国立大学職員日記
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国立大学職員日記:記事一覧




 平成22年度の人事院勧告を読んでいたらタイトルのようなことが書いてあってびっくりしたのでそのお知らせです。人事院勧告上は「昇給抑制の回復措置」という名称の下に行われる様子。以下は人事院勧告へのリンクと抜粋部分。


別紙第1 職員の給与等に関する報告(※リンク先PDFファイル)

(本文22ページより抜粋)
平成23年4月1日において、43歳に満たない職員のうち、平成22年1月1日に昇給抑制を受けた者(復職時調整等において昇給抑制を受けた者を含む。)の号俸を平成23年4月1日に1号俸上位に調整することとする。


給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント(※リンク先PDFファイル)

(PDFファイル11ページより抜粋)



 「昇給抑制の回復措置」を行う理由は大雑把に言うと「来年度の初めにかけて制度改正原資が生じるので、それを民間より給与水準が低い若手・中堅職員の昇給回復にあてるよ」という趣旨らしい。平成23年4月1日の1回きりの措置なのか、複数回される措置なのかは不明。
 個人的にはこの回復措置を受けて、初任給決定の「昇給抑制措置との均衡措置」にまた新たな均衡措置が生じそうな気がします。「平成23年4月1日以降に採用された職員で、平成23年4月1日時点で43歳に満たなかった者は、採用日から調整年数をさかのぼった日が平成22年1月1日以前に及ぶ場合、特定号俸の号数から1加えた号数の号俸を初任給とする」のような感じに。
 もちろん人事院勧告は原則「公務員」に対するものですが、国立大学にも当然のように影響はあると思います。この回復措置は4月1日に行われるので、通常の昇給(1月1日に行われる)の号俸数を一時的に読み替えるという措置では対処できないはず。国立大学においていかにしてこの回復措置を行うのかを、今後注目していきたいと思います。


※平成23年4月11日追記
平成23年4月1日の昇給について、下記エントリーにまとめなおしました。
 → 平成23年4月1日における昇給について

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■はじめに
 統計は取っていないのですが、このブログでもっともアクセス数の多いエントリーは恐らく「運営費交付金から見る国立大学ランキング。」だと思います。
 というわけで、二匹目のドジョウを狙うべく、平成22年度のものも作成してみました。作成にあたり、昨年度は文教ニュース様に掲載されていたデータを参照しましたが、今年度は「大学受験パスナビ:旺文社」様のデータを参照させていただきました。というより、平成22年7月時点では、平成22年度運営費交付金の大学別のデータをこのサイトでしか確認することが出来ませんでした。文部科学省の報道資料などのページを自分なりに探してみたのですが、どうも該当データに行き当たりません。平成22年度になったのだから、平成22年度の予算額は出ていると思うのですが…。毎年度こういうものなのでしょうか。





 トップは相変わらず旧帝大学+筑波大学で、昨年度との順位変動もあまりありません。それ以降にはかなり細かな順位変動があるようです。鹿屋体育大学に替わり、小樽商科大学が日本で最も交付金スケールで規模の小さい大学となりました。
 運営費交付金は毎年減らされていますが、データを作ってみると全体として減少する中で、前年度に比べると交付金が増えている国立大学も半分くらいあることが分かります。
 今回は特に「減少部分」に注目し、「減少額」と「前年度比減少割合」のランキングも作成してみました。このあたりは特に、来年度の予算が大きく削られそうなので、次回のデータ作成時にどこまで変わるかに注目したいです。






 「減少額」ではやはり全体の交付金額が多い大学が上位に上ってきます。交付金額で1位だった東京大学も、減少額2位に入っています。1位の九州大学は32億円の減額。九州大学は「減少割合」も割と高く、上越教育大学一つ分か、小樽商科大学二つ分を消滅させるレベルの減少でした。





 「減少割合」では交付金額があまり多くない大学が上位にくるようです。1位は浜松医科大学で1割以上削減されています。順位でも前年より6位落ちて、順位変動のもっとも大きい大学となりました。

■おわりに
 運営費交付金はその年毎に違うものなので、順位の変動や金額が前年度比で増減することは当然と言えば当然です。とは言え、「なんか知らないけど交付金が増えました・減りました」なんてチャランポランな国立大学もさすがに無いと思いますし、恐らく全ての国立大学において、交付金額の増減に関する学内文書や説明資料はあるのだと思います。
 公表している国立大学もあるのかも知れませんが、86大学全ての資料は集められないし、目を通す時間もありません。普段仕事をしていると、たまに全ての資料に目を通した挙句に、全国立大学において交付金額の増減が具体的にどのような影響を与えているのかレポートにまとめてみたくなる衝動に駆られます。さらにその上で、交付金の削減の是非やらそれを受けて学内で行われる事務整理やら政府の言い分やら文部科学省の言い分やら各国立大学の言い分やら地方の言い分やら総合大学の言い分やら単科大学の言い分やら研究者の言い分やら事務職員の言い分やら学生の言い分やらその他何やらかにやらを全て総合した文書とかあったらもの凄く面白そうなんだけど、そんなものは神様でもなけりゃ作れないのだろうなーとか考えます。あるいは神様レベルのものでなくても良いので、どっかの研究者か、官僚がそういう資料作ってくれないですかね。「作ろうにも作る予算がありません」と言われてお終いですかね。事業仕分けしてる国会議員さんの時間と予算を使って作ってくれれば良いのになーと思わなくもないです。

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