国立大学職員日記
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国立大学職員日記:記事一覧




 以前に書いた「本府省業務調整手当について」のエントリーにおいて本府省業務調整手当の月額を図表しましたが、人事院月報の2009年3月号において、このエントリーで示された月額は平成21年度に限る経過措置の値だということが分かりました。経過措置の月額と本来の月額(平成22年度以降支給される月額)を下図にまとめなおしました。また併せて、上記エントリーの掲載内容に一部誤解を与える内容があったことをお詫びいたします。


行政職俸給表(一)
級数金額職務
経過措置の金額
(平成21年度)
本来の額
7級以上4万1400円4万1800円室長・課長
6級3万8800円3万9200円課長補佐
5級3万7100円3万7400円課長補佐
4級7400円1万4800円係長
3級5800円1万1700円主任・係長
2級2200円4400円主任
1級1800円3600円係員


■ちょっと一言
 経過措置の値はどうやら係長以下クラスの金額を半分にしたもののようです。以前のエントリーに係長クラス以下の手当額が少なすぎると書いた身の上としては本来の手当額が判明して少し溜飲が下がる思いです。しかし、それでも係長クラスと課長補佐クラスの間にはかなり大きな開きがあるようです。この手当額が一体何を基準として決定されたのか、いつか資料が見つかれば調べて見たいと思っています。


※関連エントリー
本府省業務調整手当について

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■はじめに
 業務をしているといろいろな物が机の上に積みあがっていきます。今処理している書類、これから処理しなければならない書類、処理しなければならないのだけどなかなか手をつけられない書類、処理したけどファイルに綴っていない書類、業務上必要な規定集や詳説書、受けた電話のメモ、内容確認をしなければいけない決裁…などなど。
 そういうものが積み重なった机の上に置いてある、時間の合間に目を通す回覧物、それが定期刊行される各種購読物なのです。文章で説明するよりも実物の画像を見た方が雰囲気がつかめると思います。まずは下の7つの購読物をご覧ください。これらは自分の大学なら大体どの部署でも回覧されているだろうと思われるものです。他の大学でも同様なのかどうかは定かではありませんが、恐らくは各国立大学御用達の定期購読物だと思います。



■各種購読物紹介
【その1:文部科学省発行の新聞?】

・名 称:文部科学広報
・購読料:無料
・出版元:文部科学省
・発行頻度:毎月1回、月末の平日に発行
・サイズ:タブロイド判(タテ406mm×ヨコ273mm)と思われる
・謳い文句:(特に無し)
<解説>
 出版元は文部科学省!何を隠そう文部科学省の公式の広報誌です。購読料は無料であり、文部科学省のホームページから既刊分を閲覧することが可能です。リンク先を参照する限り、大臣官房総務課広報室が担当しているようです。


【その2:これも公式。ちょい厚手の広報誌】

・名 称:文部科学時報
・購読料:定価700円
・出版元:株式会社ぎょうせい(文部科学省編集)
・発行頻度:毎月1回、10日に発行
・サイズ:A4変形判
・謳い文句:教育・文化・スポーツ・科学技術・学術各般の施策の動向を紹介する、文部科学省唯一の総合広報誌
<解説>
 雑誌を見る限り出版元は「株式会社ぎょうせい」ですがこれも文部科学省の公式の広報誌です。謳い文句は文部科学省のホームページから取りました。ここで「唯一の」と言っているので、「その1」で揚げた文部科学広報は広報誌ではないようですね(「広報」と名前がついているのに?)。定価700円と無料ではないのも特徴です。割としっかりとした体裁になっており、お役所の広報誌(と言っては失礼ですが)の割には内容も充実している印象があります。表紙も綺麗ですね。


【その3:シリーズ「文化財を歩く」が管理人のお気に入りです】

・名 称:文部科学教育通信
・購読料:月額購読料3150円(税込・送料別)
・出版元:ジアース教育新社
・発行頻度:毎月2回、第2・第4月曜日に発行
・サイズ:A4縦
・謳い文句:大学教育をメインとした、テーマアップ通信
<解説>
 やや堅い紙質で3色刷りくらいの表紙が特徴的な雑誌。「文部科学」という単語が入っていますが、国立大学に限らず私立大学の教員のインタビューなども載っている様子。最近「国立大学法人法コンメンタール」なんて連載をやってます。組織設置の根拠法の解説はなかなかためになるのですが、国立大学職員以外から見るとなんだかもの凄くマニアックな内容ですよね。表題にあるとおり、裏表紙にシリーズとして掲載されている「文化財を歩く」が自分のお気に入りです。このシリーズにはかなり以前に自分の大学の建物も紹介されていましたしね(紹介されるまでその建物を物置小屋だと思っていたことは施設管理部署の職員さんには内緒のお話です)。


