国立大学職員日記
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国立大学職員日記:記事一覧




■はじめに
 今回は証明書発行関係の小ネタのエントリーです。
 国立大学に関する証明書と言えば学生の「在籍証明書」や「卒業証明書」などが多いのですが、一般の職員でも異動や転籍の際に「在籍証明書」や「退職証明書」、「就職予定証明書」などが必要となる場合が多くあります。
 これらの証明書は提出先の様式に合わせて作成したり、自分の大学の様式で作成したりとまさにケース・バイ・ケースなのですが、証明書発行業務をしていると短い期間に同じ証明書を何通も証明しなければならないようなことが年に数回起こります。その一種で、そして新年度が開始された春に集中するのが「免除職在職・異動届」です。

■「免除職在職・異動届」とは何か?
 平たく言うと、「免除職在職・異動届」とは「独立行政法人 日本学生支援機構」に提出する奨学金の返還免除に関する書類です。
 「独立行政法人 日本学生支援機構」の管轄する奨学金には「返還特別免除制度」というものがあり、国立大学において常勤の教員として勤める職員はこの適用を受けることができるため、国立大学にとっては毎度お馴染みな証明書の一つです。
 ちなみにこの証明書が集中するのは機構からこの証明書が4月に一斉に送付されてくるためです。自分の中では外国人教員等の入国管理局に提出する証明書と併せて4月の名物業務みたいなものになっています。

■どんなものか?
 実際の「免除職在職・異動届」は下のようなものです。


※クリックで拡大


 茶色の部分はあらかじめ印刷してある箇所、
 黒字の部分は各先生方に応じて別途に印刷してある箇所、
 青字の部分は申請をする各先生方に書いてもらう箇所、
 赤字の部分は事務側で証明する箇所、です。

 この証明書は茶色で印刷され、横長の紙面が特徴的なために窓口で声を掛けられても手元を見るだけですぐに判別できます。1日に10件とか20件とか来る場合があり、そんな日はさすがに「また来たか」という状態になるのですが、画像の赤字部分を見ても分かるとおり証明する内容は極めて簡単なため、さほど業務上の負担にはなりません。むしろ大学名や氏名があらかじめ印刷してあるので、証明書関係の中では群を抜いて合理化されている方です。このあたりの簡便さは文部科学省共済組合あたりにはぜひ参考にしてほしいくらいです。

■おわりに
 今回は内容少なめの小ネタ更新をしてみました。こういう「さほど重要ではないけど事務をやってる人間には結構お馴染みのこと」のネタは結構多いので、これからなるべく頻繁に書いていきたいなと思います。
 ちなみに、上記画像は利用できるデータが無かった(当たり前ですが)ために自分がエクセルで一から手作りしたものです。勤務日でもないのに証明書の写しとにらめっこしながら3時間も掛けてこんなものを作るとさすがに「休日にいったい自分は何をやってんだ」という気分になります。日本学生支援機構の職員さんがもしこの記事を見たら心の中でも良いので褒めてやってください。

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■はじめに
 早いもので国立大学で事務職員をやり始めて4年が経過しました。お役所チックな業務にも少しずつ慣れてきたので「もう自分は民間では役に立たない人材になってるのかなぁ」と物思いにふける夜もありますが、それはともかくとして例年のごとく年収データをまとめてみました。また今回は年収に併せて、労働環境の中で数値化できるものもまとめてみました。これから国立大学事務職員になりたい人や「隣の庭」が気になる方々の参考になれば幸いです。


<基本データ>
採用年月日
平成18年4月1日
最終学歴
4年制大学卒
年度末時の年齢
26歳
勤続年数
4年
年度末時の基本給
1級36号俸
昇給歴
昇給区分「良好」のみ



<年収>

■支給額と内訳グラフ
支給額内訳
支給項目
金 額
基本給
2,243,000円
各種手当
444,000円
超過勤務手当
487,000円
期末・勤勉手当
782,000円
合 計
3,956,000円

※各種手当とは通勤手当や住居手当、扶養手当等の他、基本給の調整額も含む



■控除額と内訳グラフ
控除額内訳
控除項目
金 額
所得税
90,000円
住民税
171,000円
共済短期
119,000円
共済長期
305,000円
雇用保険
16,000円
合 計
701,000円




