国立大学職員日記
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■はじめに
 今回のエントリーは題名そのまま。国立大学の事務職員はいったい何歳くらいになったら昇級するものかをグラフにし、その法則性を探ってみました。
 「主任」や「係長」などと違って、他人の給与の「級」というものは傍から見ても分からないもの。「同期でもう3級になったやつはいるのだろうか?」「この年でいまだに2級なんて自分くらいなんじゃないだろうか?」などなど、「級」に関する疑問解決の糸口になれば幸いです。


■まずはグラフを見てみる

 横軸に「年齢」、縦軸に「パーセンテージ」を置いています。例えばあなたが38歳であれば、8割から9割の職員が3級に昇級しているが、まだ2級の職員も1割から2割いることが分かります。また「級」自体に目を向けると、例えば「4級」になるには40台後半まで待たなくてはならない一方で、定年まで「3級」の人間も少なからずいることが分かります。
 グラフを見てパッと気が付くのは、級が低くなるにしたがって年齢との相関性が強いのに対し、級が高くなるとある年齢層に様々な級を持つ人間が混在するようになる、といったところでしょうか。また、どの「級」にも大体その級が「解禁」となる年齢があるのが分かります(もっともグラフを見やすいようにデータを少しいじってあるため、1~2名のかなり昇級が早い職員さんはデータから弾かれています。キャリア組なんかは多分入っていないと思います)。
 グラフを見ると年齢と級の関係が漠然と分かると思います。しかし、具体的に「何歳で何級に昇級するのか」がちょっと見にくいと思いますので、次章でグラフと元データから判明したいくつかの法則性を挙げてみたいと思います。
 ちなみに、このエントリーでいう「年齢」とは全て「年度末における年齢」です。またデータは平成21年度(2009年度)における各年齢層の級を調べていますが、今後は団塊の世代の定年退職などの影響からこれらのデータも変化すると思いますので、以下に述べる法則性は「平成21年度におけるデータから出してみた将来の見通し」くらいに考えて下さい。


■級別の法則性あれこれ

①「1級」は「解禁年齢=23歳(新卒採用者)」であり、28歳から「2級」への昇級が始まり、31歳になるまでには全員が「2級」に昇級する。

②「2級」は「解禁年齢=28歳」であり、36歳から「3級」への昇級が始まり、42歳までには全員が「3級」に昇級するが、「3級」への昇級は36歳の時に集まっているのが特徴である。

③「3級」は「解禁年齢=36歳」であり、大体47歳から「4級」への昇級が始まる。「4級」に昇級できない場合があり、定年時の級が「3級」であるのは定年退職者の26%である。全職員の45%にあたる職員が「3級」であり、これは全ての級の中でもっとも多い。

④「4級」は「解禁年齢=約47歳」であり、大体51歳から「5級」への昇級が始まる。「5級」に昇級できない場合があり、定年時の級が「4級」であるのは定年退職者の28%であり、定年退職者の級としてはもっとも多い。

⑤「5級」は「解禁年齢=約51歳」であるが、このあたりの級になってくると解禁年齢より2~3歳早く昇級する者が若干名出てくるようになる。大体55歳から「6級」への昇級が始まる。「6級」に昇級できない場合があり、定年時の級が「5級」であるのは定年退職者の25%である。定年退職者の8割は「6級」まで昇級できない。

⑥「6級以上の級」には大体50台後半に昇級する。「6級」以上の級を持つ職員は全体の3%に満たず、大学事務局部長クラスまで昇格する必要がある。


■おわりに
 法則性で「約」とか「大体」と使っているのは明確な線引きが難しいためです。あと「6級以上」で「事務局部長」と役職との関係を少し挙げました。級と役職にはそれなりに相関関係があるため、例えば「5級の30%が課長補佐クラス、50%が課長クラス、20%が部局事務部長クラス」と調べることも可能です。今回は「級と年齢」という観点でしたので省きましたが、いつか時間があれば「級と役職」の観点からまたエントリーを書いてみたいと思います(「級と役職と年齢」でまとめることもできそうですけど、そうするとグラフにZ軸が必要になってきそうなのでちょいと自分には書けそうもありません)。

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