【その4:目印は黄色い表紙】

・名 称:文教ニュース
・購読料:月額6720円
・出版元:文教ニュース社
・発行頻度:毎週1回、月曜日に発行
・サイズ:B5横
・謳い文句:文部科学情報
<解説>
 黄色い表紙と端をホチキスで留めて製本するという手作り感あふれる購読物。取材の対象は文部科学省・国立大学ほか、文部科学省管轄独立行政法人のようです。毎回全てという訳ではありませんが、各国立大学のちょっとしたニュースを頻繁に載せるので、自分の大学のところは毎回欠かさずにチェックしています。あと必ず1ページ目に掲載されているコラム、「文部科学時評」もお気に入りコンテンツです。書き手がペンネームになっている(印象的なペンネーム:「魑魅魍魎」さん)のだけど一体誰が書いているのか気になります(本省の職員さんでしょうか?)。


【その5:実は記事を書いたことがあります】

・名 称:文教速報
・購読料:月額6825円
・出版元:官庁通信社
・発行頻度:隔日刊 月・水・金 (但し祭日休刊)
・サイズ:B5横
・謳い文句:(特に無し)
<解説>
 文教ニュースとつくりはほとんど同じ、個人的な扱いもほぼ文教ニュースと同じです(とは言え、それは文教速報が文教ニュースを真似ている訳ではなく、両者が大体同じ領域を取材範囲にしているという意味であることを強調しておきますよ!)。表題に「記事を書いたことがある」と書きましたが、これは別に官庁通信社に依頼されて書いたわけではなく、自分のいる部署で事業などを行う時や行った時に、その広報として「記事の提供」という形で毎回文書を送付していて、それが掲載されたことがある、という意味です。当ブログを書いている管理人としてはこの程度の記事なんてお茶の子さいさいで書けますよ、と言いたいところなんですが、実際は送付する文書の雛形がある程度決められている(過去に送付した文書をほぼ踏襲して記事を書く)のでこのブログで記事を書いている経験なんて何の役にも立っていません(泣)。ちなみに全部で3回くらい載りました。


【その6:大学は法人化したけど購読してます】

・名 称:人事院月報
・購読料:定価360円
・出版元:人事院
・発行頻度:毎月1回、1日に発行
・サイズ:B5縦
・謳い文句:中立、公正、信頼 人を育てる人事行政
<解説>
 人事院公式の広報誌。毎年9月頃に出される「人事院勧告特集号」はコピーして手元に置いておくくらい愛読しています。個人的に人事院というと国家公務員の俸給関係をつかさどるイメージですが、誌面の内容は公務員倫理など、国家公務員の人事に関わることを広く紹介しています。回覧でまわってきたらとりあえずじっくり目を通すために机に留め置くので、自分のせいで回覧がなかなか終わらないという、自分のいる部署の総務係泣かせな広報誌(「泣かせているのは自分」という風には考えないのが回覧を留めるコツ)。


【その7:対公務員バッシング最終兵器】

・名 称:人事管理通信
・購読料:月額購読料2205円
・出版元:官界通信社
・発行頻度:毎月2のつく日に発行
・サイズ:B5横
・謳い文句:公務員人事マネジメントのための情報専門誌
<解説>
 「対公務員バッシング最終兵器」なんて過激な名前を書いてしまいましたが、公務員問題を考える上で非常に参考になる購読物だと個人的には考えています。「最終兵器」なんて書いてますが内容も決して過激なものではなく(ちなみに右翼的なものでももちろんなく)、マスコミなどで取り上げられる公務員の批判に対し理路整然とした観点から冷静に反論を試みている印象があります。
 内容の一例ですが、例えば「キャリアとノンキャリア」の問題に関してマスコミではその区別を無くすべきという論評が強い中、この雑誌では国家行政における幹部候補職員の必要性や育成方法についての論議、またその存在の国際比較なんかを展開しています。内容が全面的に正しいとは思いませんが、知見を広げる意味では一読する価値があると思います。人事院月報と同じく、自分の机に留め置かれるために総務係泣かせな購読物その2。



■終わりに
 さて、今回は各種購読物ということで以上の7つを紹介して見ました。これ以外にも文部科学省共済組合関係とか国家公務員共済組合(KKR)関係の広報誌があったのですが、それは購読物というよりパンフレット的なものかと思ったのでここでは掲載を見送りました。
 それにしても今回のエントリー、何度見返してみても「こんなこと特集している人間なんて自分くらいだろうなぁ」という孤独感と「こんなこと書いてもあまりブログのアクセス数は増えないんだよなぁ」という寂寥感がこみ上げてくる内容と言わざるを得ません。でもまぁ、回覧物を見て知見を広めることだって国立大学事務職員の業務の一つなんだから、世界に一人くらいこんなエントリーを書く人間がいてもいいはずだと、自分で自分を励ましたいと思います。
 ちなみに自分のいる大学でも部署によっては以上紹介したものの他に、労働法に関する最新判決の雑誌、都道府県レベルでの初等・中等教育に関する新聞、近隣地方自治体の広報誌などを回覧しているところもあるようです。もし国立大学あるいは私立大学にお勤めの方で「うちではこんな雑誌を回覧しているよ」という情報をお持ちの方がいればコメントへの書き込み方、よろしくお願いいたします。

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