■総支給額と総控除額と手取金額
総支給額
3,956,000円
総控除額
701,000円
手取金額
3,255,000円



<労働環境>

■出勤状況
勤務日数
243日
→年休取得
10日
→夏期休暇
3日
→特別休暇
0日
実働日数
230日


■勤務状況
勤務時間
1,883時間
→年休時間
-78時間
→夏休時間
-23時間
→特休時間
-0時間
残業時間
313時間
実働時間
2,096時間


■その他の労働環境
時給(基礎額)
1,300円/時
時給(残業時)
1,600円/時
平均残業時間
27時間/月
給与手取額平均
216,000円
ボーナス手取額平均
332,000円
残業代支給率
99.68%
年給消化率
50.00%

※残業代支給率は「申請した時間÷支給対象となった時間」で算出
※年休消化率は「20日÷取得した日数」で算出


■雑感あれこれ
 年収は今年も約400万円となり、昨年度とほぼ同等でした。残業時間が増えたので年収も増えるだろうと思っていましたが、ボーナスの落ち込みと相殺されたようです。異動に伴う手当の停止なども影響している様子。
 今年度は勤務時間もまとめてみました。残業時間を含めて約2,100時間。残業時間は5分単位で完全に記録しているので、これはかなり正確な数字です。「データ上の」日本人の平均労働時間よりはかなり多いのですが、ああいったデータはサービス残業の分が入っていないと聞きますので、実際のところは多いのか平均なのか少ないのか、よくわかりません。異動してきた当初に勝手の分からない仕事が多くて、最初の3ヶ月間に残業をたくさんしてしまったのが反省点です。2010年度は異動も無いようなので、労働時間はもう少し減らせると思っています。
 残業時間に関し、年300時間を超えるくらいは自分の大学では「割と多い方」と評されます。月平均だと27時間ですが、繁忙期と閑散期があるので多い月で大体60時間くらいです。自分はかなりのヘタレなので月40時間も残業をすれば音を上げます。勤続年数を重ねたらもっと残業ができるようになるのかもしれませんが、少なくとも今現在では毎月80時間とかの残業を年中している職員さんを見ると「一体どういう生活をすればああなれるのか」と不思議でしょうがありません。「公務員は定時で帰れるんじゃなかったのかー」と思う日があったりなかったり。
 残業代はほぼ100%の割合で支給されています。特に自分の場合は行った残業は全て申請しているので、本当の意味で残業代が「全額」支給されています。また、自分が入った時と比べてサービス残業をなくそうとする動きは広まってきたように感じます。よほどのことが無い限り、申請した残業時間が勝手に削られることはありません。申請の手続き上、上司が勝手に数字を変更できないようになっているからです。その一方で「残業時間を少なく申請する」風潮は依然として残っているようです。こういうことを行う雰囲気を改める努力も必要でしょうが、「申請したなら支給される」くらいまでには組織を改善した大学側を、とりあえず評価したいと思います。残りは各職員の心掛けによるところも多いでしょう。
 年休は通常の国立大学職員なら年に20日が付与されます。そして年に20日のペースで消化しないと「使わずに失効してしまう年休」が発生してしまいます。自分は10日しか消化していませんが、繰越分が少なかったこともあって2010年1月1日で失効した年休は0でした。今年は本格的に20日くらい消化しないと失効してしまう年休が発生してしまうので、なるべく100%消化してやろうと意気込んでおります。年休を取得することによって業務がたまって残業時間が増えて、結局自分がキツい思いをするだけのような気もしないでもないのですが、それでもやってやろうと意気込んでおります。

■おわりに
 年収は上記に書いたことが大体全てですが、労働環境、特に福利厚生関係に関しては年収以外の部分も多いのでいつかエントリーにまとめてみようと思います。特に共済関係でどのようなサービスが受けられるのかということについて、個人的にも調べてみたいことが多いので、今からコツコツ資料集めをしている最中です。


※関連する過去のエントリー
【1年目の年収】
・(なし)
【2年目の年収】
平成19年度年収の詳細を調べてみた。
【3年目の年収】
国立大学事務職員の年収(勤続3年目の場合)

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