇給するため、40年の勤続年数では「常に4号昇給した場合」に比べて「(4号×2回)+(2号×8回)」で合計24号分だけ特別昇給することになる。6年に1回の割合で8号昇給すると仮定すると55歳以上における昇給数の抑制を考慮しても合計22号分だけ特別昇給することになるため、6年に1回の割合で8号昇給の仮定はそこまで的外れではないと思われる。
・給与表については給与法の「行政職俸給表(一)」(平成21年12月1日時点)を参照
・昇級時における新しい号数については「人事院規則九-八 別表第七 昇格時号俸対応表」の「行政職俸給表(一)昇格時号俸対応表」(平成21年12月1日時点)を参照
・また、あらゆるデータは平成21年度の制度の下において行った仮定であるため、過去に上記の表と同様に昇級した職員がこのとおりとなる(あるいはなっている)とは限らない
・昇級抑制期間(平成18年~平成22年)等、過去にあった変則的な昇給に関しては考慮していない

■雑感
 やはり実際のデータより高い数値となりますが、徐々に実際のデータに近づいてきました。また50歳代のデータと40歳代のデータの中で、この出世パターンに乗っていそうな人を調べてみると、50歳代より40歳代の方が上記のパターンに接近していました。このような点から考えると、やはり昔の昇給の制度は今のものよりも最終的な基本給が低くなるように設定されていたのかもしれません。もしデータが見つかれば20年前の俸給表を用いて当時の制度における昇給のシミュレーションをしてみるのも面白いかもしれません。もっとも物価などの変動もあるので、一概に比べられるものではないのだとは思いますが。


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